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劣等生に祝福を/kn#
この作品は、「優等生に哀愁を」
の続編、別視点です
一応それを読んでいなくても楽しめる内容にはなっていますが、
良かったら読んでみてください。
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knside
br「この世にはッ…2種類の人間がいるッ…!!」
「僕か、僕以外か…っww」
自慢するような笑みを見せながら、
呑気にふざける彼。
kn「うわぁ…言ってみてーなぁw」
br「言えばいいじゃんw」
kn「いや俺別に
そういうキャラじゃないしw」
そう言った途端、
br「、ッそっかww」
一瞬言葉に詰まっていたのは、
何故なのだろうか。
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br「僕人の悩み聞くの好きでさー…ッw」
それを聞いて少し安堵していた俺は、
馬鹿なんじゃないかと思えてくる。
「相談に乗るのが好き」
そんなのはきっと嘘で。
そういう人は大抵、いや、人間誰しもが
自分と同じ境遇に立っている人を
救いたいと思ってしまうからだろう。
それは彼に憧れて、
そういう本を読み始めてやっと、
分かったこと。
…少しくらい、
頼ってくれたっていいのにな。
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夕焼けに塗れた帰り道。
俺は振り返って、
彼の背中を見ようとする。
br「っ……」
ほら、やっぱり。
kn「…ッ、…ばーっか。」
そう吐き捨てて、また前を向いて歩く。
空に浮かぶ雲が紅く燃え、
オレンジ色の世界は、
徐々に紺色へと侵食されていく。
まるで彼の心情のように。
優等生ぶる彼を。
誰かのために偽り、生きる彼を、
救える方法はあるのだろうか。
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親が俺を呼ぶ声。
耳を塞ぎたくなるほど、うるさい声。
「あぁ゛っお前はいつもそうだ…ッ」
「ッはぁ…いつも言ってるだろ?」
「いい加減覚えろ、って_」
「お前が出来なくて怒られるのは
こっちなんだよ!!」
「ったく…そんなことも出来ないで
これからの将来_」
「お前のために、
言ってあげてるんだぞ…っ?」
kn「…はい、」
自分は何も出来ていない、
何も頑張れていない。
そんなこと、既に分かりきったことで。
なのに気を抜いたら、
涙が出てしまいそうで。
必死で感情を殺して。耐える。
大したことでもないのに、と
俺の中の何かが囁く。
ああ、そうだな、
きっとそうだよな、って。
確信も持てないまま、
ただ虚ろな目で居ただけだった。
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相手は変わらず大音量で携帯電話を握る。
ため息と舌打ちを交互に発しながら、
俺の作った料理を口に運ぶ。
それを見るだけでもう心が苦しくて。
。「…70点」
kn「、やっぱりちょっと味薄かった…?」
。「うん。
…まぁ食べれないことはないけど…w」
こんな状況を、明るい彼なら一体
どのように誤魔化すのだろう。
『え〜〜ッほんとにぃ〜っ???』
とか言ってそうだな。
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とっくに冷めた、残された食事を頬張り、
くだらない妄想をしながら皿洗いをして、
「ああ、面白いな。」なんて。
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監視されながらシャーペンを握って、
目を離した隙にスマホをいじって
「ああ、楽しいな。」なんて。
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布団の中に篭ってやっと一日が始まって、
暗闇の中カッターを手にして
「ああ、しにてぇな。」なんて。
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それでも、今日も明るい彼をみて、
精一杯頑張る彼をみて、
「ああ、素敵だな。」なんて。
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朝、布団から出られなくて、
血も繋がっていない家族の
怒鳴り合いが聞こえて。
次第に叫び声や、
殴り合う声なんてものが聞こえて。
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仕方なく重い体を起こして、
悲惨な光景を、見慣れた光景を目にして。
「うるさいな、」なんて呟いて。
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そんな日々を過ごして、今まで。
息が白く濁るこの季節。
横断歩道の先で手を振る彼に駆け寄って
「_____。」なんて言えたら。
似たもの同士だってこと、
彼が1番分かるはずなのに。
br「knさーん!!、おはよー!!」
そんなに笑うんだもん、
そんなに手を振るんだもん。
kn「…おはよ、ッ!!」
ほんと馬鹿だよな。お前。
隠してばっかり。
…
もし、俺らがこの先
この世界の何も愛せないならば。
俺が貴方を愛してあげるのに。
俺は貴方に、酔ってしまっているのに。
そうやって、
いつまでも変われない俺らは。
また沈んでいくんだ。
いつまでも変われない僕らは、
また今日という地獄を味わうんだ。
ほんと、馬鹿。
end.
コメント
2件
ああ…ありがたや…これマジで好きよ…☆(?) 一体誰のことやらねぇ