「今日は、食料が来る日だね。」
ぼんさんが儚げに呟く。
この地域には、1週間に1回食料と水分が届く。
でも、3日も保たない程の量だ。とても少ない。
「早く死んだ方が楽だよなぁ……」
MENが、天を仰ぎながら太陽に手を伸ばす。
「はぁ?何言ってんの。」
ぼんさんが眉間にシワを寄せる。そして僕ら4人の前に立った。
「俺たちで叶えようよ、夢‼」
と大きく手を広げながら、笑顔で言った。
「この戦争を終わらせて、世界に笑顔を送ろうよ‼‼」
ぼんさんの必死な姿に皆が「ぷはっ」と息を吹き、笑った。
「そうだね、僕達で叶えよう‼」
僕も、ぼんさんの隣に立った。そして、満面の笑みを浮かべた。
「ここに、15歳以上の男はいるか?」
地下で楽しく話しをしていると、知らない男の人が現れた。
「あ、はい……」
僕たち5人は、察した。戦場への招待だ。
「君達5人、15歳以上か?」
皆でうなずくと、男の人は僕らの名前を呟いた。
「ドズル、ぼんじゅうる、おんりー、おらふくん、おおはらMENか?」
名前を知られている。もう確定だ。戦場へ行くんだ、僕たちは。
「お前たちは、戦場に行ってもらう。」
思ったより、早かった。もう少し、一緒にいたかった。
……いや、わがままは駄目か。
悲しみの思考を巡らせていると、男の人はとんでもないことを言った。
「ぼんじゅうる、おらふくんは特攻隊員だ。」
「「「「「えっ……?」」」」」
特攻隊員。それは戦争へ行く隊員名の中で1番最悪な名前。
特攻隊員は、爆弾を大量に積んだ戦闘機で体当たりする。ほぼ、100%死んでしまう、攻撃方法だった。
「特攻隊員は、3日後。普通の隊員は、1週間後出発だ。」
そう言って、去っていった男の人。
「………嘘だ…。俺が…特攻隊員………?」
おらふくんが、絶望したような声で呟いた。
「……ははは、笑えねぇよ、こんな死に方……。」
ぼんさんは呟く。ポロポロと涙をこぼしながら。
僕の大切な友達を泣かすなんて、許せない。
戦争なんて、大嫌いだ。
コメント
18件
特攻隊員...なんでそんな残酷な役割を与えられなきゃいけないの、おらぼんは...
分かる。 戦争はなくなって欲しいよね