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『海へと入るぞー!』船員の一人がそう叫んだ。
(ほんとにこんなんで大丈夫か…?)コーティングされた船だといえど能力者になったアマガサは少し不安な気持ちになった。
ジャボン!『すげぇ!船が海の中に!』周りの景色を見てモンテロは楽しそうにそう叫んだ。
その言葉を耳にしながらアマガサは『なんでわざわざ魚人島なんかに行く必要があるんだ?』とカイドウに問う。
『鬼ヶ島に使う資材だ』そう言われアマガサは以前カイドウと話していたときのことを思い出した。
『魚人島が見えてきたぞー!』船員の一人が叫ぶ。
そう言った途端船はチャポンと音をたて魚人島についた。
その瞬間『アマガサは船の防衛!アルベルは資材の補充!サイエンは武器の補充!モンテロは俺と共に来い!』カイドウが全体に指示を飛ばした。
その後カイドウたちは数十名の船員を連れ魚人島の街にくりだしていった。
それを船の近くにある物陰から見る魚人がいた。
その者はそれを見終わると魚人島のスラム街の方へと走っていった。
魚人島スラム街にて〜
『ほう、そうか、百獣海賊団か』そこにいたのは玉座に座る魚人と先程物陰から船を見ていた魚人だった。
『はい、どうしますかドクロさん?』
毒槍のドクロ、魚人島のスラム街にて魚人族100人から結成される愚連隊を率いるドクウツボの魚人である、 懸賞金4億1900万ベリー。
『もちろん、行くに決まってる』ドクロがそう言った瞬間周りの魚人たちが武器を構える。
それをみたドクロは『行くぞ!野郎ども!』
と声高らかに叫んだ。
船にて〜
アマガサたちは船番をしとけとは言われたものの特になにもせず昼寝をしていた。
だからだろうかアマガサ以外の船員は迫り来る敵に気づいていなかった。
そんな中アマガサは一人金棒を構えあたりを見まわしていた。
その時、ヒュン!その音と共に一本の矢が飛んでくる、その直後『オメェら襲撃だ!起きろ!』とアマガサが怒号を飛ばす。
それと同時、『うおりゃぁぁ』と雄叫びを上げ魚人たちが船に乗り込んできた。
『ざっと100人ってところか』アマガサはそれを見て呟く。
船員たちはすぐさま武器を手に取り戦おうとするもバッタバッタと倒されていく。
すると魚人たちの奥から一つの声が聞こえた。
『金目のもんは全部奪え!』そこをみると槍を持った魚人が他の魚人に指示を飛ばしながら戦う姿があった。
(あいつが頭領か)そう思ったアマガサはドクロ目掛けて走っていく。
『お前はアマガサ!いい土産になりそうだ!ん!?』ドクロがアマガサを見た瞬間アマガサの体は大きくなり肌は赤くなりはじめた。
『なんだ!?手配書の姿と違うぞ!?』ドクロは少し驚きつつも『ウツボラッシュ!』と槍を突き出す。
『大和兜』アマガサは金棒を回しながらその攻撃をなんども跳ね返した。
(もしや、悪魔の実か!?)ドクロがそう思った頃にはアマガサはドクロの腕を掴んでいた。
『せい!』その声と共にドクロは地面に叩きつけられた。
しかし、『虎鱓!』その瞬間アマガサの腹に槍が突き刺さる。
『ゴバッ!』アマガサは血を吹き出しながらもその槍をつかみ腹から抜いた。
そして槍を掴んだまま槍を持ち上げ再度ドクロを叩きつけた。
(ダメージは五分といったところか)アマガサは心の中でそう呟いた。
その時、ヒュン!と音を鳴らし一発の弾丸がドクロをかすった。
弾丸が飛んできた方向を見るとそこにいたのはモンテロだった。
『カイドウさんが船の方が騒がしいってよ、たっくえげつねぇ見聞色だぜ』そう言いモンテロは再度2丁拳銃を構えた。
『2丁拳銃のモンテロか、今日はアイツで満足してやるよ』そう言いドクロはモンテロの方へ走り出す。
(させるか)そう思ったアマガサはドクロを追いかける。
しかしドクロは途中で振り向きアマガサの方へ走る。
『虎鱓!』ドクロが槍を突き出すと同時『雷鳴八卦!』金棒を構え地面を蹴った。
『ゴフッ』血を吐いたのはドクロだった。
『すげぇさすがアマガサさんだ!』それを見た魚人たちは一目散に散って行った。
戦いが終わるとモンテロは興奮気味でアマガサの方へ走ってきたが途中『救急箱もってこい!』と他の船員に大声で叫んだ。
モンテロが叫んだ途端アマガサは意識を失った。
数時間後〜
(ん?ここは…?)アマガサは起き上がりゆっくりと辺りを見回す。
『目覚めましたかアマガサさん』そこにいたのはモンテロだった。
『もうすぐカイドウさんが戻ってくる頃です、ほら元気出して』そう言いモンテロは笑ってみせた。
『あぁ、そうだな』そう言いアマガサはベッドから出た。
『そういや次はどこへ行くんでしょうね?』
アマガサとモンテロが船底の階段を登っているとモンテロが突然そう言った。
『あぁ、お前たちにはまだ伝えていなかったな和の国だ、あの島は今黒炭オロチというやつが牛耳っているがアイツは大きな後ろ盾は欲している、そこでアイツに交渉を持ちかける後ろ盾になる代わりに和の国の少し離れたところに鬼ヶ島を築かせてもらうと』アマガサがそう言うとモンテロは目を見開き『いいところに目をつけましたね!』と感心した。
船底から上がるとそこにはカイドウの姿があった。
『珍しく重症じゃねえか』カイドウはアマガサを見て笑いながらそう言う。
『あぁ、だが問題ない』そう言い終わるとアマガサはカイドウたちが買ってきたものを見た。
そこへ資材の補充を終えたアルベルがやってきた。
『銃なんてこんないるのか?』アルベル顔をしかめてそう言った。
『これでも足りないくらいだ、和の国の侍が団結すれば俺たち以上の戦力にもなり得る』疑問を浮かべたアルベルにアマガサはそう返した。
『大丈夫だアマガサさん俺たちもここ数年と強くなったし』モンテロは笑いながらそう言った。
しかし数年後カイドウたちは侍たちに苦戦を強いられることになる。
その時カイドウが声を上げた。
『オメェら荷物は運び終わったな!?』船員たちはカイドウの方を向き頷いた。
『碇を上げろ〜!』カイドウが叫ぶと船員たちが碇を引き上げ始めた。
『シャボンまで船を運べ』アマガサは舵取りにそう命令した。
『上昇するぞ』アルベルは他の船員たちに聞こえるようにそう叫ぶ。
しばらくして〜
百獣海賊団はシャボンディ諸島へと戻ってきた。
『オメェら船を出すぞ』カイドウがそう叫ぶと舵取りは大きく舵を回した。
カイドウたちは船を港から出そうとしたその時だった。
ヒュードン!一発の爆音が辺りに響いた。
『砲弾か!?』アマガサ振り返ったその先そこには一隻の船がいた。
『レックス海賊団か!』サイエンが海賊旗を見てそう叫ぶ。
アマガサは即座に向こうの船へと跳ぼうとした。
だが、『俺がでよう』そう言いカイドウは頭の上で金棒を振り回した。
『ラグナロク!!』その瞬間向こうの船に何かが落ちたかと思うと向こうの船は半壊した。
『相変わらずえげつねぇな』アルベルがその光景を見てそう言った。
その後金切音が船の方から聞こえてきた。
目を凝らしてその方向を見ていると半壊した船の瓦礫の上でカイドウとハナフダが戦っていた。
戦局は明らかにカイドウの優勢だった。
アマガサがそれを見ていてしばらくするとハナフダは倒れた。
するとカイドウは気絶したハナフダを船に連れて戻ってきた。
『おいなんでそんなやつ持ってきたんだよ』
数時間後〜
ハナフダはカイドウの船の船底のベッドで目を覚ました。
『気ィついたか』それを見てアマガサはそう言う。
カイドウから話があるってよ。
アマガサとハナフダは階段を登り船の看板へと上がった。
そこには宴をする百獣海賊団の姿があった。
その時サイエンが積み上げられた木箱の上にのりこう叫ぶ。
『皆さーん!改めてましてハナフダ及びレックス海賊団が我が海賊団の傘下になることを祝いまして乾杯!』『かんぱーい!』それを聞いたハナフダは『どういうことだ!』と怒鳴りサイエンを睨んだ。
『内の船長が決めたことだ俺は知らねぇ』そう言いサイエンは足取りよく木箱を降りた。
『まっ、悪く思わないでくれ』こうしてハナフダは半ば強引ながらも百獣海賊団の傘下に入ったのである。
『わかった一旦はそうさしてもらおう、だが鞍替えしても文句は言うなよ』そう言いハナフダはアマガサを睨んだ。
『で、お前ら次はどこに行くんだ?』とハナフダはカイドウに問う。
『和の国だ拠点を作るためにな、お前も来るか?』カイドウがそう言うとハナフダは『いいだろう』と思いの外潔く答えた。
そうしてその日の夜はレックス海賊団も含め宴が続くこととなった。
そしてとうとう宴が終わろうとするころにカイドウはこう叫んだ。
『オメェらよく聞け!俺これから2年以内に四皇になることを宣言する!』『ウオオオォォ!』船員たちから歓声が上がる。
『オメェら改めて俺に続けぇ!』カイドウは声高らかにそう叫んだ。
(いよいよだな)アマガサも心の中で覚悟を決めた。
第8話 完