テラーノベル
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仕事が終わり、俺たちは一旦別れて出ると少し歩いた場所から一緒のタクシーに乗り込んだ
手にはお互いコンビニで買った袋を持ちながら
「何買ってきた?」
「コーヒーとお茶」
「それだけ?」
「お前だってどうせ飲み物と煙草とラムネと栄養バーだけだろ?」
「‥‥正解」
ロウ君はそう言いながら俺の袋の中身を覗き見してきた
「お前絶対体悪くするからな」
「逆にそれ、体に良いもの食べたら俺の場合具合悪くなりそうだと思わない?」
「んな訳ねぇだろ?ちゃんと飯食えよ」
「気が向いたらね」
ロウ君の家までくだらない話をしているとあっという間に着いてしまった
家に入ると荷物を置いたロウ君が振り返る
「どうぞ」
「え、何が?」
ロウ君がキッチンを指差す
指の先にはガス台
その前に一人用の背の高いスツールが置いてある
これって‥‥
「そこで座ってゆっくり煙草吸えば?」
「わざわざ買ってくれたの?」
「だってお前一気に2、3本吸う時あるし。吸える場所そこしかないし」
ガス台の上には換気扇がある
だから俺は煙草を吸う時必ずここにきて吸っていた
ガス台の上にはいつも使っている灰皿もある
ロウ君って本当にいつも優しいんだから
俺は買ってもらったスツールに腰を掛けながら煙草に火を着ける
来たばかりの頃は電子タバコを吸っていた
だけどロウ君が紙煙草の方が好きなんだろって言って灰皿を用意してくれた
考えてみればいつもロウ君の優しさに甘えている気がする
俺も何かしてあげる事があれば良いのに‥‥
煙草を灰皿に押し付け火を消す
そしてソファーに座るロウ君の隣に腰を掛けた
ロウ君も電子タバコを吸っている
美味しかったよな、コレ
俺は電子タバコをじっと見つめた
ロウ君が俺に気付いて電子タバコを差し出した
「なんだよ。本当にコレが気になってんのか?」
「うん、だって美味しかったから」
ロウ君が吸い口を拭き取り俺に渡してきた
それを口へ運んで吸ってみるが何か違う
「さっきと味違うな‥‥もしかして変えた?」
「同じやつだけど‥‥お前味覚変なんじゃないのか?」
そう言ってロウ君がもう一度それを吸ってみる
「変わってねぇじゃねえかよ」
「え、嘘‥‥」
それをもう一度俺が取り、吸ってみる
‥‥えっ⁈
あの味になってる!
なんで?
この一瞬で何が起こった⁈
ロウ君が吸っただけなのに‥‥
ロウ君が触れたそこが甘くて美味しい‥‥
互いの顔が近づき、俺がロウ君の顔を見つめる
なんだこの気持ち‥‥
そう思うと同時に俺はロウ君へ触れてしまっていた
俺の唇が‥‥
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#佐伯イッテツ
かさ
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コメント
4件
うわ、この空気感やばい…!電子タバコの味がロウ君が吸うと甘くなるって描写、すごく繊細でドキドキした。スツール買ってくれてたり、煙草の好みを覚えてくれてたり、そういう小さな優しさの積み重ねが染みるわ。最後の唇が触れるところで止まる感じ、続きが気になって仕方ない🔥 二人の距離感がじわじわ縮まってく過程が丁寧で好き。