重賞勝利後。騎手にいつも通り感謝をもらい、それに答える。
いつもより長めに休養期間を経る。
調教時計は派手ではなく、どこか慎重な内容が続く。
併せ馬の表に名前がない日も増え、ウッドチップの直線を一頭で駆け抜ける姿が目立つ日々が続き―
なんと太った。
あの脂肪のつきにくく最低限の食で管理していたあのアメノマエがだ。
褒められに褒められ、
勝ちに浮かれていた調教師からのご褒美で、たらふく食べていた。
アメノマエもきっと嬉しかったのだと思う。
体重を見た関係者の間には沈黙が流れた
が、動けばすぐ戻った。
杞憂は晴れたかに思えた―
しかし、そこから凡走が続いてしまう。
ある時は出遅れ
ある時は馬群でパニックに。
結果は5着、10着、など。
1着の時もあったがせいぜい2、3回。ファンが離れたかもしれない、騎手も焦った。
「どうしたんだ……アメノマエ……」
騎手は家に帰りデータを洗い出す。やはりラップは伸び悩んでいる、むしろハプニングで新人時代かのような成績だった。
だがここであるならびが目に入る。7着、1着、5着。
―また1着。
「なんでこの時は―」
気づく、初めての重賞と同じ条件ではないか。
重馬場のレース。
前日に雨があった日だ、どれもいい戦績は馬場が荒れている。
「…」
心がざわつく。
騎手はパソコンを閉じた。






