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#ざまぁ
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ほんとうに大好きです 続きが楽しみです
「……悪かったよ、昨日のこと。な?」
低い、あやすような優しい声。
それでも俺はむすっとしたまま、頑なに顔を上げようとしなかった。
すると、竜牙さんが少しだけ距離を詰めてきて、大きな手のひらで俺の頭をぽんぽんと撫でてきた。
いつもなら、これだけで一発で機嫌が直る。
どんなに拗ねていても、この大きな手の温もりに触れるだけで、全部どうでもよくなるはずだった。
だけど、今日はダメだった。
心の奥の意地張った自分が、その優しさを「誤魔化し」だと受け止めてしまった。
パシッ、と。
俺は自分の頭に乗ったその手を、少し強めに払い除けてしまった。
その瞬間
竜牙さんが、まるで鋭い刃物で胸を刺されたかのような、ひどく傷ついた顔をした。
(……あ)
やばい、と思った時にはもう遅かった。
大きな手が、空中で行き場をなくしたように寂しく震えている。
「……っ」
竜牙さんは何かを言いかけて、喉の奥でそれをぐっと飲み込んだ。
それから、張り付いたような歪な笑顔を無理やり作って、消え入りそうな声で言った。
「……そっか。気をつけて帰れよ」
無理やり作った、今にも泣きそうな笑顔。
それを見た瞬間、俺の胸の奥がぎゅーっと、雑に雑巾を絞られるみたいに痛んだ。
最低だ、俺。何やってんだよ。
だけど、一度張ってしまった意地を、どうやって引っ込めればいいのか分からなくて────
俺はそのまま、逃げるように彼の家を飛び出した。
◆◇◆◇
その日の夜
俺は自分の部屋のベッドで、天井を見つめながら盛大に自己嫌悪の渦に溺れていた。
スマホの画面を見ても、竜牙さんからのLINEの通知は届いていない。
いや、来なくて当然だ。
今朝の俺はめちゃくちゃ感じ悪かったし、彼の優しさを最低な形で拒絶したんだから。
だけど。
だったら、なんでそんなに頑なに隠すんだよ。
付き合ってる恋人なんだから
ちょっとくらい格好悪いところがあったって、俺は全部受け止めるのに。
そんなぐちゃぐちゃした思考を繰り返していると、不意にスマホが短く震えた。
慌てて画面を見ると、通知の主は竜牙さんだった。
『昨日と今朝、ごめんな』
短い文章。
ただ、それだけ。
俺はしばらくその画面をじっと見つめたあと
行き場のない感情をぶつけるようにスマホをベッドに投げ出した。
……ずるい。
本当に、そういうところがずるいんだ。
喧嘩をしても、気まずくなっても、いつだって先に大人になって謝ってくれるのは竜牙さんだ。
包容力があって、優しくて、いつでも俺を最優先で甘やかしてくれる。
だから余計に、俺ばっかりがワガママを言うガキみたいに思えて、自分が嫌いになる。
なのに肝心の“理由”だけは、どれだけ待っても、絶対に言ってくれない。
俺はしばらくベッドの上で頭を抱えて悩んだあと、意を決してスマホをひったくるように掴んだ。
このままなあなあで終わらせたら
きっと俺たちの関係は、いつかこの小さな歪みのせいで壊れてしまう。
『今日の夜、店に行く』
フリック入力でそれだけ打ち込んで、送信ボタンを押す。
一分もしないうちに、すぐに既読がついた。
『わかった。待ってる』
画面に表示された短い返信。
それだけなのに、なぜか妙に胸のざわつきが止まらなかった。
……今夜こそ、ちゃんと話そう。
誤魔化されないように、真っ直ぐぶつかろう。
そう決めているはずなのに
どうしてこんなに、心臓が痛いくらいにイライラと不安で震えているんだろう。