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第58話、一気に読んじゃいました! フローラとレオンの席取り合戦、可愛くて思わず笑っちゃいましたよ(笑)。負けたフローラが「お姉様のお膝なら椅子より近いですもんっ♡」って膝に座るシーン、バイオレッタの「推しが膝の上…!幸せすぎる」って心の声がツボでした。でもその後のハーレー商会の調査で、現王妃派の貴族が出てきて一気にシリアスに。最後のアレクの怪我を押しての緊急報告と「次は物流封鎖ね」の台詞でゾッとしました。次が気になりすぎます!
部屋に入ってきたのは、レオンだった。
その手には、何枚かの書類が握られている。
「バイオレッタ。例の『ハーレー商会』について調べてみたらさ……面白いことが分かったよ」
「聞かせて」
私が身を乗り出すより早く、フローラがすっと私の前に立ちはだかった。
「資料だけ置いたら、すぐに出て行ってください」
「え?」
フローラはトレイを抱えたまま、にっこりと可愛らしく微笑んだ。
ただし、目だけはまったく笑っていない。
「お姉様は今、とてもお疲れなんです。お仕事のお手伝いをするのは、私だけで十分ですからっ」
「うーん。でも、僕はかなり役に立つ情報を持ってきたつもりなんだけどな」
レオンは書類をひらひらと揺らし、わざとらしく首を傾げた。
「どうかな、バイオレッタ。僕、君の役に立ってると思う?」
「ええ、役には立っているわ」
「ほらね」
レオンが勝ち誇ったように微笑む。
「――ただし、余計な挑発をしなければ、もっと助かるわね」
「手厳しいなあ」
フローラが「ほら見ろ」と言わんばかりの顔で胸を張った。
「お姉様のお仕事の邪魔は控えてくださいねっ」
「特待生ちゃんこそ、僕が持ってきた資料を隠したりしないでね?」
「しませんよっ! って、なにしれっと座ってるんですかっ!? お姉様の隣に座るのは私です。そこ、どいてください!」
私の隣の椅子は、一脚しかない。
「え、じゃあ僕にずっと立っていろっていうの?」
「そうです! お邪魔虫に椅子なんて必要ありません!」
(……どうして席取り合戦が始まっているのかしら)
私はこめかみを押さえた。
「二人とも、そこまで」
ぴしゃりと言うと、二人が同時にこちらを見る。
「ここは公平に、じゃんけんで決めるのはどうかしら?」
結果、勝ったのはレオンだった。
彼は鼻歌を歌いながら、ご機嫌で椅子に腰かける。
「これで落ち着いて説明できるね」
「ふんっ」
負けたはずのフローラは、当然のような顔で私の膝の上へちょこんと座った。
「お姉様のお膝なら、椅子より近いですもんっ♡」
(推しが膝の上に……! 幸せすぎる。……けど、ちょっと重い……!)
レオンが呆れたように笑う。
「ねえ、これ勝負の意味あった? ずるくない?」
「別の勝ち筋を見つけただけですっ」
「はいはい。レオン、続きを話して」
私がたしなめると、レオンは書類を机に広げた。
「じゃあ、本題だ」
空気が、変わった。
「ハーレー商会の表向きの代表は、ハーレーという平民商人。もともとは魔獣用の餌を扱う、小さな問屋だったみたいだね」
レオンが書類の一箇所を指さす。
「けれど、ここ数年で急に学院や王宮関係の施設への納入が増えている。普通の商会なら、こんなに早く取引先は広がらない」
「……裏に誰かがいる、ということね」
「正解」
レオンが、目を細めた。
「出資者を辿ってみたら、現王妃派の貴族が何人も出てきたんだ。しかも、そのうちの一人は――」
彼が一枚の書類を、私の前へ滑らせた。
そこに記されていた名に、私は目を止める。
「……昨日の保護者説明会で、私を責めていたギルフォード伯爵家ね」
現王妃派の筆頭、マレフィカ侯爵家に連なる有力貴族だ。
「そういうこと」
レオンが肩をすくめる。
「レオン、ここから現王妃本人まで辿ることは……やっぱり厳しいかしら?」
「そうだね。相手も証拠は残さないだろうし……」
何せ相手は、毒事件の犯人も、魔力増強剤を仕込んだ犯人も、迷わず消すような連中だ。
コン、と短いノックが一度だけ響いた。
次の瞬間、返事を待つ間もなく、扉が勢いよく開く。
「――っ、アレク!?」
入ってきたのは、アレクだった。右手と右足を固定具で固め、肩には痛々しい包帯が巻かれている。
「ちょっと、あんた何してるのよ! 説明会の時だって言うこと聞かずに来て……! 安静って言われたでしょう!?」
「問題ない」
「問題しかないわよ!」
私が睨みつけると、アレクはわずかに視線を逸らした。
けれど、すぐにその表情を険しく引き締める。
「ベラドンナが、関所に兵を集めている」
「関所に兵……?」
「ウィステリア家に入れた監視役からだ。兵糧と武器が動いた」
アレクに頼み、使用人として潜入させておいた騎士が、不穏な動きを掴んだのだ。
ウィステリア伯爵領は、アイリス領へ入る主要街道を押さえている。
小麦、塩、薬草、燃料。
物資の多くは、その関所を通ってアイリス領へと運ばれてくるのだ。
「……次は物流封鎖、ね」
私が呟いた、その瞬間――。
コンコンコン!
慌ただしいノックの音が響いた。
「失礼いたします! ウィステリア伯爵令嬢宛てに、緊急の魔法便が届いております!」
扉の向こうから、学院付きの侍従の声がした。
柊トワ
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百はな🍑
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Jasmine
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ひより
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