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風が、心地良い。
気温は決して低くないのだが、全くと言っていい程、蒸し暑さを感じない。
生まれて初めて降り立った海外の地。その事実に心を震わせながら、俺――平良一徳は肺いっぱいに空気を送り込んだ。夢にまで見た憧れの地の空気を。
目の前に広がる光景。それは、イメージしていた通りの、あのロサンゼルスだ。濃くて青い大きな空には、ヤシの木がよく似合う。
しかし、まさか本当にロサンゼルスまで来られることになるだなんて。ほとんど無一文の俺がだぜ? 自分でも未だに信じられない。
だからこそ思う。
人間に不可能なことなんかないということを。