姉と連絡が途絶えて、姉夫婦の様子の異変を心配していた。姉から聞いた今住んでいる武家屋敷の怪奇現象について、彼女は驚きを隠せなかった記憶が蘇る。実際に引っ越しの手伝いで足を運んだときも姉と姉の夫の不安な様子を見て、彼女もまたこの家に言いようのない気味の悪さ、異質な感じを感じていたのを覚えている。
言いようのない不安を感じた妹は探偵に依頼することに決めた。彼女は姉夫婦の話を詳しく説明し、元武家屋敷の家の話もした。探偵は興味津々で彼女の話を聞きながら、この事件の真相を解明するために動き出した。
探偵は、情報を集めるために様々な人々と話をし、この武家屋敷の伝承についても調べ上げた。そして、色々分かった事があった。駐在所勤務の警察官の話だ。その警察官は探偵とは昔からの知り合いだったので聞けたのだ。警察官の彼も失踪者探しで武家屋敷一帯に行った事があると言うのだ。前に交番勤務だった先輩からこんな話も聞いたことがあったという。
それは、かつてあの武家屋敷には源平合戦で敗れて落ち延びて逃げてきたと噂された人が住んでいたと言う話があったそう。かなり大昔のことなので、真偽はわからぬが地元民からあの廃墟は80世代の地元民ですらも廃墟としての武家屋敷を認知していたと言うから確かに昔からあるようだと。また、二つ言い伝えがあった。地元では、かなり有名な話のようだ。花魁らしき女性の死体がこの地帯で発見されたと言われている洞窟、通称:花魁窟もあったり、鬼婆伝説もある。人喰い鬼婆が今でもいるとか。
実際、鬼婆がいたかはわからぬが、人骨がよく発見されている。おそらくは熊などによる被害者だとは思うが、中でも、有名な話がある。それは、1982年2月25日に発生した籠城事件。ハイキングに来ていた女性グループを当時名物おじさんとして地元では有名なホームレスが監禁し、立てこもったと言う事件が発生した。もちろん誰も死者は出なかったが、このホームレスの言葉がこの事件をオカルトじみた事件にした。それは、夜はあの人食い鬼が現れて襲いかかるから、人助けのつもりだとか。そう言った理由で犯行を認めなかったのだ。実を言うと、地元の間ではこのホームレスに救われている人も多く、地元の子供達もずっと住んでる人も彼を恩人と言っている人も多かったのだ。
と、結構怖い話が伝わるこの町は、オカルト系の人にはもってこいだろう。
そして、問題の武家屋敷に向かった。
彼は、車で30分くらい経っただろうか、とその立派な武家屋敷は異質な存在感を放って姿を現した。彼は車から降り彼は慎重に建物内を探索していこうとした、まだ日中だと言うのに真っ暗。その武家屋敷を懐中電灯片手に入っていた。
彼は唾を飲み静寂な武家屋敷を見て回った。あまりに無音。耳がおかしくなりそうだった。もしかしたら、別の世界にでも来てしまったかのように、音がしない。老朽化していそうなのに、老朽化していないあたりの様子。と、廊下を歩いてると
『ごめんなさい。通りますね。」
と言う女性の声で、彼は普通に自然に避けた。だが、誰もいないのに声が聞こえるのはおかしい。と、まるで誰かが通った様な風が吹き抜ける。
悪寒がしてきた彼は、変な汗が出てきた。怖さが増す中で、奥から灯篭が見えてきた。灯籠が浮遊している。よく見ると、灯篭に照らされて顔が浮かび上がった。彼は、つい硬直してしまった。だって、伝承で聞いた人食い鬼婆の絵とそっくり。怖くなって、彼は後退した。と、激しい走ってくる様に近づいてくる足音と共にその人食い鬼婆は近づいてくる。彼は恐怖で目を閉じようとしたら、閉じれない。完全に恐怖で完全の硬直してしまったようだ。そして、目の前に来た瞬間、卒倒したのか意識を失った。
気づくと、知らない部屋にいた。
そこは花魁などの人形が飾られている。起きあがろうとすると、人形が動き出した。彼は、一目散に逃げた。だが、ドアが開かない。彼はパニック状態に陥った。と、遠くから、葛城さん、葛城さんと声が聞こえた。それはあの駐在所勤務の田中くんの声だった。不思議と変な力が働いた。火事場の馬鹿力ってやつだろうか。ドアを蹴り壊して逃げた。外に出ると、田中くんがいた。そして、総動員。救急車もあって消防車もあった。そこに意外な男がいたかなり歳はいってる男性。そうだ、あの名物おじさんこと籠城事件の犯人がいた。色々他の警察官もいて騒々しかった。だが、彼にはとっても助かった。安心すると、肩から力が抜け落ちて腰が抜けた。田中くんがことの説明をした。実は、この老人ずっとつけていたのだ。どうやら、彼の安否を心配してだったそう。そして、実は他にいた警察官達は再犯するのでは?と、この老人を見張っていたと言う。そしたら、案の定火を燃やして放火するのを目撃。捕まえようとしたら、全員がそこで、女性の幽霊を目撃。女はこう言った。
『あの人だけは助けないと。妹が心配するわ』
その女は武家屋敷の中へ入っていった。と、中から男の悲鳴。その声に聞き覚えのあった田中くんが声をかけたと言うことだったと言うのだ。
その頃、探偵からの連絡がないことに心配した妹さんは、再び武家屋敷を訪れることにした。
彼女がその武家屋敷だった一戸建てに向かった。そして着いた。勇気を出して入ると彼女は不気味な笑みを浮かべた探偵の姿を見つけた。
「あなたも、この家に取り込まれる運命なのです」と彼は言った。
妹さんは恐怖に打ちひしがれながらも、彼の言葉から何かしらの真実を感じ取った。この家は、ただの廃墟ではなく、何か邪悪な力によって支配されているのだと彼女は感じた。
彼女は姉夫婦と同じく、この恐ろしい武家屋敷に取り込まれるのか、それとも何らかの希望や救いが訪れるのか。彼女の運命は果たしてどうなるのか。
次回、彼女の運命が明らかになる。
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