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第72話 「被った猫の下」
「――何してるんだ」
一瞬凍り付いた空気を、同じ低い声でさらに凍らせにかかる楓。
「え、と……お、お冷をこぼしちゃったんで……」
「そうか」
そう答えると、楓はトレイを鞘佳のテーブルに置く。
そして小さく息をつき――
「それで、わざと客に水をかけた理由はなんだ?」
「――え」
鞘佳は目を見開き、新人店員の顔からは血の気が引いていた。
「な、なに言ってるんですかぁ、わざとお客さんにお冷こぼすなんて、そんなことあるわけないじゃないですかー」
「見ていた」
「へ」
「見ていた、と言った。あれは誤って倒した倒れ方じゃない。置いてからわざと倒したような手の動きだった」
「!」
「その後の草薙への謝罪も口だけだったな。愛想がよくない俺が言える立場ではないが――愛想よく悪意をぶつけるというのもどうかと思うぞ」
「!!」
(ちょ、ちょっと待って****************************
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