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「かっちゃんが聞いてくれるなんて…凄く嬉しぃ…♪」
彼が自分に耳を傾けてくれた。今まで1度も無かったことだ。緑谷は爆豪からの認められた歓び、届いたことへの喜びに溢れていた。
かっちゃんが、聞いてくれるなんて――。
その一瞬、胸の奥がふっと熱くなった。けれど、すぐに頭の中が切り替わる。今は喜んでいる場合じゃない。
「麗日さんと瀬呂くん…対、尾白くんと佐藤くんかぁ…。
勝敗は尾白くんたちが、どれほど麗日さんたちの戦い方を把握しているか、によるかな……。
麗日さんと瀬呂くんの無重力テープの対処方法が尾白くん、佐藤くんに思いついている前提でも、接近戦で瀬呂くんの拘束は脅威だ。尚且つ、麗日さんも五指触れることができれば、無重力状態で無力化できる。
確かに、攻撃技としては尾白くん、佐藤くんに軍配が上がる。ただ…射程が短い分、やはり不利になる。
可能性があるとしたら…、佐藤くんの3分間を接近戦まで温存した上で、超短期決戦に持ち込む…とか…かな……。
正直、尾白くんと佐藤くんの圧倒的な不利を知識でどこまで返せれるか……って感じだと思う。」
緑谷は真剣なまなざしでモニターを見つめながら、爆豪に答える。
緑谷の詳細な分析を聞いて、爆豪は満足そうに頷く。緑谷の分析は、常に的確で論理的だ。
麗日と瀬呂の空中戦の優位性、尾白と佐藤の接近戦の強さ、そして佐藤の個性の時間制限を利用した短期決戦の可能性。全てを考慮した上での結論。それが緑谷の分析力だった。
「…フン。やっぱりテメェの分析は最高だな、デク。確かに、尾白と佐藤は圧倒的に不利だ。射程の差がデカすぎる。
麗日と瀬呂は空中から攻撃できるが、尾白と佐藤は地上からしか攻撃できねえ。佐藤の3分間を温存して超短期決戦に持ち込むってのも、理論上は可能だが…麗日と瀬呂がそれを許すとは思えねェ。あいつら、そこまで馬鹿じゃねェからな。」
そう言いながら、訓練場の方を見る。試合開始の合図が鳴り、麗日が瀬呂の肩に触れて無重力状態にする。瀬呂はテープを天井に向けて放ち、麗日と一緒に空中に浮かび上がる。
一方、尾白と佐藤は地上で警戒しながら、二人の動きを見ている。麗日が空中から瓦礫を無重力状態にして、尾白と佐藤に向けて落とす。尾白が尻尾で瓦礫を弾き飛ばし、佐藤が砂糖を摂取してパワーアップする。
「…ほら見ろ、もう佐藤が砂糖を摂取しちまった。これで3分間のタイムリミットが始まった。尾白と佐藤、もう後がねえぞ。麗日と瀬呂は空中から攻撃し続けるだけで勝てる。時間切れになったら、佐藤は元通りだ。佐藤と尾白じゃ麗日と瀬呂には勝てねえ。」
そう言った瞬間、佐藤が地面を思い切り蹴って、空中の麗日と瀬呂に向かって跳躍する。尾白も佐藤の肩に飛び乗って、一緒に空中に跳び上がる。
しかし、瀬呂がテープを放って二人を拘束しようとする。尾白が尻尾でテープを弾き飛ばし、佐藤が麗日に向かって拳を振り上げる。
そこで、麗日が佐藤に触れて無重力状態にする。佐藤の体が浮き上がり、拳が空を切る。
「…チッ。やっぱり駄目だったか。尾白と佐藤、良い動きだったが…麗日と瀬呂の方が一枚上手だった。空中戦では、麗日の無重力が強すぎる。」
そう言った瞬間、相澤先生の声が響く。
「そこまで! 勝者、麗日・瀬呂ペア!」
佐藤と尾白は無重力状態のまま空中に浮かんでいて、完全に動けなくなっている。麗日が二人を地上に降ろして、無重力を解除する。佐藤と尾白は悔しそうな表情で地面に倒れ込む。爆豪はその様子を見て、小さく呟く。
「…やっぱりテメェの分析通りだったな、デク。尾白と佐藤は圧倒的に不利だった。射程の差がデカすぎた。でも、あいつらも良く頑張った方だ。佐藤の跳躍と尾白の尻尾を組み合わせだ。佐藤の跳躍と尾白の尻尾を組み合わせた連携は悪くなかった。ただ、麗日の無重力が強すぎた。空中戦じゃ、あいつに勝つのは難しいな。」
そう言いながら、少しだけ考え込む表情を見せる。麗日の無重力は確かに強力だ。もし自分たちが麗日と瀬呂と戦うことになったら、どう対処するか。爆豪は頭の中で戦術を組み立てる。そして、緑谷の方を向いて、小さく言う。
「…なあ、デク。もし俺たちが麗日と瀬呂と戦うことになったら、どうする? あいつらの空中戦、かなり厄介だぞ。テメェなら、どう対処する? 分析を聞かせてくれ。」
そう言いながら、緑谷の答えを待つ。周りでは次のペアが準備を始めている。上鳴と耳郎のペア対、口田と障子のペアだ。爆豪はその様子を横目で見ながら、緑谷の分析を楽しみにしていた。