コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
夜。
全員が揃い、いつものように夜ご飯を囲んでいた。
……でも、何かが違った。
ずっと視線を感じる。
皮膚がぞわっと逆立つような、冷たい視線を。
私は落ち着かない気持ちでキョロキョロと周りを見る。
でも誰も私の方を見ていない。
気のせい……?
そう思いかけていた時……
〈如月ちゃん、大丈夫?顔色悪いで?〉
「大丈夫だよ!疲れちゃったのかも……。」
笑ったけど、視線は消えない。
優しいものじゃない。
じっと、何かを狙うような……冷たい視線。
夜ご飯を食べ終わり、お風呂へ行こうと立ち上がったその瞬間、手首をぎゅっと掴まれた。
振り向くと、末澤さんが立っていた。
【なぁ、なんか悩んでるやろ?】
「……えっ?」
【佐野に顔色悪いでって言われてた時、めっちゃ怯えた顔してたで?佐野となんかあった?】
「晶哉くんとは何もないよ。その……。」
そう言いながらも、また感じる。
あの冷たい視線。
ずっと……誰かに見られてる。
監視されてるみたいに。
自然と身体が震えていた。
【如月、大丈夫か?】
「大丈夫……。あのね、さっきから視線感じるの。ずっと誰かに見られてるみたいで……。でも、みんな私を見てないし……気のせいだよね……きっと……。」
【そっか……。なんかあったら言えよ。助けるから。】
「ありがとう。」
そう言って、私はお風呂へ向かった。
けど、湯気の中でも視線は消えなかった。
背中がぞわぞわして、思わず声が零れる。
「……誰なの……?」
返事はない。
静寂だけが浴室に満ちる。
その時……
パチンッ。
電気が消えた。
「……えっ」
暗闇。
心臓が跳ねる。
ガラッとドアが開く音。
誰?
誰か入ってきた?
私は震えたまま、椅子に座ったまま動けない。
息が詰まり、喉がひくつく。
次の瞬間……
後ろから、口を強く塞がれた。