syprb.(zmrb表現あり)
なんであんたはいつも俺に目を向けてくれない。
これほどまでに愛しているというのに。
絶対、絶対絶対…ゾムさんより俺の方が幸せにできるのに。
泣かせるようなことしないし。
泣くこともなくなる。
なのに、あんたはゾムさんを選んだ。
シェアハウス中の俺らは今リビングの少し広い場所に全員集まっている。
何も意味は無い。ただただ雑談をかわすだけ。
いつものようにさりげなくロボロさんを目で追っていると、急にこちらを向いて ふっと笑った。
「っ…」
「んふ、なに?なんか話したいことでもあるん?」
柔らかく微笑みながら近付いてくるロボロさん。
俺なんかの事を気にしないで欲しいという感情とは裏腹に、気にかけてくれた挙句話しかけてきてくれたという事実に俺の心は今までにないほど舞い上がっていた。
「いえ、別に…」
嬉しい。ありがとう。
などという言葉ですら素直に言えていたらきっと今俺はここまで片想いを拗らせていないだろう。
気恥ずく、俯いたままだったのだがあれから言葉を発しなくなったロボロさんに動揺して慌てて顔を上げると首を傾げたロボロさんが居たのである。
「…ショッピくん。」
「…………はい?」
何だろう。
改めて名前を呼ばれると居た堪れない気持ちになる。
次に発する言葉を待っていると、ロボロさんは静かに口を開いた。
「嘘は…あかんで?」
「……え。」
ばくばくと動悸が激しくなっているのが分かる。
どこからともなく隙間風が俺とロボロさんの間を吹いた。
いや、本当は隙間風なんて無いのかもしれない。これは、幻だったりして。
ただ、ロボロさんの雑面が靡いて桃色の透き通った瞳が真剣にこちらを見つめているものだから現実だと信じざるを得ない。
「どうしたん?目なんか泳がせて笑」
…あ、う… 。言葉にならない声が喉奥に引っかかる。
「悩みがあるならなんでも言いや?
あんさんは俺の大切な後輩なんやからな!w」
ロボロさんは何も言えずにいた俺を心配してくれたのか冗談交じりにそう喋った。
それでも尚俺はまだ言葉が見つからず、何も発することが出来ていない。
何か言わないと、言い訳か、何かを。
俺とロボロさんの会話に気付いた他の数名がなんかしたんかと近付いてきた。
ロボロさんは別になんもないでwと誤魔化した。
「あ、そういや〜〜〜〜〜」
俺を抜いた数名とロボロさんは会話し始めた。まるで俺に深入りさせないかのように。
人を気遣うことが出来るロボロさんが俺は好きだ。
でも、それ以上の誰かを一途に愛してしまっているロボロさんが俺は嫌いだ。
大切な後輩?
悩み?
「ロボロさん。」
「!…ショッピくん…??」
俺、悩みありました。
ハッとしたように皆俺を不思議がった表情で見つめている。
俺は何も言わずにロボロさんに近付いて、そのまま抱きしめた。
途端、皆の不思議がった表情はギョッとした顔に変わっていた。
余程驚いているのか声を荒らげたり抵抗したりしてこないロボロさんに酷く俺は優越感を覚えた。
「なや…み?」
カタカタと俺が突然抱きしめた事に薄ら恐怖を感じているのか、声までも普段の大きな通る声ではなく、蚊の鳴くような声で聞いてきた。
俺の悩みはただ一つしかない。
ロボロさん以外に聞こえないように抱きしめる手を強くし、耳元でそっと囁いた。
「…ロボロさんが誰かに取られた事です。」
コメント
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好き、、†┏┛墓┗┓†
死ーん
ウグッ…誰か僕に墓を…チーン。。(〃_ _)