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3 - 第3話 借金

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2023年11月27日

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きんときside_


カーテンの隙間を縫って差し込む光で目が覚める。時間は……枕元に置いたスマホの電源を付けて確認すると11時を過ぎたところだった。まあいつもどおりの時間。あーでも、少し遅いかな。今日は一緒に昼飯食いに行こうって約束してたんだけど……。

「んーっ……」

軽く伸びをする。最近は1層寒くなってベッドから出るのも、全てが億劫になってしまう。だけど俺にはシャークんを起こさないといけないというミッションがあるので仕方なく起きます。自分で起きてもらうのが1番いいんだけどね。かく言う俺も別に起こすことはね、嫌いじゃないの。


「シャークん。起きて、」

最初はわざと少しだけ小さい声で言う。なんで、って…シャークんが早く起きちゃったら寝顔が見れないでしょうがなんの為に起こしてると思ってるんだ。

少し寝癖のついた髪も、寝ても寝ても消えない隈もその全てにドキドキするようになったのはいつ頃からだろう。やっぱり、生活習慣合わないし最初は大変なこともそれなりにはあったけど…こいつ可愛い時もあるんですよ。

「……きんとき、?」

「…あ、」

寝起きの乾いた声。いつの間にかシャークんは目を覚ましていて俺の方をじっと見てた。

「…あぁ、おはよ。もう昼だよ。」

「…うん。」

「今日、昼飯食いに行くって言ったじゃん。忘れてた?」

「いや、覚えてる。今何時…」

「多分11時半前だと思う。早く行かないとどこも混むんだから、準備しようよ。」

「…うん、わかった。」

シャークんはまだ少し眠気が覚めていないみたいだった。どこかぼーっとしたような声と微妙に頭が回ってない発言。ちなみに可愛い。


「おい笑ねえしゃけ?寝ないの、笑」

「…ん?寝てないよ、」

いや、めちゃめちゃうとうとしてたけどね。この強がりめ。

「ほら、顔洗って。」

「うん…」

シャークんは蛇口をひねり水をだす。冷たい水で顔が洗うのが嫌なのか、一瞬ガチで嫌そうな顔してたの見たぞ。

「…冷たっ、」

だけどちゃんと顔を洗うシャークん。偉いね。だけどやっぱり水は冷たいのか、顔に水が触れるときに肩をビクッと震わせていた。温水でやればいいのに、と思ったけど…まあなんにも言わないでおきます。

「顔洗い終わった?」

「うん。終わった、」

「じゃあ着替えてきて。」

「…はーい、」

自分でもやっていることは恋人…というより親に近いと思うけどまあ恋人らしいことも結構するんだよね。


「きんとき。着替え終わったよ、行こ。」

「あー、はいはい。」

準備を終えて家を出る。シャークんはコートとマフラーを身につけて暖かそうな格好をしている。

「じゃあ行こっか」

「うん、」


「あー、寒っ…。」

家を出てそうそうシャークんはそう呟き両手を擦り合わせる。確かに最近は本当に寒くなってきた。一気に冬模様って感じがする。

「そうだね。手、繋ぐ?」

「え、いや…恥ずい。」

「でも寒いんでしょ?ほら、別に恥ずかしくないよ。」

「そうか、?じゃあ、ん。」

シャークんはそう言ってぶっきらぼうに手を差し出してくる。シャークんの手は俺より着込んでいるのにも関わらず氷のように冷たかった。

「きんときなんでそんなに手暖かいの。」

「んー?なんでだろうね笑」

「シャークんと手を繋ぐ為、とか。」

「…なにそれ。」

もっといい反応見せてくれると思ったんだけど案外そうでも無いのか?と、思ってシャークんのほうを見てみるとシャークんは俯いていた。あー恥ずかしいから顔見られたくないんだ。

「照れたね。」

「いや照れてないよ、」

シャークんはそう強がるけど少し伸びた髪の隙間から見える耳と頬は赤く染っていた。



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