〘 🍵seed 〙
🍵「ん”ん”……、目……覚めたな、。」
重い瞼がうっすらと開き、カーテンの隙間から差し込む薄暗い光が俺を照らし続けていた。
暗闇になれた目は、薄暗い光でも眩しく感じてしまい、ちょっと痛い。
目が覚めてしまったのは変わりはないので、時刻を確認する為に、スマホに手を伸ばし、電源をつけてみる。
そこには、4:30と書かれていた。
昨日………👑くんのお兄さん達とお話をしてから、今日の1:00前後まで勉強をして寝たが、3時間半寝れたか寝れてないぐらいだな。
……そういえば昨日、🌸くんを怒らせてしまったな、。
なんだが申し訳ない気持ちが胸の中にじんわりと広がった。
そんな少し嫌な気持ちをなくそうと、早いけど俺はご飯を作ることにした。
ご飯を作るために1階のリビングに降り、台所へ向かった。
いつも通りに整頓されていて、綺麗だった。
🍵「今日は……サンドイッチとかにしとくか、」
朝、作るメニューを決め、冷蔵庫の扉に手をかけ、開ける。
そしてその中からサンドイッチの材料を手に取る。
🍵「……普通のサンドイッチじゃつまんないし、、スクランブルエッグのポケットサンドにしてみよ、!」
我ながらにいい案!とかちょっと調子乗りながら、手際よくテキパキ作っていく。
昨日か一昨日、叔母さんと義父さんは要らないって言ってたし……作らなくていいよね、。
やっぱ俺の料理って不味いのかなぁ……。
嫌な気持ちに浸りながら、作っていくうちに、あっという間に6人分の朝食(サンドイッチ)を作ることが出来た。
朝食をお皿に盛りつけると、冷蔵庫に入れておく為に、お皿にラップをかける。
かけ終わったら順々に冷蔵庫の分かりやすい場所に入れておく。
けど、誰も食べるとは思えないけどね……。
自分はあまり食欲もわかないため、なんかちょっと余ったパンの切れ端を口に放り込んだ。
味があるはずのパンは今では……俺は、なんの味も感じない。
〘 ☂️seed 〙
朝7:00。いつも通りの時刻に隣に置いてある目覚し時計が繰り返し鳴り続けた。
昨日少し遅い時間帯に寝てしまったが為に、とても眠たくて、もう一度布団に寝転がって目を瞑れば眠ってしまいそうな勢いだった。
目を擦りながらも、階段を慎重に1段1段降りる。普通に呑気に降りていたら階段から足を踏み外して落ちてしまいそうだった。
いつも静かな食卓に向かう。
そんな食卓に珍しく、👑兄と🍵兄が向かい合って座っていた。
🍵「あ、☂️くんおはよう。」(ニコっ
☂️「おはよ〜!」
☂️が2階から降りてきたことに気づいた🍵兄はすぐに挨拶をしてくれた。
👑兄は、手になんかのパンを持っているから朝ご飯を食べてるんだな。とわかった。
ただ、それがどんなパンなのか好奇心を抑えれなかった☂️は👑兄に聞いた。
☂️「👑兄何どんなパン食べてるの〜?」
👑「🍵兄が作ってくれた朝ご飯食べとんよ。」
☂️「ぇっ…!?食べていいの!!?」
👑「うんっ!」
☂️「じゃあこさも食べるっ!!」
👑兄が手に持ち、食べていたパンは🍵兄が作ってくれた朝食のパン。
今まで散々🌸兄達から«ダメ»と言われ我慢していた🍵兄のご飯。
食欲に負けて、たまに冷蔵庫を開けては見ていた時もあった。
そんなご飯を今。👑兄は食べている。
我慢しきれない食欲が溢れて☂️も食べたいと懇願した。
すると、🍵兄は«じゃぁ、準備するね»と言って、座っていた場所を立ち、きっと朝ご飯が置いてあるであろう台所に向かった。
🍵兄が☂️の朝ご飯を持ってくるまで、暇だったので👑兄が持っているパンを観察してみる。
パンは卵色の色をしていたのに、茶色焦げ目がついていて、👑兄がそこをかじる度にサクサクと音を立てている。
その音がどうも心地よい。
そして、そんなパンの中にはぐちゃぐちゃな黄色をしたふわふわの卵が詰まっていた。
見ているだけで食欲がそそられる。
そんな頑張って食べるのを抑える☂️に対して、台所から🍵兄がやってきた。
🍵「はい。☂️くんどうぞ。」
☂️「うわぁッ~!✨✨美味しそ~っ! 」
👑「ほほひひで(通訳|美味しいで)」
🍵「👑くん食べながら喋らないの」(笑
👑「ふーい(通訳|はーい)」
口の中にパンパンに朝ご飯を詰めている👑兄を見てるとなんだがリスみたいに思えてきた。
まぁそんなことは置いといて……
🍵兄が作ってくれた朝ご飯のパンを手に取り、思っい切りに頬張る。
すると、パンはサクサクしていて、いつももちもちしていたパンとはまた違う癖がある。
パンの中に挟まれていた卵は、とてもふわふわでちょっぴり甘さもある。
とりあえず___美味しかった。
本当にその言葉がぴったりな程に最高に美味しかった。
また食べたい。なんて言ったら🍵兄には迷惑がかかるだろうか………。
食べたいという気持ちを心に残しながらパクパクと食べ進めている内に、朝ご飯はもう手元にはなかった(完食していた)。
久しぶりにお腹いっぱいになり、最高の気分だったが、次の思考が “ 学校 ” となった時、☂️の気分は下がった。
でも行かなきゃ心配されるし、無理やりでも行くんだけどね、(笑
☂️「じゃあ☂️は学校行ってくる!」
👑「行ってらっしゃい!☂️ちゃん!」
☂️「うんっ!」(ニコっ
やだ、、行きたくない。
虐めも仲間外れも、何も無い学校。
友達みんな優しくて、助け合える。
けど不思議と、☂️は学校が重くて重くて仕方がない。
🍵「…………」
🍵「行ってらっしゃい☂️くん」(ニコっ
☂️「ぅんっ!」
誰か引き止めて、、誰か引き止めてくれたらきっと楽なんだろうなぁ……(笑
叶うはずもない願いを心の内に秘めながら☂️が学校に出る数分前だった。
🍵「☂️ちゃん、今日の夜。時間あったら一緒にお話しない?」
☂️「ぇっ、……」
正直びっくりした気持ちの方が大きかった。
🍵兄は☂️のことを気にかけてないんじゃないかと思っていたから。
でも、ちょっと期待した。もしかしたら、☂️を救ってくれるんじゃないか。👑兄を少しでも救っていた時のように。
虚しげに蠢いていた心は、少し暖かみを増した。
☂️「うんっ!!もちろん!」
ちょっとぐらい期待してもいいよね、(笑
心の中で苦笑しながら、冬の太陽へ当たりに外へ勢いよく飛び出た。
今日も今日とて、普通の学校生活。
暗い気持ちを取り切れずに、☂️は家に着いた。
☂️「ただいまぁ〜」
帰ってこないはずの言葉を発したはずだった___けど、、
🍵「☂️くんおかえりっ!」
ひょこりと体をリビングに繋がる廊下から身を乗り出し☂️を笑顔で出迎えた。
☂️「きょー、🍵兄学校休みだったの、?」
🍵「そうなの。なんか学校のミスでさ。」
☂️「へ〜」
🍵「だからさ、☂️ちゃん。お話。してみない?」
☂️「……っ、」
🍵兄の言葉にずるい。なんていうのを添えながら、聞き流していると、今日の朝言っていた«お話»のことがでてきた。
正味、不安の気持ちが強い。
話して、「それぐらい我慢したらどう?」とか言われたら。
☂️「……めぃわく、かかんなぁい、?」
🍵「かかんないよ。」
☂️「☂️、わるくない、?」
🍵「悪くないよ。寧ろいい子すぎる。」
🍵「だから不安なんだ、☂️ちゃんがなんか我慢してるんじゃないかって、」
☂️「………」
その声は少し震えていて、声色は本当に心配しているようだった。
それがどうしようもなく何故か嬉しくて、心がきゅっ、と締まっていたのがちょっと緩んだように感じた。
☂️「お話、する。、したいっ」
🍵「うん。しよっか!」
そして、☂️は自分の気持ちを意見を🍵兄に伝えると、🍵兄はそれに応えてくれた。
ランドセルを自室に降ろし、手とかも洗って綺麗にする。
心の準備や体の準備が整ったら、☂️は🍵兄に待っていると言われた🍵兄の部屋へと足を踏みいれた。
🍵兄の部屋はとても綺麗に整頓されていて、本棚の所にはまだ☂️には読めないような本がいっぱい置いてあった。
そして、🍵兄の部屋の真ん中にある机には、2つのお茶と焼き菓子などと思われるクッキーが置いてあった。
🍵「☂️ちゃん適当に座っといていいよ。」
☂️「ぅん、ありがとっ」
お礼を言いながら、楽な姿勢で座る。
すると、🍵兄は改めたかのように、真剣な顔付きで、でも優しくて太陽みたいな笑顔で☂️に話を聞いてきた。
☂️の話、一つ一つ。言葉の一つ一つに🍵兄は相槌をうったり、言葉を返してくれたりした。
泣いて、泣いて、言葉が詰まって、どんどん出なくなっていく。
けどその度に🍵兄は☂️の隣に座って背中をさすってくれて、いつまでも待って話を聞いてくれた。
まるで、あの時の👑兄みたいに。
🍵兄がくれる言葉は全てが魔法のようで、安心できて、すっ、と心が軽くなる。
その感覚が、今までの罪悪感、暗い気持ちを全て浄化していくような。そんな余韻に浸っていた。
全てを話し切った時、🍵兄は☂️にとある言葉をかけてくれた。
🍵「☂️ちゃん、」
🍵「〝 頑張ったね、お疲れ様 〟」
☂️「ぁっ、ッぁ…ぅ”ッ、」(泣
🍵「泣いて。泣いて。全部泣いてしまって。」
☂️「うわぁ”あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ゙あ”あ”ッ゙」(泣
そんな優しい声で、言われてしまったら、誰だって泣いてしまうだろう。
だから、☂️は抑えきれなかった。この込み上げてくる涙を。
声を荒らげて、今まで以上に、これまで以上に、何かが切れたかのように涙は止まらない。
🍵兄の腕の中は暖かくて心地が良くて安心ができる。
🍵兄の胸の中で泣くだけの☂️は、昔であれば、迷惑とか恥ずかしいとか思ってたかもしれない。
けど、今は違う。
🍵兄と真剣に話し合って向き合って、泣いても話して、詰まって言葉が上手く出なくても話して。
話して話して、☂️の全て打ち明けて、それを🍵兄は全て受け止めてくれた。
そんな彼の前で、泣けれた☂️はどれだけ、どれだけ〝幸せだっただろう___。〟
部屋に響いていた☂️の泣き声は段々と小さくなり、いつの間にかはなくなり、🍵兄の腕の中で寝息を立てるだけだった。
沢山泣いて、泣き疲れた後に寝た夢は、どれ程までにいい夢なのかは、☂️だけの秘密。
14 末っ子だって _ 𝐟𝐢𝐧𝐢𝐬𝐡
コメント
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うわわわわわわわわ、 本当に良すぎます😱 天才ですね。知ってました😉 もう神作すぎて体が痙攣中ww 続き頑張ってください❤️🔥💪🏻
続き楽しみです!