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 いまはまだ、勤務時間のはずだ。
 私も仕事を切り上げさせられたというのに、フィオナ嬢と他の使用人ふたり分の穴まで、誰が埋めるのか。

 そんなことに気を取られていたら、グイッと胸ぐらを掴まれた。
 強く突き飛ばされ、暗く湿っぽい用具室の壁に、背中をぶつける。

「お前ごときがジークフリート殿下の恋人を騙るなど、王室への冒涜だわ! 恥を知りなさい、無礼者がっ!!」

 礼拝堂の脇で来いと命じられ、大人しくついていけば、案の定だ。
 人目につかない用具室で、フィオナ嬢による私刑が始まった。

「シルヴィア、早く身体を貸せ。こんなくだらん腹癒せに付き合う価値はない。脅しでもかけて──」
「いいえ」

 俯いたまま、首を振った。
 殿下を見上げ、身体をお貸しする気はない、と自分*****

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