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5話完結ノベル
俺にとって、普通だった。
ご飯が1日1食なのも、怒られて家から追い出されるのも、お母さんとお父さんが毎日喧嘩して仲が悪いのも、殴られることも、
小さい時からそれが当たり前だったから
他の家庭と違う生き方をしている俺は周りと馴染めなかった
みんなが俺を見て避ける、誰かの親が俺を見て蔑んでくる。
そんな日々が続いて、精神が壊れていく寸前の時だった。
2人が事故にあって死んでしまった。
呆気なく居なくなってしまった。
嬉しいのか悲しいのか、よく分からない。
ただ、俺はこれからどうすればいいのだろう。
親戚の家?施設?
ただずっと心の中にあった想い
自由に生きたい。
あの人たちが隠していたお金を見つけた。
数万あればしばらくは生きていけるだろう
パーカーを羽織って、小さなリュックに自分の数少ない所有物を詰めて、薄暗い箱から飛び出した。
家を出てみたものの、どこへ向かえばいいのだろう。
隣町まで行く体力は多分ない。
けどここから離れた場所に行きたい。
誰も俺なんか知らないところまで
しばらく歩いてみたが、お腹が空いてきた。
そういえば今日朝から何も食べていない。
近くにコンビニがあるし、何か買おう
けどこれからのことを考えると節約しなきゃいけない
あぁ、大変な道のりになりそうだ。
食料もそうだが、寝床も確保しないと
ネットカフェなんて使ったらお金がすぐになくなる
だが、公園で寝るなんて少し肌寒くなってきたこの季節には不向きだ。
もう少し歩いてみよう。
きっと何かあるはず
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
)これで30日目か、
あいつら、いつまで返さないんだか。
1億以上は借りているだろう。
それなのに返済期日はとっくに過ぎている。
他の奴に何回も向かわせていたが、あともう少しだからといつも言ってくる。
俺がそろそろ向かった方がいいか、
紫)俺が行ってくるよ。
)ぇ、ななもりさんがですか…?
紫)いつまでも待っていられないからね、
橙)なぁくん、もうそいつら居ないらしい
紫)どういうこと
じぇるくんが1件の記事を見せてきた。
間違いなくあいつらだ。写真も名前も
派手に衝突してしまっている車。
そこに乗っていた2人。
返す前に死ぬなんて
)どうしたら、
紫)ねぇ、確か子供居たよね?
橙)…赤髪の男の子
紫)よし、じぇるくん車出して
橙)わかった、
死んだって逃がしやしない。
ちょうど玩具が欲しかったしね、
橙)住所知ってんの、?
紫)まぁね、とりあえず行ってみよ
橙)誘拐して脅したって無駄やと思うよ、家庭環境悪かったみたいやし…
紫)…だからだよ。外の空気を知って欲しい、世界は広いって、
紫)あと順従なペットが欲しいなぁって、笑
橙)3人いるやんか、
紫)2人はもうもう舐め腐ってるよ
車を走らせてしばらく経った。
住宅地に入り、目的の住所に着いた、
紫)これは予想してなかったな…
もう跡形もなく壊されていた。
)もう誰も住む人が居なくなったし、家中汚くて壊すしかなかったんだとよ、
そう近くに住んでいるお爺さんが教えてくれた。
紫)あの、ここに住んでいた男の子見てませんか?
)ぁ~、?数日前ちらっと見たんだが、それっきり見てないなぁ
数日前、それならまだ生きているかもしれない。
紫)ありがとうございます。
橙)けど、どう探すんや?
紫)ん~、俺たちだけじゃ日が暮れちゃうね
紫)じぇるくん、笑
橙)っはぁ~……
有力なペットが3人もいたんだった。
まぁ、ご褒美が無いと動いてくれないんだけどね。
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
桃)おいサボんなるぅと
黄)サボってないですよ、休憩中です
桃)さっきも休んでただろうが、なぁくんに言いつけるぞ
黄)さとみくんだって授業中寝てたのチクリますよ
今日も相変わらず言い争いしているさとみくんとるぅとくん。
ほんと仲がいいのか、悪いのか
学校の生徒会長と副会長である2人は忙しそうに資料をまとめていた
僕はソファでくつろいでいる。
ちゃんと自分の仕事は終わらせたし
スマホに1件のメッセージが来て、すぐに確認する。
あの2人も同様に確認していた。
「赤髪の男の子りいぬを探し見つけて欲しい。じぇるくんが欲しいもの買ってくれるって 」
桃)学校にこんなやついた?
黄)いえ、見たことないです。
桃)じゃあ外か、
青)行こ
桃)なぁくんの命令だからって張り切ってんな、笑
青)うるさい
「1番最初に見つけた人にはなぁくんがなんでも聞いてあげる」
青)は、、
黄)珍しいこんなに言うなんて
桃)早く見つけろってことだろ
青)僕に協力して
桃)別にいいけど、俺じぇるから欲しいの買ってもらうし
黄)僕も、ころちゃんなぁくんのこと好きですもんねぇ~、笑
ニヤニヤしながら見てくるるぅとくんを無視して歩いた。
黄)ねぇ、フード被ってる子
桃)…あいつじゃね、?
ふと、近くの公園のベンチに腰掛けているフードを深く被った子を見つけた。
赤髪の男の子、りいぬ。という情報しか無いため確信は持てないが、
気づいたらその子の方へ走り出していた。
青)ねぇ、君りいぬくん、?
赤)ぇ、?
フードを捲ると、赤色の髪が目に飛び込んだ。
この子だ、この子がりいぬくん。
なぁくんが探しているりいぬくん。
見つけた。
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
突然背の高い2人、そして水色の髪の男の子。
囲まれ、腕まで掴まれている。
なんだこの人たち、
すると水色の人が黄色の人に向かって、突然口を開いた。
青)連絡して
黄)はぁい、ぁ、電話かかってきた
黄)もしもし?うん、見つけたよ。
え?どこにいるって…どこここ?
途方もなく歩いていたからここがどこなんて知らない。
あっちも誰も知らないみたいで、スマホを操作している。
桃)……市ってとこ、
黄)…ん、わかった。待ってる
青)なんて言ってた?
黄)すぐ向かうから、待ってろだって
青)…あ、りいぬくん
ぼぉっと彼らの会話を見ていたら、急にこっちに視線が来て意識をすぐに戻す。
青)誰に見つけられたか聞かれたら、僕…ころんって言ってね
赤)ころん、さん…。
黄)違和感すご、笑
黄)ちなみに僕はるぅとね、りいぬ
桃)さとみ。
桃)お前いくつ?
赤)ぇ、っと、13
そう言うと、びっくりしたように見られる。
桃)1個下まじ、?
黄)にしてはちっちゃ…まぁ、ころちゃんはそんなに変わらないか、笑
青)は?
たしかに、ころんさんは納得できるが、他2人が身長が高くてもっと年上かと思った。
しばらくすると黒い1台の車がやってきた。
この車、よく家に来ていた車と同じ。
助手席から1人の男が降りてきた。
黒いスーツを身にまとった紫髪の男。
怪しげにふんわりと笑う。
紫)ご苦労さま。で、初めましてりいぬくん
紫)さ、みんな乗ってね
疑問を口に出す時間も与えられずに、車に乗った。
少し騒がしかった3人が、大人しくなった気がする。
てことはこの人は偉い、人、?
今まで困惑しか感じなかったのに、一気に恐怖に襲われた。
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
急に下を向いて、少し荒く息を吐いている。
怖くなったのかな。
確かになぁくんって初対面怖いオーラー出てるもんね。
まぁ、普段もたまに圧感じるときあるし
黄)大丈夫?
震えている手を握ってみた。
少し震えが収まって、不思議そうに僕を見つめてきた。
オッドアイの瞳が綺麗に映っている。
そういえば、この子どうなるんだろ。
なぁくんは何考えてるんだろ、
しばらくして、着いたのは僕たちの家。
こっちなら、保護か、
紫)着いたよ~、じぇるくん
橙)ん、
後ろの扉を開けられ、りいぬがじぇるくんに抱きかかえられた。
赤)っえ、は、?
紫)怪我してるから、手当よろしくね
紫)3人はこっちね
奥の客室に向かわされ、りいぬと別れた。
不安そうにじぇるくんの顔見てる。
じぇるくんなら大丈夫だよ。
そう伝えるように微笑んでみせた。
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
急に見知らぬ人に抱っこされて、困惑でしかない。
てか怪我隠してたのに、バレるなんて
玄関近くのとある一室に連れられ、ベットに降ろされた。
棚から救急箱を持って近づいてきた。
橙)怖いのはわかるけど、そんな警戒せぇへんで、
赤)……。
橙)俺はじぇる、腕捲っていいか、?
赤)こんなの放っておけば治る…
橙)あかん、ちゃんと手当しないと…なぁくんに怒られる
赤)なぁくん、怖い人、?
橙)…まぁ、怒れば誰だって怖いよ
橙)うし、とりあえずこれでいいな。
赤)ありがと…ございます。
赤)って、歩けるし、!
橙)変なとこ行っちゃあかんし、
紫)おかえり2人とも
長机の奥のソファに腰掛けている紫髪の人。
そして仲良く3人で座って、お菓子を頬張るさとみさんとるぅとさん。
ころんさんだけ姿勢良く座ってる、
向かい合うような位置のソファに降ろされて、紅茶を差し出された。
紫)熱いから気を付けてね
赤)ぁ、ありがとうございます…
突然誘拐をされて、手当されてお茶を出されて
何が目的だ、そしてこいつら一体、、
紫)自己紹介が遅れたね、俺はななもり。よろしくねりいぬくん、笑
赤)どうしてっ、、俺を…
紫)まず、君のお父さんお母さんが俺たちの大事なお金をずっと返してくれなくてね
それなのに無責任に逃げ出しちゃったからね
やっぱりこの人たち、借金取り…
でも俺なんかを攫って脅したってなんの意味も
紫)そして俺は君が気に入った。
赤)へ、?
紫)ずっとあんなところに閉じ込められて苦しかっただろう、
君を救いたくて、ここに連れてきた
赤)…なんで、
赤)俺なんかが、そんなの、
俺なんかが救われちゃいけない、幸せになっちゃいけない。
紫)それと、ペットを増やしたくてね!
橙)…はぁ、
赤)ペット…?
紫)ちゃんと餌も寝床もあげるよ、りいぬくんが欲しいものなんでも与える
紫)でも俺の言うことちゃんと聞いてくれるよね?
あぁ、もう逃げれないかも。
続く、
手抜きノベルに投稿した愛を5話完結ノベルにしました。
赤愛されにしてありますが、基本的に桃黄赤
青橙紫の2組に別れます
個人的に青紫を入れたいがために、こうなってます
桃黄は赤さんのこと普通に好きです。
けど青さんは紫さんが玩具扱いしているみたいに同様にそうとしか思ってないです。
紫さんのこと大好きなんで
橙さんは1番まともな人です。
恋愛の好きは一切ない、ただ可哀想な目にあうことになる赤の手当役
ちゃんと完結できるように頑張ります。
コメント
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ありがとうございます!律さんの書くお話が大好きです!続き楽しみにしてます😆🫶🏻✨
楽しみです!!!🥲✨️