side 青井ラディ
「はぁー、疲れたぁ…!」
俺は医者。
医者って言っても
個人医で犯罪者ばかり起こす闇医者。
「なんで俺はロスサントスに来たんだろ…」
そう呟いて俺は意識を手放した。
真っ暗な闇の中。
水溜まりができていて自分の顔が反射する。
仮面はなぜか外れていて、
素顔が見える。
「…本当似ている。この顔が、兄貴に似ている子の顔が…大嫌いだ。」
誰にもわからない。理解されないこの感情。
俺は兄貴が嫌いだ
兄貴が白の道を進むなら
俺は真っ黒な道を進む。
俺は自分が嫌いだ
どうしてこんなに兄貴を嫌っているのか
自分でもわからなくて
説明できない
この感情は誰にも理解されることがない
それが悲しくて、孤独を感じて、
自分が気持ち悪くなって。
わからなくなった。
「兄貴に似ているこの顔を隠す」
そんな気持ちもあった。
だけど…本当は違うかもしれない。
俺が何者かわからないから、わかりやすいように仮面をつけたのかもしれない。
だって兄貴だって鬼の仮面をつけているから…
全部真反対の道を選び進むなら…
仮面だってつけないはず、
俺は一体…
何者で、
何がしたいんだろう?
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