テラーノベル
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お 茶会のテーブルには、相変わらず整然と
軽食が並んでいた。
誰も積極的には手を伸ばさない中で、空気だけがゆっくりと重くなっていく。
その静けさの中、ひとりだけ動く影があった。
水無月グレ。
彼女は何も言わず、指先でサンドイッチをひとつ持ち上げる。
「……食べるんだ」
すぐ隣の席にいたヒナが、小さく声を漏らした。
「うん」
短い返事。
迷いはないように見える。
けれど、その視線はどこか“食べ物”ではなく“周囲”を見ていた。
「毒とか、考えないんだ」
ヒナの問いに、グレは少しだけ目を細める。
「考えたら何もできないでしょ」
少し低く暗い声
それはナオの軽さとも違う、冷えた現実感を見させた…
ヒナは少しだけ黙り込んだ
その沈黙の中で、グレはサンドイッチを一口かじった。
「……普通」
「え?」
「味。普通」
それだけ言って、また一口。
その“普通”という言葉が、逆にこの場では異物のように響く。
安心させるでもなく、不安にさせるでもなく、ただ事実だけを置くような言い方だった。
「ねえ」
ヒナが少しだけ声を落とす。
「グレ、だっけ」
「うん」
「怖くないの?」
その問いに、グレはすぐには答えなかった。
代わりに、フォークを弄びながら視線だけを向ける。
「怖いよ」
「……え?」
「でも、それって今ここにいる全員じゃない?」
ヒナは言葉を失う。
その瞬間、少し離れた席から声が飛ぶ。
「お前、普通に食うんだな」
ナオだった。
軽い調子で、皿のケーキを指でつついている。
グレはそちらを見る。
「あなたは食べてる」
「まあな。腹減るし」
「そういうところは信用してない」
グレの言葉に、ナオは一瞬だけ笑う。
「はは、直球だな」
「褒めてない」
そのやり取りに、周囲の空気がわずかに動く。
ヒナは視線を左右に揺らしながら、二人を見ていた。
ナオは軽い。
グレは冷たい。
同じ“普通に振る舞っているように見える”のに、まったく違う。
「じゃあさ」
ナオがフォークを置く。
「お前は誰も信用してない感じ?」
その問いに、グレは少しだけ間を置く。
そして、静かに答えた。
「信用する必要ある?」
一瞬、場が止まる。
ナオは肩をすくめる。
「まあ、そりゃそうだけどさ」
そのやり取りの横で、ヒナは小さく息を飲んでいた。
グレの視線が、ふとヒナに戻る。
「あなたは?」
「え?」
「誰か信用してる?」
突然の問い。
ヒナはすぐに答えられない。
その沈黙を見て、グレはわずかに目を細める。
「……そう」
それだけ言って、視線を外した。
興味を失ったように。
切り捨てるように。
その動きが、なぜか一番冷たく感じた。
その直後だった。
『全員の確認が完了しました』
天井から声が落ちる。
空気が一気に変わる。
グレはフォークを置き、静かに椅子へ戻る。
まるで最初から何もなかったかのように。
そして次の瞬間――
『これより、第1ゲームを開始します』
テーブルの中央が開き始めた。
手がタヒにそう
眠い
終わったんで寝ます!
❪明日は学校❫
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