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15話 意地悪はカラオケボックスで
カラオケなんて久々だった。
でも小林はもっと久々だったらしく、おずおずとソファーに座りながら言う。
「カラオケボックスは新入社員の時、歓迎会で来た以来です」
俺も歓迎会には毎年参加させられているけど、小林がいた記憶が全くない。
スーツの上着を脱ぎ、テーブルにメニューを広げる。
「なに飲む? あ、ちなみにここもあんたのおごりな」
言いながら受話器を取り、目についたものを次々注文した。
「生ビールとミックスナッツと唐揚げ。あとピザと……あんたは?」
「あ、私はウーロン茶で」
「あとウーロン茶」
通話を終えると、タッチペンのついた機械を手に取る。
曲を選び、ピピッと音がすると、俺は小林にマイクを渡した。
「……えっ、私が歌うんですか!?」
「そうだよ。憂さ晴らしに付き合えって言ったじゃん」
「む、無理です! 私流行り***********
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