チェスの駒を交互に動かしながらアッシュと向き合うアゼベ王は、真剣な表情でチェスを楽しみつつも話をする気はあるようで、初めの一言を口にする。
「イスタードは強くてなぁ、何度やっても勝てなかった」
カツンという音が響くたびにチェス盤の状況が分かっていく。今はお互い手の内を探っていると言ったところだろう。
強気なアッシュの一手を受け流しているアゼベ王もかなりの実力だ。
「先代の辺境伯と友人というのは?」
「戦争が長く続いていたとき、セインテニアは休戦を提案するため交渉役にイスタードを送ってきた。護衛も付けずにな」
「それは事実なのですか?」
リオネルが驚いたように声を上げたのには理由がある。今と違って戦争が激化していた敵国に1人で行くのは自殺行為と言っても過言ではないからだ。
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