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ここは……ここは学校。今後の人生において最低限必要なものを習う場所。だと俺は思っている。
外は相変わらずの雨でここ最近ずっとこんな天気だ。そういえば梅雨ってこんな感じか。この時期は何を思ってもどうでもいいと思ってしまうのだ。いや、それは今だけじゃないか。もうずっと何年も同じ気持ちでいる。体の外にも内にも感情の起伏がまるで表れない。何故こうなってしまったのか、いつからこうなってしまったのか、それさえも思い出せない。というよりどうでもいい。「おい、お前!!ずっと外なんか向いてないで授業に集中しろ!!」
「……」
「ほら、返事は?」
「あ……はい」
「ったく……いつも気のない返事ばっかしやがって……はい、えーここの式に対してはこの公式を用いて……」
(あ、今って数学やってるんだっけ?)
黒板には今後いつ使うかも分からないような式とその例題がびっしりと並べられていた。どうやら今日は二次方程式の解の公式についてやっているようだ。まぁやっぱりどうでもいいとしか思えないのだが。しかし、《解の公式》か。俺みたいに何をやるか分かってないようなやつには誰か人生の解の公式でも与えてはくれないだろうか?そうすれば模範となるような生き方が……いや、余計に生きていることにどうでもいいと感じることになるだろう。あ、一応俺って自分らしく生きたいとか思ってるんだ。そんな気があるとは思わなかった。まぁ結局それも今気づいたところでどうでもいい。
キーンコーンカーンコーン───
そんなことを考えているといつの間にか数の授業は終わっていた。ん?数の授業?これにはちゃんと名前があるだろ?えーと、まぁどうでもいいか。
次はこの世の理(ことわり)を学ぶ時間だ。あれ?この時間って何をすればいいんだっけ?まぁどうでもいいか。
「はい、じゃあ授業始めていきまーす。」
誰かが前に立って何か言っている。あれは誰だっけ?まぁ誰でもいいか。黒いボードに白い粉で書かれた何かが並んでいく。何が書かれているのか判別できない。
「???」
なぜ?さっきまで違和感なく見えた風景が違和感があるものにしか見えなくなった。わかるのはやけに他より簡単に書かれたものとそうでないものがあるということだけだ。
…………なぜ?……それも、どうでもいい、か。
あ……なんでもどうでもよくなったな。あれ?なんでいきてるんだろう?いきるってなに?もう、どうでも……
せかいがまわる。とたんにつよいしょうげきがあたまにはしる。なにかおとがする。でもそれも……
どうでもいい
「蜈育函!縺薙?蟄舌′蛟偵l縺セ縺励◆?」
「縺茨シ溘→繧翫≠縺医★縺サ縺代s縺励▽縺セ縺ァ騾」繧後※縺」縺ヲ?」
……おれは……いしきをとばした
「被検体λ(ラムダ)は動物から植物への進化を起こしたぞ」
「何をバカなことを言っているんだ。植物人間の間違えだろう。それに仮に変わったとして退化に思えるが……」
「そんなことはどうでもいいんだよ!!要は今回の実験は失敗なんだろう?」
「いや、貴重なデータがとれた」
「どんな?」
「どうやら人間は全てに興味を失くすと自分を失うらしい」
「なら次の実験では何事にも興味をもたせたものを創るのが良いか?」
「それはあまりにも極端というものだろう。もっと考えてやらなければ」
「それはその通りだ。このマインドチェンジは世間に知れ渡ってはいけないのだから。慎重かつ丁寧に……」
「まぁバレることはないだろう。なにせ電波を飛ばして頭を変えるだけなんだから」
「油断するな。いつどこで辿られるか分からないからな」
「よし、次の被検体μ(ミュー)を発見した。総員、実験準備にかかれ!!」