緑『みこちゃん、起きてる?』
『流石に寝ちゃったか、』
夜の十二時半、本を読んでいるとスマホが鳴った。
黄「起きとるよ!」
打ち込むと、すぐにチェックマークが付く。
今やり取りしているのはすちって言う最近インスタで出会った人。
偶々カフェの投稿を見てくれて、DMをくれたのだ。
緑『なんか良かった(?)笑』
『眠く無い、少し話そう?』
黄「打つの早いな…」
ぼそっと呟く。
キーボードの使い方に慣れず、あたふたしてしまう。
黄『ええよ、何話す?』
緑『う〜ん、みことちゃんの学校の事聞きたいな。』
黄『ぅええ?!面白い事無いよ?!』
うん、面白い事は無い。
なんてったってまだ中二なのだ、受験シーズンでも無い。
部活も、今は冬だ。
筋トレだけ。
緑『何部なの?』
嗚呼、案の定聞かれてしまった。
黄『水泳部やで〜』
とりあえず正直に答える。
緑『え、そうなんだ、珍しいね。』
黄『珍しい?』
緑『うん、この頃減って来てるんだよ。』
へぇ、そうなんだ。
確かに少ない、のかも?
分かんないや。
黄『すちくんの話も聞きたい!』
何処なんだろう。
家庭的っぽいから、調理部とか?
緑『俺は美術部だよ。』
黄『え?!』
心底意外すぎる。
絵、描けるのか。
緑『そんな意外?笑』
黄『意外よ!』
すると一枚の写真が送信されて来る。
隙間無く塗られたデジタル画だ。
黄「ん、」
真逆、これ、
黄『すちくんが、描いたん、?』
緑『そうだよ?』
黄『ぅええええッ!?』
凄い、凄過ぎる。
何をしたらこうなるのだ。
俺は苦手なのに。
黄『なんかもう、驚き過ぎて疲れた…』
緑『もう寝る?』
黄「わ、」
優しい。
心遣いが出来る。
モテそうだ。
黄『うん、そうする。』
一旦机にスマホを置き、歯磨きを持って来る。
緑『そうだ、今誘拐とか多いから気を付けてね?』
黄「ふぇッ、」
誘拐…
多いのか、怖いな。
黄『うん!有難う!』
本当に優しい。
彼女居るんだろうなぁ。
緑『て言うか、お家の人が居るから大丈夫か。』
黄『ううん、一人暮らしやで?』
そう、一人暮らしだ。
実家は田舎で、中学校が廃校になってしまったから、単独で東京に来たのだ。
緑『そっか、ちょっと心配。』
んん、良い人。
黄『大丈夫、大丈夫!』
『近くに大っきい駅あるし、何かあったらそこ行く!』
全然平気。
人通りだってそれなりに多い。
緑『そう?』
黄『そうそう!』
まず俺男やし。
誘拐犯が狙うのって女の子やろ?
緑『うーん、分かった。』
『あ、今外に居るんだけど』
わ、深夜の外出だ。
少し寒そう。
緑『今日は満月だよ、綺麗。』
黄「ほぇ、そうなんや。」
見てみようと思い、カーテンを開ける。
黄(んんん、)
中からでは良く見えない。
そう思い、ベランダに出た。
黄「わぁぁ、!」
成程、確かに綺麗だ。
思わず声が出てしまう。
黄「ッ、寒、」
びゅっと風がひと吹きしただけで凍えそうだ。
故にもう部屋に入る事にした。
黄『見たよ、凄かった!』
緑『でしょ?』
『喜んで貰えて良かった。』
ふふ、と笑いながらベットにダイブする。
緑『戸締り、ちゃんとしなきゃ危ないよ?』
嗚呼、あの誘拐の話か。
スパダリと言うのだろうか?
二回目だけど、絶対にモテる。
何ならちょっと好きになりそう。
画面の向こうだから分からないけど、イケメンなんだろうな。
黄「まぁ、一応。」
そう思い、スマホを片手に玄関へ向かう。
黄「あ」
通知が来た。
内容は……
黄「んんん、」
文字化けしてしまっている。
解読する為、直すサイトを開いた。
送られて来た物をコピペする。
緑「みこちゃん、少し抜けてるんだから、、閉めとくね?」
黄「……え、?」
________個人情報流出には、気を付けて。
コメント
3件
初コメ&フォロー失礼します。 主様の作品が3回ぐらい流れてきて運命!?かと思いました笑(((( 元優等生の作品2回目開いてあぁ!あの人か!と思いながら二度読みしてました、😇 今回の作品も書き方も上手いしで最強です✨✨