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中原が堕ちた日____________________________
15歳でポートマフィアに拾われた中原中也は
喧嘩と暴力しか知らないまま 太宰治と出会った
最初は反発し合いながらも 少しずつ距離が縮まり、 そのうちに 太宰のそばにもう一人の“顔なじみ”が現れた
「陽塚 治……?」
「……おまえが中原?」
陽塚はまだ14歳
それでもその目は中也より遥かに落ち着いていて
何も見透かさないくせに 何も拒まない
「なんだよ その顔 気に入らねぇ」
「おまえの顔も別に好きじゃない」
「は?」
「でも太宰といるより マシかも」
「……なっ」
その日からだった
中也は陽塚のことが気になって仕方なくなった
太宰とばかり話してると 腹が立った
無口な癖にたまに返すツッコミが絶妙に癪に障る. でも気がつけば そいつとばっか話してる自分がいた
「……おまえ 何考えて生きてんだ」
「できるだけ 面倒なことから逃げること」
「はぁ?そんなので生きられねぇだろ」
「でも そうやって逃げてる俺を なんでおまえは毎回追いかけてくるの?」
「うっ……そ、それは……っ」
「……好きなんじゃないの?」
「はっ⁉︎ちっ違っ……!……あ……いや違わねぇけど!」
素で赤くなって叫ぶ自分にびびって
中也は頭を抱えた
気づいたら
喧嘩してても
無視されても
それでも そいつの言葉一つで 心臓が跳ねるようになっていた
「……中原って うるさいよな」
「うるさくしてんのはおまえがそうさせてんだろ」
「……俺は静かにしてほしいだけなんだけど」
「なぁ……俺のこと見てくれてんのか?」
「……見てるよ」
「嘘つけ 俺ばっかおまえ見てんのに」
「……じゃあ 俺も見るように努力する」
「……っなんだそれ 反則だろ……」
照れながらも 真っ赤な顔のまま
中也は 何度も目を逸らしては
それでも陽塚から目を離さなかった
それは 嫉妬も 独占も 口喧嘩も 全部含めて
“愛”に変わる寸前の
まっすぐすぎる好意だった