ありったけ海で遊んで太陽が沈んだ頃に家に帰ってきた。
優里香の笑う顔、潮風に靡く黒髪、ビー玉のように丸く綺麗な瞳。
全てが脳裏に焼き付いていた。
一段と明るい月に、暗い夜に輝く星。
窓を眺めては何故か笑みが零れた。
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ジリリリリリ…
予めかけておいた目覚ましが鳴った。
腕をのばしスイッチを押すとカチッとなって音が止む。
カーテンを開いて窓の外を見ると真っ青な空と燦々と輝く太陽が目にはいった。
いい天気だ。今日は気分もいい。
寝起きでボサボサの髪をといて、動きやすい服に薄い上着を羽織る。
昨日、優里香と海で会う約束をしていた。
が、少しだけ早く支度を終えてしまったようだ。
…これじゃあ彼氏と会う時の彼女と同じだろうか。
ワクワクしながら準備をするのは早く会いたいと思っているからか?
少しこそばゆい感じがした。
そんなこんなでもう行く時間になってしまったようだ。
サンダルを履き、扉に手を掛けて鍵を閉める。
自転車に跨ってそのまま走らせる。
暑く輝く太陽にはひんやりと肌に張り付く冷たい風が心地よかった。
海に着くとあの時見た後ろ姿が見えた。
自転車を止め、手を挙げて口を開く。
「優里香!」
「!秋奈ちゃん」
後ろを振り向き微笑むその顔がとても嬉しそうで少しだけ心臓が小さく音を立てた。
「ごめん、優里香早いね…?」
「ん?そうだねぇ…秋奈ちゃんと会えるのが楽しみで…」
なんちゃって、と後頭部に手を当てながら笑うその子が好きだ。
「はは、私も今日楽しみだったんだ」
「んはは、嬉しいこと言ってくれるじゃん」
貴方が、優里香が居てくれればそれでいい。笑って居てくれればもうそれでいい。
その消えそうな声と透明な瞳だけをずっと。
触れただけで消えてしまいそうなその存在を。
「…秋奈?」
「…愛してる」
「そんな顔しないでよ。」
あ、私泣いてる。
その頬に置かれた手が暖かくて。
もっと泣けてきちゃって。
「私も、愛してるよ。」
誰からも愛されてなくても貴方が愛してくれる。
それだけで良かった。
私はただ貴方に愛されていたい。
そんな貴方が私に
「愛してる」
なんて、勿体ないかなって。
ずっとこのままで居たいとか。
大人になりたくないだとか。
欲張りすぎだろうか。
瞳を閉じてずっと。
赤い空の下でずっと。
ずっと。
―――
お帰りなさい〜!めちゃ短いし雑な終わり方ですね…仕方ねぇよ(?)
次とか次の次ぐらいには心中しちゃうかもなぁ…早いかな?でもこの物語終わっても書きますけどねぇ〜、Happy Endingのバージョンとか。
それじゃあ皆様、さようなら👋
コメント
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え??次???心中????泣いちゃうかもしれない…