_
kn「そういえばなんの本読んでたの?」
sm「人間失格」
うわ、なんか難しそう……
俺は小説とか読むの好きじゃないからなぁ
sm「……顔に出てますよ」
kn「あ、ごめん」
というか同じ学年だし同じクラスだし
敬語じゃなくていいのに
kn「ねぇー、敬語外そうよ」
sm「嫌です……」
kn「なんでー?」
聞き返すと彼は「うーん」と小声で言って考えている
理由とかなかったのか?
sm「なんとなく…?」
kn「なんだそれ笑」
他愛もない話をしていると教室の扉が開いた
担任がやって来て、
担任「お、早いな2人とも」
「ていうか、そこ仲良かったのか」
話しかけられても彼は答えようとしないので俺が答える
kn「はい!最近仲良くなったんです」
担任は「へぇ〜」と呟き
担任「もうすぐ席替えしようと思ってるから2人を近くにしてあげるよ」
kn「本当ですか!ありがとうございます!」
担任は「じゃあ準備があるから」といい職員室に行った
どうせスマイルは喜んでいないんだろうなと思いながら彼の方を見るとちょっとだけソワソワしていた
kn「どうしたの?」
「スマイルも嬉しいかー笑」
sm「……ちょっとだけです」
彼は顔を真っ赤にしながらそう答えた
kn「え……かわいい」
sm「うるさい」
そう言って彼は顔を伏せた
その時、クラスメイトが教室に入ってきた
俺がいつも話している友達
友達「あれ、きんとき早いじゃん!」
最悪だ
せっかく彼とふたりでいたのに
彼に好感を持っていることを悟られたら面倒なことになりそうなので
kn「いやーちょっとね笑」
友達「何?金でも取ろうとしてたの?笑」
kn「あちゃー笑バレちゃった笑」
チラっと彼の方を見るととても居心地が悪そう
そりゃあそうだよな……
彼とふたりで話したいから
小声で
kn「スマイル」
「俺が教室出たら時間あけて来て」
彼はコクっと頷いた
kn「あ、そういえば先生に呼ばれてたわ」
友達「あ、そうなの?」
kn「うん、じゃあ行ってくるわー」
友達「いってらっしゃーい」
教室を出て目の前の階段で待つ
彼は本を閉じ、教室を出た
幸い友達は準備をしていたので気づかなかった
俺は手で「こっちに来て」と言うように招いた
kn「ありがとう!」
「スマイルとふたりで話したくて……笑」
彼は少し黙った後
sm「…俺もきんときとふたりで話したかった」
と言ってくれた
名前を呼んでくれたこと、敬語を外してくれたこと、ふたりで話したいって言ってくれたこと
全てとても嬉しい
kn「……!!」
「やばい、嬉しい…笑」
照れ隠しで横を向いていたけど
やっぱり彼の耳と頬は真っ赤だった
手を差し伸べると戸惑いながら彼も手を出してくれて
初めて手を繋げた
それから俺らは人がいなくて静かな校舎裏へ向かった
_
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!