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ちぇすとチャン.💛🍼🪽
4
#さのじん
mo-
4,047
新作✨
やわしゅんです😖💖
結構いいできかも…?🤔
それでは👋
ザーザーと容赦なく降る雨が、曽野舜太 の体を芯まで冷やしていく。
アイドルとしてのプレッシャー、鳴り響く歓声の裏にある孤独。
もう彼の心は完全にポッキリ折れとった。
「……もう、今日で終わりにしよ」
誰もいない帰り道、傘も差さずにボソッと呟き、舜太は最後の日を決意してトボトボ歩いていた。
その時、路地裏の寂れた街灯の下に、何かが盛大にぶ倒れているのを見つける。
「……え? 人? 待ってや、嘘やろ……?」
恐る恐る近づくと、その人物の服装は明らかにおかしかった。
金糸の刺繍がギラギラ施された純白のジャケットに、見たこともない大粒の宝石がついたブローチ。
雨に濡れてなおキラキラと輝く高級そうな衣装。
コスプレにしては予算かかりすぎやろ、とツッコミたくなるレベルのリアルさ。
「おい、大丈夫か……? 生きてる?」
声をかけるがピクリとも動かん。
いつもなら「絶対ヤバい奴やん」と全速力で逃げ出すシチュエーションだが、舜太は生まれつき人を放っておけない超絶お人好しだった。
死のうとしていたことすら一瞬で忘れて、「ええい、しゃあないな!」と重い男の体を背負い、ハァハァ息を切らしながら自分の家へと連れ帰った。
数時間後、ベッドの上でその男がうっすらと目を覚ました。
「ん……? あれ、ここどこ……? 天国……?」
「いや、俺ん家。君、道端で派手に転がってたんやで」
長い睫毛を揺らし、ゆっくりと開かれた瞳。
その瞬間、舜太の心臓がバックバクに跳ね上がった。
本当に綺麗で、恐ろしいほどのイケメンだったのである。
濡れた髪が色っぽく額に張り付き、その整った顔立ちはまるで二次元から飛び出してきたかのよう。
「あ、僕……山中柔太朗って言います。……君が助けてくれたの?」
「敬語使わんでええよ! 同い年くらいやろ。俺は曽野舜太。一体何があったん?」
柔太朗は、少し怯えたように、でもどこかホッとしたような、ふにゃっとしたどことなーーく可愛くて癒やされる100点満点の笑顔を浮かべた。
その笑顔を見た瞬間、限界を迎えていた舜太の脳内に直接マイナスイオンがドバドバと流れ込む。
……完全なる一目惚れやった。
しかし、ここから柔太朗の口からトーン低めのイケボで、驚くべき電波な事実が飛び出した。
柔太朗は、この世界とは違う国の本物の王子様だという。
「王子の生活ってさ、常に監視されてて自由がなくて……本当に苦しかったんだよね。耐えかねて城から逃げ出して、夢中で走ってたら川に落ちちゃって。気づいたらあの雨の中にいたの」
寂しそうに微笑む柔太朗の横顔があまりにも儚く、美しくて、舜太は不覚にも「俺が一生守ったる!」と思ってしまった。
さっきまでの「人生の限界」なんて、どこか遠くの宇宙へ吹き飛んでいた。
しかし、感動的な出会いも束の間。
山中柔太朗 は、この世界のなにもかもを1ミリも知らない究極の世間知らず様だった。
翌朝、舜太の部屋はツッコミが追いつかない爆笑パニックに包まれる。
「ねえ舜太! この、四角い箱から人が叫んでるんだけど! 呪術とかこれ!?」
「テレビや! ニュース番組やから叫んでへん、喋ってるだけ!」
「舜太、この『蛇口』ってやつを上に上げたら、水が無限に湧き出てきたんだけど! 魔法!?」
「ただの水システムや! 閉めて! はよ閉めて! 床がびしゃびしゃや!」
極めつけは、お腹を空かせた柔太朗に電子レンジで温めたご飯を出した時だった。
「チーン」と小気味いい音が鳴り、ホカホカのご飯が出てくると、柔太朗は目を限界まで丸くして輝かせた。
「すごい……! 舜太って、炎を使わずにご飯温められる大魔導師だったんだね!?」
「ちゃうわ! 家電や! 科学の進歩を大魔術にすな!」
ボタン一つにビクビク怯え、自動ドアが開くだけで「壁が割れたんだけど!?」と腰を抜かし、スマホの画面に映る自分の顔を見て「鏡の中に僕が閉じ込められちゃった……」と本気で涙目になる柔太朗。
そのすべてが新鮮で、ぶっ飛んでいて、
そして——ものすごく、愛おしい。
「ひゃははは! お前、おもろすぎるやろ!」
気づけば、舜太はここ数年で一番、お腹が痛くなるほど大笑いをしていた。
あんなに暗く、死にたいとすら思っていた毎日が、このポンコツ可愛い王子様のおかげで、信じられないほど鮮やかで賑やかな色を取り戻していく。
「舜太が笑ってくれると、なんか胸が温かくなるな」
柔太朗は、じっと舜太の目を見つめて、またあのずるい癒やしの笑顔を浮かべた。
「僕、この世界のこと、本当になにもわからない。でも……舜太の隣に居られるなら、ここが僕の新しい国でいいや」
不意打ちの殺し文句に、舜太は耳まで真っ赤にしながら、柔太朗の手をギュッと握りしめた。
「……もーー、しゃあないなぁ! なにも知らない王子様のお世話係、この俺が命がけでやったるわ!」
限界やった関西弁アイドルと、異世界から逃げてきた美形王子様。
おかしな二人の、ツッコミが鳴り止ないきらきら同居生活が、雨上がりの空のように賑やかに幕を開けた。
fin
コメント
2件
もうタイトルの通知が来た時点で「あ、これ好きだ。。」と思いました 毎回出す作品全ての発想がぶっ飛んでいて大好きです(;_;)続き楽しみにしています✨️
おお、めっちゃ好きなやつやった…!関西弁の限界アイドル舜太と、異世界から逃げてきた♡♡♡可愛い王子様の組み合わせ、この相性良すぎるやろ。電子レンジを「大魔導師」扱いとか、テレビにビビるところとか、柔太朗の世間知らずのツッコミどころが全部面白くて、読みながら何度も笑うてしもた。でもそれだけやなくて、「明日で終わりにしよ」と思っとった舜太が、柔太朗との出会いで笑顔を取り戻していく流れが自然で胸にきた。宥和のバランスが絶妙やし、このテンポ感は好みどストライク。続き、気になるなあ…!