「……ん、ぁ……あべ……ちゃん……」
シャツ越しに撫でられる太もも。
腰のあたりを指がなぞるたびに、ゾクッと背筋が痺れる。
けれど、その手は決して“そこ”には触れない。
もどかしいほどに。
「や……なんで……触んないの……っ」
声が、息に混ざって震える。
肌の上からじっとりと、でもやさしく這うような指先に、すでに頭がぼんやりしている。
「焦らしたほうが楽しいでしょ?」
にこりと笑いながら、阿部ちゃんの手がシャツの裾から潜り込む。
素肌に触れた瞬間、身体がビクンと跳ねた。
「や、ぁ……」
「ねえ、佐久間。どこに一番触れてほしい?」
「……っ、わかってるくせに……」
「まあね。もうちょっと我慢してね」
そう言って、また太ももを撫でる。
内腿の、ほんのきわきわ。
そこを何度も何度も往復するたびに、股間が疼いて仕方ないのに、阿部ちゃんは微笑んだまま、決して“その先”へは行かない。
「……ね、ちょっと、もう無理……」
目が潤んで、膝が震え始めたそのときだった。
「……ご、よん、さん……」
「え……?」
耳元で突然始まる、阿部ちゃんの小さなカウントダウン。
「なに……? なにそれ……」
「に」
囁く声が、耳たぶをなぞる。
鳥肌が立つ。
「いち」
肩に触れた手が、ゆっくり首筋を撫でる。
ゾクリとした快感が背中を駆け上がる。
「……ゼロ」
その一言とともに、阿部ちゃんの指先が胸の先端をほんの少し、爪でかすめた。
「——っぁ、あ、うそ、あ、やっ……」
ビクビクと震える身体。
膝が崩れて、腰が抜ける。
「……えっ、ま……なに、ん、ぁ……?」
「ほんとにイっちゃった…ネットで流れてきたんだよね。脳イキっていうらしいよ?」
「や……なにそれ……っ、はぁ……っ」
阿部ちゃんが俺の背中をそっと抱きしめた。
「気持ちよかったでしょ?」
何も言わず、熱を持った頬を阿部ちゃんの首にこすりつけた。
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