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沙羅はバルコニーに佇み、目の前のハワイに広がる夜空一面の星空を見上げていた
穏やかな波の調べが心を浄化する
シーツの衣擦れの音がして沙羅は振り向いた、窓全開に開いたハネムーン・スイート・ルームの背後の大きな天蓋付きのベッドには、力が神々しい裸体を大の字にして静かに眠っている
脚を大きく広げているのでここからでも丸見えだ、彼のモノは勃起していない時でもため息が出るほど逞しくて美しい
気持ち良く熟睡している力、漆黒の髪はくしゃくしゃに乱れ、額の後ろにかきあげられ、おでこが全開になっている
室内は少し暑いのでバルコニーに出ると心地よい海風が体を吹き抜けていく、沙羅は両腕を腰にきつく巻きつけた
起きあがったときに羽織った力のシャツから、まだ彼の匂いが漂っている・・・
ぬくもりさえ残っている気がして、シャツ一枚で彼に抱かれている様な気持ちになる
バルコニーに肘をついてもたれ、深く息をついて目を閉じた
ああ・・・力を愛している、狂おしいほど・・・永遠に
いつからこんな気持ちになったのだろう・・・本当に不思議・・・でもきっとこれが愛の神秘なのね、なんの前触れもなく、あの高校の入学式の体育館で力と目が合った日から、あっという間に恋に落ちたのだ
そして今沙羅は毎晩星に願った、二人の愛が永遠に続きますように
結婚式はさんざんだった
今思えばどうしてあんなに取り乱してしまったのだろう、ウエディングドレスを着た瞬間、ゾワゾワと過去のトラウマが蘇って、気が付けば全速力で沙羅は逃走していた
思わず逃げ出した沙羅を丘の上でとっ捕まえた力が、「祭壇トラウマ症候群」に陥ってワンワン泣いている沙羅を米俵を担ぐように肩に担ぎ
ゼ―ゼ―言いながら神父に誓いの言葉の進行をせかす、担がれたまま号泣しながら『誓います』となんとか言えた沙羅、参列者は拍手喝采、健一とジフン達は破天荒な二人にオロオロし、音々とメンバーや真由美、雄介や陽子他、参加者は終始ゲラゲラ笑っていた
不思議と式をのりきってしまえばケロっとトラウマは解消し、今は二人っきりのハネムーン中だ、披露宴はとても素敵だった
ブラックロックのメンバーの豪華な演奏の元、力は沙羅のためだけにラブソングを歌った
演奏している拓哉を熱く見つめる真由美
その横でジフンと音々が楽しそうに踊って、クルクル回っていた
陽子は4Kカメラのアングルに厳しく、メガホンでカメラマンのお尻をバシバシ叩いて指示を飛ばしていた
誰もが笑顔で幸せな結婚式だった、ハネムーンに三泊四日のハワイ旅行しか時間を取れない事に力は不満を述べたけど、沙羅は音々を健一に預けていることもあるし、それで十分だと言った
幸せな結婚式をバルコニーにもたれて思い出していると、背後からにゅっと腕が伸びて来て突然力の温かい体温に包まれた
彼は沙羅の両脇から腕をのばしてバルコニーの手すりをつかみ、ぐっと身を寄せて沙羅の髪に鼻をすり寄せた、彼は上半身裸で腰にバスタオルを巻いている
「すまない・・・君の中に挿入ったまま、上で眠ってしまった、こんな所で一人で立っていないで起こしてくれればよかったのに・・・と言っても――」
力はいたずらっぽく囁いた
「目を覚ましたらいい眺めだった、僕の男物の白いシャツを着た君はすごくセクシーだ・・・お尻のほっぺがギリギリシャツから見え隠れしているよ・・・実にそそられる」
力は沙羅の首に鼻をすり寄せ、シャツの裾からはみ出したヒップの輪郭を指でなぞった
「ベッドへ行こうよ・・・日が昇り切ってしまう前にもう一度君を愛したい・・・」
沙羅は微笑みながら夫の顔を撫でた
クスクス・・・「私はここへ来てから休む暇は与えてもらえないみたいね」
「今さっき、目をつむって何を考えていたんだい?」
「星空がなんて美しいのかしらって・・・まるでスタジアムで見た観客席のライトの様・・・あの荘厳さを今思い出すだけでも涙が溢れてくるの、あなたの為にあれだけの人が集まってくれているなんて奇跡よね」
「わかるよ・・・」
力は前かがみになって沙羅のおでこにキスをした、頬に、首筋に力のキスの雨が降る、沙羅は目を閉じて気持ちよさそうにそれを受ける
「これからずっと同じ景色を見れるよ・・・僕のコンサートのサイドステージには必ず君に居て欲しい」
力は沙羅をぎゅっと抱きしめてから顔を振り向かせた
「沙羅・・・君と分かち合いたいんだ・・・どんな景色も、どんな体験も、何もかも、二人で世界中を回ろう、目を覚ました時の眺めはよかったよ、僕のシャツを着た君はとてもすてきだ」
白いシャツから覗く沙羅のヒップを揉みしだきながら唇を首筋に這わせる
「まぁ・・・また大きくなってるわ力・・・欲張りさんね」
高ぶったモノをヒップに押し付けられるのを感じて、沙羅は咎めるように言った
「だっていつでも君が恋しいんだもん、こんなふうに二人っきりの時間がずっと欲しかった、君はもううんざりかい?」
沙羅は目を閉じ、頭を力にもたせかけた
「まさかっ!うんざりなんてしないわ、あなたと愛の営みに飽きることなんて、一生ないわ」
力の手がヒップから前に伸びて来て、沙羅はいたずらなその手を自由にさせてあげようと脚を開いた
「そんな事を言われたら、また君が欲しくなった・・・はやくベッドへ行こうよ」
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力は沙羅の背後にスプーンが重なる様にぴったりと寄り添い、沙羅の片脚を上げ、自分の腰に絡めさせた
「こうやってきみを愛してもいいかい?」
「あなたの好きなように愛して」
背後から彼の大きなモノがすべりこみ、奥深くまで突きあげてくる、沙羅はため息をついた、力はうめきながらいっそう深く突きあげ、ハワイの波の調べに合わせて戯れるようにゆっくり腰を動かしている、力はこうやってよく沙羅の体の中で遊ぶ
「やさしくしようか、それとも激しく君を愛そうかな・・・君の中がもっと僕の形になるように」
力は背後から沙羅の胸を包み、まさぐり、もみしだいた
「あん・・・力・・・」
沙羅が声をあげると力が沙羅の喉に吸い付いた
「君のすべてを感じたい・・・君のすべてを見たい・・・でもイクのはまだ早いな・・・」
力はいったん身を引き、沙羅を振り返らせてシーツに背中を押しつけた、シャツを荒々しく脱がせて脇に投げ捨てる
むさぼるように沙羅の胸の谷間に高い鼻をうずめ、胸を寄せてはクンクン匂いを嗅いでいる
沙羅の乳輪に舌でぐるりと円を描き、先端が彼の口に強く吸われ、ポンッという音と共に飛び出すと、沙羅の乳首はラズベリーの様に赤く染まった、そして再び彼は反対側も咥え、引っ張っては放す遊びをしている
フフフ・・・赤ちゃんみたいで可愛い・・・
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沙羅は自分の胸と戯れている力の頭をヨシヨシした
目を閉じている力のまつ毛が月明かりに照らされて扇形の影を頬に落としているのをじっと見つめる・・・ああ・・・彼は本当にハンサムだ
今度は男の子が欲しい、今回も彼にそっくりの子・・・早く作ってあげないと音々とずいぶん年が離れた姉弟になる、これからも私は毎日夫と夫にそっくりな子供達を見て、その度誇らしく自分を褒めるのだ
二人はこのハネムーンで子供を作る約束をしていた
沙羅があえぎながら待ちきれず、力の髪を引っぱると、彼女の両脚をつかんで自分の腰に巻きつけ、待ちわびている沙羅の奥深くまでちから強く身をうずめた
視線を絡め・・・あえぎ・・・ため息をつき・・・みだらな言葉をお互いつぶやく度、二人の息がまざり合う
沙羅は力を見あげた
セックスの美しさ・・・
自分の上で優雅に腰を振っている男性の美しさにこれほど心が打たれるなんて
感動で胸がいっぱいだ
沙羅は頭を起こし、二人の結合部分も目を見開いて見つめた、途端に体の中で情熱が燃え上がった
彼の大きなモノが沙羅を満たし、自分の体がソレを飲み込んで慈しんでいる
沙羅は力と出会って、男女が愛を交わすことの真の意味を知ったような気がした
やがて至福の解放が二人に訪れた
沙羅の体の中で百匹もの蝶がお腹の中で放たれたようなフワフワした感覚が生まれ、力は沙羅の首に顔を埋めて命の種を余すところなく沙羅の子宮に注ぎこんだ
ブルルッ「ああ・・・沙羅・・・凄いよっっ!」
力が震えながらかすれ声でつぶやく
ハァ・・・ハァ・・・「君はなんて素晴らしんだ・・・」
「力・・・」
力の目に浮かぶ感情に溶けそうになりながら沙羅も震える声でつぶやき、きつく力を抱きしめた
「あなたもよ・・・とても素晴らしかった」
力は顔をあげ・・・ニッコリと微笑んだ、悦びの瞬間を味わった直後の男性ほど、セクシーな顔をしている事はない・・・
今の力は首元まで赤く染まり・・・髪はくしゃくしゃで目はウルウルしている、本当に私の夫は美しくて愛らしい
「そうかい?」
ステージの上のスーパースターの雄々しい力も大好きだけど、この瞬間の力は沙羅だけのもの、世界で自分だけが彼のこの表情を知っている特権に酔いしれた
射精したのにまだ硬い力のモノを内側の筋肉でキュッと締めると、ビクッと力が切なそうに眉を八の字にする、この表情が愛しくてたまらない
感じてくれているのがとても嬉しい
「力・・・愛してるわ」
力はじっとを沙羅を見つめて微笑んだ
「少し眠ったら、朝日と共に君をまた抱くよ・・・昼間はヤシの木の木陰で君を誘惑して、夜はまた星空の下で君をそそのかすんだ」
沙羅はくしゃくしゃの力の髪をかき上げた、おでこが全開の際立った力の素敵な顔を眼福の気持ちで見つめる
クスクス・・・「まぁ!さすが言葉の魔術師ね、あなたの歌詞に世界中の女性がうっとりしてるわよ」
「ああ、そうさ・・・僕は『歌うたい』の『マリアッチ』」※マリアッチ=楽団
コツンとおでことおでこを突き合わせて見つめ合う、二人の顔には笑顔がこぼれている
「生きている限り夜は君を一人で眠らせたりはしない、毎晩君と星空の下で愛の歌をうたうよ」
沙羅と力は同時に目を閉じた、優しくキスをして力が言った
「二人の命が星明りの中へ消えていくまで・・・」
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【完】