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ねこなさま🐈⬛💘アニオタ
493
#探偵
なの
76
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竜馬の通う、イリノイ大学付属ハイスクールの「Grade12高校三年生」は、全部合わせても120人程度しかいなく、高校も大学もキャンパスを上げて、フットボールチームに熱を上げていた
そのキャンバスのチームはとても強く、毎年プロを輩出しているぐらいのレベルで、アメリカでもフットボールで有名校だった
毎週の金曜日は、大掛かりな試合があるため、街中の街灯が遅くまで灯り、試合が開催され、また学生プレイヤーを応戦しているファンや保護者が試合に応援に行けるように、街の商店街やレストランは早く閉店する始末で、どの生徒も保護者もみんなフットボールに夢中で、先生までもがフットボールの選手なら授業や成績を大目に見ていた
もうこの頃の竜馬は、学校もホストファミリーも当初のパンフレットに書かれていることがまったくの嘘っぱちのことに気づいていた、竜馬は完全に「ホストファミリーガチャ」に外れ、そしてそういう悪質なホストファミリーにとって「NOと言えない日本人」は良いカモにされていたのだ
そんなハイスクール生活は、フットボールなど全然出来ない竜馬は完全に蚊帳の外で、あまり友人は出来ず、心ここにあらずの状況が続いていて、鬱気味になり、勉強にも身が入らず、ぼんやりと陰気に日々をただやり過ごしていた
今、竜馬はキャンパス近くの街の少し外れで、唯一最近親しくしゃべるようになった、同じクラスのジェイミーの家に、彼に借りたコミックを返すために、彼の家を探していた
彼の家の番地を書いたメモをもう一度見る・・・どうやら迷ったみたいだ・・・マウンテンバイクを道の端に止めて、竜馬はピアノの鍵盤のように、トレーラーハウスが並んでいる区間に、徒歩で入って行った
ある日曜日の遅い午後だった・・・気温は暑く・・・あいかわらずバカデカい太陽は、まん丸く真っ赤で、空に紙皿を画鋲で留めたみたいに見えた
日本と違って乾いた熱い風が吹く、イリノイ州シカゴの夏は、上からも下からも熱が放射され、ひび割れた地面から熱波が立ち昇るのが見えるようだった
アスファルトはどこもかしこもボコボコなので、突き出た所や、犬のフンを避けて通らないと行けなかった、道をただ歩くだけでもストレスがたまる
竜馬はキチンと舗装された美しい日本の道路が恋しくてたまらなかった、日本とかけ離れたアメリカの端っこの、この街は時間はゆっくりと進み・・・街の人々は急いで何かしなければならないことなんて、ひとつもないと考えていた
なぜか30代40代の男性が、平日でも働かずに庭で昼寝をしている所をよく見かけ・・・不思議でならなかった、犬と猫は暑い一日の大半を日陰で眠って過ごし、目覚めるのは水道管のつなぎ目からしたたる水を舐めに行く時ぐらいだった・・・ハエさえも動きが鈍かった
こっちへきてからずっと履いているジーンズの膝に穴が開いたので、竜馬は思い切ってその部分を裂き、わざとダメージジーンズ風にして、膝小僧を見せていた、ジーンズのポケットの中身の鈴をつけたマウンテンバイクの鍵が、歩くたびにチャリチャリ鳴る
崩れて、でこぼこになったアスファルトの道を歩いていると、ナイキのスニーカーの中で足が蒸されているような気持ちになる
そして、すぐ目の前の道路の木陰で、同じ年くらいの金髪の女の子が上半身ビキ二に、半ズボンで木陰にもたれているのが見えた、彼女は二人の男子学生と一緒だった
その子達に見覚えはなかった、多分学校が違うか、上の学年の子達だと竜馬は思った、女の子はポニーテールで、前髪はヘアーカーラーのように一本まっすぐ巻かれていた、むき出しの小麦色の肌は日焼けしていた、男子学生が彼女と熱心に話し込んでいるのは、多分彼女のビキニのせいだろう
シカゴの学生はみな同じ格好をしている、男はTシャツに短パンだ、その男子学生も同じだった、そして女の子は日本人の女の子とはかけ離れた服装をしている、みんな大胆な肌の露出は当たり前だった、当初竜馬もクラスの女の子の肌の露出の多さに目のやり場に困ったものだが、向こうがあまりにも堂々としているので、最近では挙動不審の竜馬の方が怪しまれるので、何を見ても平気なフリをしていた
黒髪の男の子は体重を片足に乗せて立ち、短パンのポケットに片手の親指をかけて、反対の手でさかんにジェスチャーを交えてしゃべっていた
「H~i(ハ~イ)」
「Hi(ハイ)・・・」
女の子が竜馬を見て挨拶をしたので、竜馬も手を挙げて挨拶を返した、この街の人間は根っから社交的で、見知らぬ人にも平気で声をかけるのが普通だった、そんな街の風習をもう竜馬は把握していたので、知らない者同士でも、とりあえず挨拶はするのが当たり前になっていたし、もちろん自分も挨拶をされたら心地よく返さないといけない事も分かっていた
すると突然左隣の庭から何かが迫ってくるのが分かった、びっくりしてその方向を見ると、なんと、真っ黒の「ピットブル」が竜馬に向かって襲い掛かって来た
「ワンワンワンワンッ」
この獰猛なピットブルが唸りながら涎をたらし、大きな牙をむき出しにして、竜馬に襲い掛かろうとした
「逃げろっ!!鎖がちぎれているぞっ」
道路の木陰にいた、女の子が悲鳴を上げた、男の子が竜馬に向かって叫んだ、竜馬はとっさに走り出して逃げた
犬を恐れたことはなかったが、この犬の殺気は尋常じゃなかった、しかし走った途端、デコボコのアスファルトが竜馬のすり減ったスニーカーのつま先に引っかかり、竜馬は前のめりに勢いよく転び、両手と両膝を地面に思いっきり擦った
「ワンワンワンワンッ」
「うわぁ~!」
竜馬は悲鳴を上げ、獰猛なピットブルに噛みつかれることを覚悟して、両手で頭を抱え込んだ
―噛まれるッ―
ギュッと目を閉じ、痛みに備えた時だった
ドカッッ「キャインッ」
てっきり自分の足に犬の歯が食い込むことを覚悟していた竜馬は、抱え込んでいた頭を上げて、何が起きているのか目を上げた
そして物凄い力で誰かに腕を持ち上げられ、立ち上がらされた
「立てっ!!犬より縮こまるなっ!!噛まれるぞっ!!」
竜馬は自分の腕をすごい力で引き上げている金髪の少年を見上げた・・・
驚いた・・・その少年はどこまでも深い青い瞳で・・・竜馬を見つめていた・・・
二人はしばらくお互いの瞳を見つめあっていたが・・・その少年が大声で竜馬に「大丈夫か?」と尋ねた
竜馬は彼の目の青さと・・・あまりの驚きに・・・コクンッと頷いただけだった
金髪の少年は、再びピットブルの方に顔を向けて大声で𠮟りつけた
「もう一度、蹴られたくなかったら、あっちへ行けっっ!」
犬は数メートル後ろに下がったが、その少年にやかましく吠えたてていた
コメント
2件
もうドキドキ💓
うわ、第139話、めっちゃ良かったです…!冒頭からイリノイの暑くてボコボコな道路の描写が生々しくて、竜馬の孤独や居場所のなさがひしひし伝わってきました。ピットブル襲来のシーンは一気に緊張感が走って、手に汗握りました。そこに颯爽と現れた金髪の青い瞳の少年…あの「立てっ!!」の台詞、痺れました。この出会い、絶対に何か大きな転機になるやつですよね!続きが気になって仕方ないです!