テラーノベル
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ななもり「莉犬くん」
莉犬「んぅッ…けほっ、ん゛ん」
体が重い、多分これは熱がある。
まぁ、体温計さえ測らなければまぬがれそうだ。
ななもり「おはよう莉犬くん」
ななもり「るぅとくんから聞いたよ」
ななもり「スイーツ食べすぎたんだってね」
ななもり「無理しないでって言ったよ俺」
莉犬「ごめん…なさい、」
ななもり「いや、別に良いんだけどさ…」
ななもり「今日はゆっくりしてなね」
ななもり「俺学校行ってくるから」
莉犬「学校…、?」
ななもり「今日日曜日じゃないからさ。」
ななもり「遅刻しちゃうからもう行くね」
ななもり「じゃあ、」
莉犬「せんぱ…ぃ」
しばらくすると玄関からカチャンと音が鳴る。
多分、ドアに鍵をかけたのだろう。
安全対策というものでもあるのだろうけど、
俺をここから出さないようにしているのもあるのだろうけど。
莉犬「おぇッ…」
腹の奥から何かが押し寄せてくる。
あいにくこの部屋にはゴミ箱や袋がないため、
吐き気を消せるものがない。
混乱した頭の中で、窓辺に向かって足を動かした。
莉犬「はぁっ、はぁッ…」
肺に外の空気を一気に吸い込んだ。
肺からはゼコゼコと音が聞こえる。
莉犬「ひゅー、はぁッ」
何度も何度も息を吸う。
それなのに肺は空気を簡単には受け付けてはくれなかった。
時間が経って、息苦しいのが消えていくと、体にはどっと疲れが溜まっていた。
莉犬「はぁぁ゛あぁぁ」
莉犬「お腹減ったぁ…」
幸い部屋には、鍵がかかっていないためリビングに行って食べ物を食べることができる。
しかし、きっとこの体では食べ物を容易には
受けてくれてはくれないだろう。
机の上にはコップが一つ置いてあり、水分が取れるようにしてあった。
きっと、この俺の行動さえも予想されているのだろう。
身体中の力を振り絞って、リビングに向かう。
体から寒気がして、視界がぼやける。
それなのに体の芯は熱くて、汗が止まらない。
莉犬「ふっ、はぁーッ…」
やっとの思いでリビングにつくと、机の上には朝ごはんと体温計が置いてある。
ご丁寧に、昨日の夜の体温から今朝よ体温まで事細かにかいてある紙まで発見した。
その隣には「熱測ったら書いてね」なんて置き手紙まで置いてある。
これは、困った。重症だ。
すっかり疲れ切った体を椅子に委ねれば、椅子は傾き倒れていった。
莉犬「い゛ッッ…」
莉犬「い゛だぁぃぃッ…」
体が…痛い。
頭が…痛い…。
意識が…朦朧とする…。
今…何時なんだろう…。
いつ、みんな帰ってくるかなぁ…。
こうなるんだったら部屋にいれば良かった…。
まぁ、もう遅いけど…。
次に目を覚ましたのは、誰もいない昼だった。
莉犬「いてて…まだみんな帰ってないんだ…」
目が覚めて5時間ほど経った今でさえも何も口にしていないため、胃は空っぽだ。
椅子を元に戻して、机の上にあるお粥に手を出した。
莉犬「まず…」
お粥は冷たくて、風邪を引いた時には向いていない味がした。
熱は今朝よりも悪化しており、ひどい悪寒が止まらない。
先輩がいるのだったら、きっと迷わず体温計で測るのだろうけど、俺の体は今それ自体を拒否している。
莉犬「もー、無理だぁッ…」
スプーン五杯ほどのペットの餌のような味がする食べ物で、俺の体は限界に達した。
流石にこの体で自分の部屋に戻ることはできないと諦めたため、机に顔を突っ伏して深く座った。
そのままやることもないため、眠りにつく。
これじゃ、また先輩に怒られるかな。
そんなことを考えたりもしたけれど、この際だから、 めいいっぱい怒られてしまおう。
頭の中で雷が鳴って地雷を踏むように、頭がズキズキと痛みを放つ。
もうこの頭では正常な判断が下せない。
莉犬「あ゛ぁぁぁあッ…」
勢いを増す頭痛に耐えられなくなり、体が荒ぶる。
机に載っていた皿やコップを次々と割っていく。
本能的にやってはいけないことをしていることは分かっているが、謝るから許してほしい。
ーーーーーーーーージェルver
学校が終わって本当は部活に行く予定だったけれど、なーくんから莉犬君頼んだって言われたから寮室に入ったらええものの…。
玄関開けていきなり、割れたコップの破片が散らばっているのば見えていた。
ジェル「莉犬…?そこおるんか?」
ジェル「帰ったで、他のやつは部活やけど」
ジェル「体調は…って…莉犬ッ…!!!」
目の前には青白くてなって、倒れている莉犬がいた。
周りには飛び散った食べ物や、食器で散々だ。
ジェル「莉犬ッ莉犬ッ…!」
ジェル「何があってんッ…!!」
莉犬の手にはコップが握られていてあまりの力強さに、コップが割れている。
ジェル「莉犬…手から血でとる…」
ジェル「手…離してや…」
手のひらだけじゃない。
顔や、足、色々なところに破片が当たってできたのであろう、切り傷ができている。
ジェル「あとでお薬塗ろな…」
自分のカバンを先に部屋に置き、莉犬を抱いてソファに置いた。
俺がいないうちにまた何か起こされても困る。
ジェル「さて、どっから片そうか…」
ジェル「まずは皿かなぁ…」
手袋をして皿やコップ、食べ残された食べ物を一つずつ丁寧に拾っていく。
ジェル「1人寂しかったやろうなぁ…。」
朝、なー君に声をかけた。
ここに残ろうか。と。
なー君はダメだと言った。 想定外だった。
「どうしてや?」
「莉犬くんだってもう高一だよ」
「高一でも子供は子供や」
「それにまだここに来たばっかりやで?」
「もう、二ヶ月経ったよ」
「それでもッ」
「ねぇ、わかってるでしょ?」
「莉犬くんも、もう大人にならなくちゃいけないんだよ」
なー君。
俺はいつだってあなたの言うことに賛成した。
でも今回だけは違う。
大人になるからって、大きいからって、
1人にしていい理由にはならないんやで。
あの時、なー君を押し除けてでも残れば良かったと今ではそう思う。
ジェル「ごめんなぁ、莉犬…」
莉犬「ジェ…はぁっ、、」
ジェル「莉犬?起きたんか?大丈夫なん?」
莉犬「片付けッ…はぁ、ふっ、」
莉犬「ごめんなさぁッ…ひゅぅーはッー」
ジェル「莉犬、吐くことに意識するんや」
ジェル「背中叩くからそのリズムに」
ジェル「合わせてな」
莉犬「ぉぇッ…ぅぐッ…」
ジェル「気持ち悪いんかな…」
ジェル「今袋持ってくるから待っといてな?」
ーーーーーーーー莉犬
行かないで。先輩。
寂しいよ。辛いよ。もう嫌なの。
莉犬「はぁッ…ポロポロ」
莉犬「うわぁぁぁぁんん、ぉえッ…」
苦しい。気持ち悪い。
莉犬「おぇッ…ゴポッ…げほっ、」
ジェル「遅かったな、ごめんなぁ…」
ジェル「この袋に出してな、?」
袋が重くなる、吐き気はするのに胃にはもう吐けるものがない。
ジェル「飲み物飲もか」
ジェル「はい、口濯ぐだけでもええよ」
莉犬「ありが…と…」
ジェル「寝ちゃいな、ここは任せとき」
ジェル「おやすみ莉犬…」
疲れが溜まって目を閉ざす。
目の前には俺が荒ぶらせて汚くなった
フローリングが見えた。
それをセコセコと掃除していき、元通りにしていく。
きっと後輩である俺がやるべきことなのは分かっていたけれど、この体調では足手まといにしかならないだろう。
ジェル「起きてんの知ってるで」
ジェル「莉犬寝る時寝息聞こえるねん笑」
ジェル「くーくーってかわええよ笑」
ジェル「でも今せぇへんかったから笑」
ジェル「体温だけええか?」
ジェル「頼まれてるんよ」
そう言われて腕に体温計が挟まれる。
体温計は一気にあがり、38.4と表示される。
ジェル「9度いかなかっただけマシやな」
ジェル「寒いとかある?」
莉犬「ちょっとだけ…けほっ、」
ジェル「乾燥してるんかな」
ジェル「加湿器つけとこな」
ジェル「湯たんぽ持ってくるな?」
ジェル「貧血ちゃう?」
莉犬「かも…です」
ジェル「正直でよろしい!!」
ジェル「ころちゃんがもうちょいで来るな」
ジェル「待っててやってな?」
ジェル「1番心配してたんよ笑」
ジェル「るぅちゃんもやばかったで〜?」
ジェル「昨日ギャン泣きやったんよ笑笑」
ジェル「僕が悪かったんですー言うて笑」
ジェル「そんなん言わんでもええのになぁ笑」
莉犬「るぅちゃ…」
ジェル「莉犬もわかってるもんな」
ジェル「莉犬なら大丈夫や」
「近所のわんこみたいやな笑笑」
なんて言いながら頭をくしゃくしゃに撫でるジェル先輩。
いつもの俺ならすぐに手を叩くけど、今はその手がやけに気持ちよかった。
コメント
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続き楽しみにしてます この話し好きです。
