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「あ、ミク……とまふゆ」
ミクが座っていると思ったら、まふゆがミクの膝で寝ていた。
「……連絡してくれてもいいのに」
「どうせ寝てるってまふゆが」
「失礼ね。まあ当たりなんだけど」
そう、さっきまで寝ていた。目が覚めて暇なのでセカイに来た。
まふゆが寝ている隣にしゃがみ込んで、顔を見てみる。顔色は良さそうだ。いい夢を見ているのだろう。
ふと、握りきれてない無防備な手をつついてみる。いつもこの手に握られてるんだよな〜と思いながら、ちょっと笑みが零れる。
「あ」
「んん……」
すると、つついていた人差し指を握られた。
「どっ、どうしようミク…!」
「絵名、あまり大きい声を出すとまふゆが起きちゃうよ」
「……絵名、ミク、まふゆと何してるの?」
そこに現れたのはリン。暇だったのだろうか、私達と出会ったからか顔色が明るい気がする。
「リン、この人指し指どうしよう」
「……そのままでいいんじゃないかな。私は用事を思い出したからもう行くね」
「は、用事って何よ。どうせ暇でしょ」
「こっちの話」
「はぁ……!?」
「……あ、来た」
「何が」
「ちょっと行ってくるね」
「ちょっ……リンめ……。ミクぅ……」
助けを求めてみるが、ミクはかぶりを振るばかりで、協力してくれそうにない。それから、仕方ないから諦めろ、という微笑みをされる。まふゆの手は要注意と覚えておかなければならない。今日学んだ。
すると二人の足音が近づいてきた。瑞希と……さっきどこかに行った筈のリンだ。
「やっほー。あ、ほんとだ面白いことになってる」
「……ねぇリン、余計なもの連れてこないでよ」
「余計なものって失礼だなぁ。ねえねえ、もう一つの手にも掴まれるかやってみようよ」
「あーもう、そういうところが余計なの!」
「んん……。……なに、これ?」
しまった、流石にうるさすぎたみたいだ。まふゆが薄っすらと目を開けて、周りを伺う。
「みんな……?」
「ごめん起こしちゃって。早速で悪いけど、この手、どうにかしてくれる?」
「手? ああ」
まふゆは掴んでいる手を見て、力を緩めたと思ったら、両手で私の手を広げていき、私の指と指の間に指を入れて、ぎゅっとした。はいはい恋人繋ぎ──って、
「違うから!」
「絵名、朝から煩い」
「いい目覚まし時計だね〜」
「どうにかしてって、離せってことだから、繋げってことじゃないから!」
「でも絵名もじっと見てたでしょ?」
「どうにかして(まふゆと手を繋ぎたい)」
「もううるさいなぁ……」
「「うるさいのは絵名の方じゃない?」」
「っ!」
カチンときた。そこで揃うのは何なんだ腹が立つ。もう手を繋いでやらないからな、朝比奈まふゆ。
──手、全然離れない。