〘 📢seed 〙
📢「ぃ”ってぇ”……」
体を服の上から擦りながらも重たくて痛い足を進める。
散々学校で虐められた傷が只々痛む。
前、風呂場の鏡を見た時、やばいほどの痣とか傷とかになっててちょっとビビった。
今日はいつもより少し長く殴られ蹴られたもんだから、バイトへ行くのも遅れたし………それでまた先輩に叱られそうになったが、事情を知っている店長が居てくれたおかげで凌ぎきることが出来たんだけどね。
それでも、毎日のようにバイトを繰り返すから、帰るのは遅くなって🎮には迷惑かけている。
バイトをしていることは誰にも言っていないし、思われてもいないだろう。
家族には友達と夜遊びしてる。なんて思われてるんだろうな………そう俺が言ってるんだからね…(笑)
いつも通り、遅い時間帯に玄関の扉を開けると、そこには☂️👑🎮が棒立ちで立ち尽くしていて、その周りには冷たい雰囲気が漂っていた。
とても冷たくて、息をする度に肺が凍りつきそうな勢いだった。
俺はその場をふと、自分が虐められている場面が見えた。
📢(だめだめ………こんなこと考えちゃ、)
ずっと俺が、こんなこと考えて動かないだけじゃ、弟達が困ってしまう。
📢「何があった?」
🎮「知らん。けど、彼奴が、俺と📢兄と🌸兄に話があるってさ、」
彼奴、からの呼び出しか………。
不安な感情が段々と沸き立ってくる。
ただそれを、弟達に感じ取らせたらだめだ。
強く自分に言い聞かせながら、俺は重い口を動かした。
📢「わぁった。☂️👑はさっさと寝な。」
☂️👑「ん、」
そんな気持ちの反面、俺はその言葉を置き、3人の隣を過ぎ去ろうとした。
その時だ。不思議と👑から、悲しげな雰囲気が沸き立っていたのを感じたのは……
📢「…………👑。」
👑は顔にはてなを浮かべながら、俺の顔へと視線を移す。
📢「何が、あったのかは分かんねぇけど、お疲れ様。今まで」(撫ゞ
👑「…っ!!」
俺は無性に、👑にそんな言葉と、頭を撫でたくなった。
👑は目尻を赤く染め上げ、今にでも泣きそうな顔だったが、そんな顔にも何か吹っ切れて、嬉しそうな笑顔が浮かんでいた。
それを見ると、先程まで最悪とも呼べる程に落ち込んでいた気分がほんのりと暖かく包まれたように思えた。
📢「じゃっ」
右耳の横にそっ、と手を敬礼のように空中に置いてから俺は冷たくひんやりとした空気から暖かくほんのりとした場を後にした。
その後、🌸兄が帰ってきたと同時に俺は彼奴に俺と🌸兄と🎮が呼び出されたことを伝えた。
🌸兄は眉を眉間に寄せながら、警戒心を高めているように思えた。
現時刻が22:00になった時、☂️👑は既に夢の中。そんな時間帯に、俺らの足は、彼奴の部屋へと向かっていた。
*コンコンッ*
ドアをノックする音が静かな廊下に響く。
一番先頭は🌸兄。真ん中が俺。後ろが🎮だ。
もし、殴られても俺か🌸兄かが犠牲になれるように、🎮がすぐ逃げれるように。なんていう意図を隠し持って、こんな順番にした。
*ガチャッ*
🍵「入って。」(ニコっ
🌸「ん。」
彼奴は俺らに笑顔を見せながら、自分の部屋に招き入れた。
その部屋は、前みたいに無機質な部屋とは違って色んな物があるが、綺麗に整頓されていた。
彼奴に手招かれ、指定された場所に3人固まって座る。
少し沈黙が続く中、最初に口を開いたのは彼奴の方だった。
🍵「今日は、来てくれてありがとう」(ニコっ
📢「………そんな事はどーでもいい。俺らに……何の用だ。」(睨
🎮「📢、…ッ」
🍵「………👑くんのことについて……何だけど、」
🍵「学校側から連絡がきていると思うんだけど………もう見た、かな、?」
🌸📢「はッ、?えッ、、!!?」
威嚇していた俺は睨みながら、怒り声を交えた言葉を放った。
ただ彼奴は何も動じずに、淡々と話した。しかも、それは👑のこと。
俺と 🌸兄は、びっくりして、すぐにスマホの通知を確認する。
そこには学校から、«👑さんの事について__ »なんていうことが書かれていた。
🍵「………👑くん、。甘えたかったみたいです、…」
🎮「……ッ」
彼奴の言葉に俺らはピクリ、と反応する。
🍵「みんなが、我慢してるのが分かってて。兄達も無理している……。👑くんはそんな事は分かってるから、相談もしなかった。んじゃなかったんでしょうか」
📢「ッ………」
薄々気づいていた。
👑は、、学校で、一人で何かを抱えているような。そんな気がしていた。
でも、そんなことに気を使っている暇は、あの時の俺にはなかった。
🍵「でもやっぱ、、皆さんも、弟達を気にかけててる………けど限界、なんじゃないんですか……?」
図星だ。むしろ、図星すぎてびっくりするくらいだった。
ただ、その言葉に、🌸兄は溜まって怒りやストレス。色んなことに癪が触ったのだろうか………
🌸「……ッ、んだよ……なんだよ…………お前に何がわかるっ。俺らの気持ち。何が分かんだよッッッ!!!!!」
📢「🌸兄ッ!落ち着けッ!」
急に立ち上がり、目尻に涙を溜めながら大声を上げた。
俺は、その行動に焦った。それで、相手の逆鱗に触れたら。なんて考えていたから。
いつも、いつもそうだったから。
ただ、俺の予想は外れた。
🍵「…ごめんなさい。けど、👑くんにも、、少しぐらい、構ってあげてください……。 」
🍵「今の貴方達に、時間が無くて、大変なのは、見てて分かってる。けど、👑くんも甘えたそうでしたよ……。」
彼奴は、謝りながらも、俺らに«👑にも構ってあげて»と伝えているようだった。
目を閉じ、喋っていた彼奴が、瞼を開けた時、うっすらと見えた赤い瞳が、揺れ動いたのは………俺の、、見間違いだろうか。
大声を上げた🌸兄でさえ、納得しているようで、悲しげながらも唇を噛んでいるのを目に映すと、反省をしているようにも思えた。
🍵「俺からの……話は以上です。聞いて下さってありがとうございました、。」
🎮「…………ん、こちらもありがと。」
📢「…さんきゅ。なつ、🌸兄。行こ。」
座っていた姿勢から、立ち上がり彼奴の部屋を去ろうとする。
その時、俺と🎮は素直に感謝を伝えた。
🌸兄は、本当に、彼奴の部屋から出る間際に、足を止めて彼奴の方に振り返り、目を見つめながら___
🌸「ん、……。感謝、する。」
なんて言っていた。
少し沈んた空気の中、俺らが自室へと帰ってる最中、🌸兄が口を開いた。
🌸「お前らも……、無理すんなよ。たまにぐらい、甘えろ。」
📢🎮「……………ん/ぉぅ」
俺の短い返事と、🎮の今にでも消えそうな程の小さな声で、🌸兄の問いかけに返答した。
甘えれたら…………どれだけ良かったんだろうな___。
〘 ☂️seed 〙
3人の兄達。📢兄🎮兄🌸兄が、🍵兄の部屋に向かったのを、寝たふりをしながら見送った。
今日。👑兄が学校で虐められてて、沢山泣いて、泣いて泣いて………🍵兄に構ってもらっていた。
☂️「☂️も……出来たらな、」(小声
ボソリと呟いた声は掠れていて小さくて、少し、泣いてしまいそうな声色だった。
や当たり前だけど、☂️は末っ子だ。だから、沢山甘えさせて貰えるし、👑兄に比べたら、全然甘えていたと思う。
でも最近。構ってくれるよ?構ってくれんだけど………しんどい。生きているのが辛く感じる。
きっと、他の子達も思ってる。兄達の方が酷く思ってるなんて、小さいながらに分かってる。
だから、自分が«生きてるのが辛い»なんて言っていいのか、相談していいのか分からない。
分かりたくもなかった。
分かってしまえば、自分はもっと我慢して、その気持ちを溜め込むから。
それでまた、迷惑をかけてしまったら………なんて考えると、相談する気力も失われていた。
仰向けになり、寝ていた体制から起き上がる。静かな空間に、☂️が起き上がった為に掛け布団がガサガサ、と音を立てる。
その音で、寝ている👑兄を起こさないように気をつけないと………。
ふと、寝ている👑兄に目が行く。スヤスヤと眠っていて、とても吹っ切れているような。そんな感じの寝顔な気がした。
でも知ってる。👑兄はまだ、完全に吹っ切れた訳じゃない。
まだ、«笑顔で居ないと»なんて思ってるんじゃないだろうか。
多分、☂️が最近。笑わなくなったし、笑っても乾いた笑いに聞こえているからだと思う。
自分のせいで、誰かが苦しんでる。
そんな事を考えると、緩くなっていた心臓がきゅっ、と締め付けられるような感覚が☂️を襲った。
☂️(笑顔………)
☂️「頑張んないと、ッ」(小声。
頑張んないといけない事なんて分かってる。
分かってるけど、、不思議と嫌気がさして、息がしづらくなる。
そんな事ないよね。そんな気持ちを只々強く自分に言い聞かせながら、布団に潜り込んだ。
泣きそうな自分をぐっ、と堪えて、夢の中へと意識を手放した。
13話 お話_𝐟𝐢𝐧𝐢𝐬𝐡
コメント
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フォロー失礼します 続き待っています