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#佐伯イッテツ
かさ
17
驚いた顔のロウ君が俺を見ていた
俺はそれ以上に驚いていた
だって‥‥
ロウ君の唇が思った以上に甘くて
「んんっ!‥‥イッテツ⁈‥‥あぅっ‥‥んっ、何急にっ‥‥」
「‥‥‥‥‥‥」
俺は頭が真っ白になり、気付くとロウ君の両腕を掴み、その唇を貪っていた
甘い
とても甘い
美味しい‥‥
もっと欲しい
口内に割り込ませた舌で中を掻き混ぜ、その舌を吸い尽くす
もっと欲しい
まだ足りない
息が苦しくなったロウ君がジタバタと暴れている事もお構いなしでその唇を奪った
「んんっ!んぁっ、イッテツ!!苦しいって‥‥あ、んんっ‥‥んっ‥‥」
「‥‥っ‥‥‥‥」
唇の端から溢れでるものまでも舌で舐めて絡めとる
俺ってこんなに甘いの得意だったっけ?
しかも舐めた頬までもが甘くて美味しい
ようやく解放された唇でロウ君が大きく息をしていた
「っハァ、ハァ‥‥イッテツお前っ‥‥」
「‥‥‥‥え?」
「ハァ、ハァ‥‥しかも煙草吸ったばっかでキスしやがって」
「あ‥‥ロウ君‥‥」
「ロウ君‥‥じゃねぇって」
いつの間にか床に押さえつけていた手を急いで離した
俺‥‥今何して?
「ロウ君、俺‥‥」
「なんだよ‥‥ったく、どこで急にスイッチ入れてんだよ」
「ごめん‥‥俺止めらんなくて‥‥」
「お前‥‥大丈夫か?顔凄く赤いけど」
そう言ってロウ君が俺に手を伸ばしてきた
その手を思わず掴み俺は‥‥
危ない!
俺はまた今何をしようとした?
でもまだ思っている
ロウ君がまだ欲しい
もっともっと‥‥
あの甘さ
「イッテツ?」
俺の名前を呼ぶその唇にまた触れたい
強く握ったままの腕を引き寄せると頭に手を添えて顔を近づけた
今までこんな雰囲気になった事がないロウ君は、体を強張らせながら俺の行動を見ている
俺の様子を伺っている事すら気にならない
もうロウ君を味わう事だけで頭がいっぱいだ
俺はロウ君を引き寄せるとまた強引にその唇に自分を重ねた
そんな中でも頭ではある事が気になっていた
でも‥‥
「んんっ!っ、イッテツ‥‥ぅ‥‥」
「んっ‥‥」
ロウ君が頭を左右に振ると俺の歯とロウ君の歯がかち合った
それでも唇を離さないでいると違う甘さが口内に広がる
これは‥‥
唇を離すとロウ君の口元が赤く染まってる
これは俺の血じゃない
すぐにわかった
「ロウ君‥‥ごめ‥‥」
「‥‥っ‥‥だからお前なんで急に‥‥」
「お、俺‥‥帰るね」
「あ、おい!‥‥え?」
俺は急いで家を出る
もしかしたらと思った
でも信じたくなかったから‥‥
俺がフォークにでもなったって言うのか?
しかもロウ君がケーキ‥‥?
それ以外に考えられない
俺は急いでラムネを取り出し口に含んだ
そう言えばいつからだっけな
ラムネの味を感じなくなったのは‥‥
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コメント
4件
「ロウ君がケーキで自分はフォーク」っていう比喩、すごく印象に残りました。甘さへの欲求が抑えられなくなる感覚と、それで傷つけてしまう恐怖が同時に描かれていて、読んでいてドキドキしました。それに、ラムネの味を感じなくなったという最後の一文も気になりますね。この世界の“甘さ”が単なる比喩じゃなくて、何か仕組みとして存在しているのかも…?続きが気になるー!