テラーノベル
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リムルの胃袋の中――そこは、本来なら終わりなき無の世界。
だが、今のそこには、なぜか豪華な和室と、コタツ、そして山積みの漫画本があった。
「……何だ、ここは。貴様、私をどうするつもりだ!」
宿儺が苛立ち、周囲を斬り裂こうとする。だが、呪力は霧のように消えていく。
「おいおい、そんなに暴れるなよ。お前が新しい同居人か?」
背後から響いたのは、山を震わせるような巨躯を持つ、金髪の男の声。
『暴風竜』ヴェルドラ=テンペストである。
「竜……? 呪霊ではないな、貴様」
「クハハハ! 我は天災、ヴェルドラだ! リムルに『反省するまで漫画を読んでろ』と言われてな。ほら、お前も読め。『呪術廻戦』っていう面白い本があるぞ」
宿儺の膝の上に、自分がモデルになった漫画がドサリと置かれる。
呪いの王が、自分の死に様まで描かれた本を読まされるという、究極の精神攻撃が始まった。
五条悟が、ぐったりした様子の伊地知を横目に、家入硝子へ報告していた。
隣では、リムルがのんきに虎杖悠仁とアイスを食べている。
「……五条、もう一回言って。聞き間違いだと思うから」
「だからね、リムルが『宿儺がうるさいから、胃袋の離れに閉じ込めた』って」
「……」
家入が今日十本目のタバコに火をつけようとして、手が震えて落とした。
「リムルさん……それ、虎杖君の中の宿儺はどうなったんですか?」
伏黒恵が、冷や汗を流しながら尋ねる。
「ん? ああ、魂のつながりだけ残して、本体(意識とエネルギー)は俺が預かった。だからもう、虎杖が乗っ取られる心配はないぞ。なんなら、宿儺の術式だけ虎杖が使えるように『最適化』してやろうか?」
「……えっ、そんなことできんの?」
虎杖が目を輝かせる。
「ラファエルさんに計算させれば余裕だ。はい、完了」
リムルが虎杖の肩をポンと叩く。
瞬間、虎杖の手のひらから、宿儺の『解』と『捌』が、虎杖自身の意思で制御された状態で放たれた。
それを見た釘崎野薔薇が、ボソッと呟く。
「……もう、五条先生いらなくない?」
「ちょっ! 先生ショックだよ!? 僕も一応最強なんだけど!?」
「……宿儺の気配が、完全に消えただと?」
夏油(の皮を被った羂索)が、珍しく余裕のない表情で盤面を見つめていた。
獄門疆(ごくもんきょう)を使って五条悟を封印する計画……その全てが、現れた謎の「青銀髪のスライム」によって根底から崩れ去ろうとしていた。
「どういうことだ。あんな存在、歴史のどこにも記されていない。宿儺を食らうなど、もはや呪いの範疇にすらない……!」
「――あ、見ーっけ」
突然、会議室の空間がぐにゃりと歪み、リムルの顔がひょっこりと現れた。
「お前らが、悪いこと企んでるやつらか? ラファエルさんが『不穏なエネルギーを検知しました』って言うから来てみたんだけど」
「なっ……結界を無視して侵入しただと!?」
「あ、逃げなくていいぞ。今から全員、俺の国の『法』に従ってもらうからな」
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