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寝てる時に突然過去のトラウマに襲われて起きちゃう❄️と、もう決して起きることの無い🎼の話。

まふかな成人軸。死ネタ、メリバです。救われない恋が好き。


「…っひゅ……」

体が浮くような感覚だった。もしくは地の底へと沈んでいくような。

何故か体が震えて、いつもは暖かい自身のベッドにいても、凍えてしまうほど寒かった。ふるふると怯える足に鞭を打ち、あの透き通るような長髪の彼女の部屋へと足を運んだ。

暗かった。ふつう、数歩で着くはずの部屋が、ずっと遠くに見えた。落ちてしまうように感じた。私の記憶から抜け落ちてしまうように思って、唐突に足を忙しなく動かす。もう少しで着く。もう届く。ばん、と音を立ててドアノブを掴み、扉を開いた。

「かなで、」

「……」

月の光に照らされ、静かに眠る彼女はとても美しかった。まるで決して欠けのない造花のようだった。

「………大丈夫、だって。絵名も、瑞希も。奏だっている。だからあの人のことは忘れなきゃ、だめ。忘れたら、」

私からなにかが消える。

そう突然頭に浮かんで、体ががたがたと激しく震え始めた。体を強く抑えても決して止まることがない。息が荒くて、酸素が足りない。頭に回らない。そんなわけないのに。私は、あの人から逃げたはずなのに。


ねぇ、たすけて

おねがい

わたしをすくってくれるやくそくでしょう

かなで

「起きてよ、かなで…っ!!!!!」

狂ったように投げた言葉は決して届くことのなく。そんなの分かりきっている。目を覚まさない彼女に愛を伝えるのもあともう一寸。

〖ウィズアウト・ノティシング・グッバイ〗

(筆m)

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