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転生した少年は三歳から冒険者生活始めました。

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転生した少年は三歳から冒険者生活始めました。

28 - 第28話 28 せっかく家ができたけど、王都への依頼で準備します。

♥

26

2024年02月09日

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たくさんの料理を作ってアイテムボックスへと入れた。

おにぎりの道具は作ってないけど、もしかしてできるかな。

五合のご飯と塩、皿をとりだして挑戦だ。


(クリエイト)


皿には塩握りが並んだ。

『これ、何?』

「おにぎりだよ。お塩だけの味だけどね。試しに作ってみたらできた。今度は中に何か入れて作ってみる。食べてみる?」

うん、と口を開くので、ポイッと放り込んでやる。

もぐもぐ食べて、美味しいよ! と嬉しそうだ。

おにぎりには漬物だけど、それは止めておこうかな。俺、漬物は好きじゃないから。

どこかで味噌を探したい。それに海苔だね。

味噌汁と海苔のおにぎりだよ。間食にはぴったりだね。


夕食までいろいろと試した。

まあ、夕食で食べたものもあったけど、どこでも作れるから問題ない。


夜にはお風呂に入った。

久しぶりの風呂だー!

子犬姿のフラットをきれいに洗って風呂に放り込む。俺も長い髪をかしゅかしゅ洗う。そして身体も洗って風呂に飛び込んだ。

『これがお風呂なの? 気持ちいいね。ほら、尻尾が揺れるんだよ』

あはは、可愛いね~

フラットは癒やしで味方だ。頼りになる相棒でもある。

そうだ、風呂から出たら、風魔法で乾かすんだと教えないとね。風邪引いちゃうよ。俺もだけど。



風呂から出て風魔法で髪の毛を乾かす。フラットは全身空気の玉にはいっている。優しい温風で乾かすようにいっておいたから、気持ちよさそうだ。

乾いた後、寝室で横になったよ。

「気持ちいいね、フラット。今日からこの家で住むからよろしくね」

『うん、僕も嬉しい。ずっと一緒だよ、ナギ』

うん、と大きなベッドと大きなマットの上で転がっていたら、いつの間にか眠っていた。




今朝はのんびりしようかな、とベッドの上で転がってた。

『おはようナギ。僕、お腹すいた』

おお、そんな時間か。

時計がないのは辛いな。

「よし。じゃあ、何食べる? パンとベーコンと卵?」

『うん。ミルクある?』

ミルク? とアイテムボックスのリストを確認すれば、一リットルくらいはありそうだ。

あるよ、といえば、やったー! と喜んだ。

当然、ミルクもタブレットのメモに加えた。



朝食をお腹いっぱい食べた後、前の商会へと向かう。

今日気づいたけど、この商会の名前はミルロット商会らしい。

街道を渡って、店の前に立つ。フラットはスルスルと大型犬に変身だ。

「おはようございます」

店内では、笑顔で迎えられる。

「いつもありがとうございます。本日は何を?」

お、ミルロット会頭が出てきてくれる。

「あの、パンと卵とベーコン、ミルクがほしいです。それと柔らかくて臭みのない鳥の肉はありますか?」

ございます、とマジックアイテムまで案内してくれる。

もも肉、胸肉などがある。

鑑定してみれば、大バトという鳥らしい。日本で見た鳩の肉とは違うみたいで、どちらかと言えば、ブロイラーのように白っぽい鳥肉だ。かなりデカイ。

「じゃあ、これを十個ずつ下さい」

かしこまりました、と若い人に指示してくれる。

「鳥は討伐されなのですか?」

「あまり遭遇しません。依頼はでっかい獲物ばかりなので。今度見たら狩っておきます」

ふふふと笑っておいた。

ミルクは入荷したばかりで、一リットル瓶がたくさんある。

「これ、たくさん買っちゃうとダメですよね」

全く問題ないと言う。どうやら商会が乳牛を育てているらしい。だからチーズもたくさんあるんだときいて、納得だ。

じゃあ、と二十本買うことにした。

ベーコンも作っていると聞いたので大量に。そして鳥も飼っているからと言ってくれたので、卵は箱ごと買った。

これならトンカツとかカツ丼もできるかも!

ついでにチーズも大量購入する。

「つかぬ事を聞きますが、固くなったパンをすりおろしたいんですけど、何か道具はありませんか?」

首をかしげる会頭は聞いたことがないという。じゃあ、作るかな、パン粉のために。

アイテムボックスのリストを確認して、バターと野菜を買い足した。うん、それくらいかな。

フラットがいないなと探せば、甘いもの売り場にいた。

ベイクドケーキがいろいろ並んでいる。

これ、食べたくなるよね。

「王都まで依頼で行くんですけど、この焼き菓子はどれくらいならいいですか?」

いくつでもどうぞ、と言ってくれる。それならどれがいいかと問えば、全部ほしいとフラットは豪快だ。

「じゃあ、全部食べてみたいらしいので、酸っぱいもの以外を各五個ずつお願いします」

承知しました。

うん、若い人がすぐに段取りしてますよ。

他にはと聞かれて店内を見回した。

テントの中で敷けるマットはないかと聞いてみれば、こちらに、と案内される。一人分くらいの大きさのマットがたくさんある。一番柔らかくて分厚いのがいいから、と七枚頼んだ。

これは木箱に入れてもいいかと言われたので、問題ないと入れてもらうことにした。一度テントの中で広げれば問題ない。

清算してもらうように頼んで、会頭に促されるままに、買った商品をアイテムボックスへと入れて行く。っていうか、まだお金払ってないから買ってないけど。

全部で金貨二枚と銀貨一枚だ。

「昨日、家に引っ越したんですけど、明日には依頼で出発します。また戻ったら来ますね」

「せっかく引っ越されたのに依頼ですか。盗人が入らないように戸締まりをお忘れなきように」

普通はそう思うよね。

「ありがとうございます。結界を張って出かけますから誰も入れません。だから大丈夫だと思います」

そうですか、と満面の笑みだ。

またのお越しをお待ちしております、と笑顔で送り出してくれた。


明日からの依頼を受けるためにギルドへと歩く。

フラットの隣でのんびりあるいて向かっているんだけど、この街は本当にいい街だと思う。

戦争が終われば荒くれ者がやってくるってアルムおじいちゃんも言ってた。ギルマスも同じ事言ってたから間違いないんだろうけど。本当に嫌だな。

俺の事を心配してくれてたけど、俺に限らず、みんなにとって危険が迫るって事だ。それは冒険者たちが街を守らなきゃならないって事。だからのんびりなんてしていられない。

本当は旅に出たいけど、そんなときに街を離れるなんて考えられない。

今回の旅で領主様との繋がりもできるだろうし、街を守る為ならしっかり働かなくちゃ。


そんなことを考えていれば、ギルドに到着した。

カウンターの前には、明日の依頼に向かう面々がいる。皆依頼を受けに来たんだろうね。

「ナギさん!」

ん? 食堂で呼ばれたんだけど。

なんだろうとさっそく向かえば、料理長が手招きする。もしかしてお弁当のこと?

「明日、王都へ向かうんでしょ。今できている分だけでもお弁当を渡そうと思って」

「本当ですか! ありがとうございます」

カウンターにたくさん積み上げられるお弁当は、大きな葉っぱみたいなもので作られた箱に入ってる。森に入る時なんかは、食事の後、土に埋めれば自然に戻るかららしいよ。これも魔道具で大量生産して売ってるらしい。何気にすごいよね、この世界って。

お弁当の上には、何が入って入るか書かれているので、好きなものを選んで食べられる。やっぱり正解でしょ。

たくさんのお弁当をゲットして支払いを済ませる。

明日の朝、出発前にも用意してくれるらしい。本当にありがたいね。


カウンターで話してる皆と合流した。

「ナギ、お前も依頼受けろ。書けるか?」

マックスさんが気を使ってくれるんだけど、お姉さんは心得たもので、プレートに挟んだ依頼書を渡してくれる。そうじゃなきゃ、依頼受けられないよ。

王都への護衛で四日間。とりあえず、片道の依頼らしい。金貨五枚だけど、破格だね。それと国王への報告依頼。こっちは金貨一枚と銀貨五枚だ。王都中央ギルドで精算すると書いてある。

そういうことなんだね。向かった先で依頼は精算するんだ。

ひとつ利口になった。これからは他所に行くこともあるだろうし、覚えておこう。


「ナギはこれからどうするんだ?」

「えっと買取カウンターに行く。昨日オークを出したから」

「じゃあ、後で食堂にこいよ。明日からの護衛の話しだ」

了解、とフラットと一緒に買取カウンターに向かった。


「来たか。五頭分の明細だ。肉は後でいいんだな?」

「うん。まだたくさんあるから。王都から戻ったら出します。じゃあ、ありがと」

気をつけて行けよ! とありがたい声が聞こえた。



食堂に向かって、いつものベンチにフラットと一緒に座る。

どうやら護衛の配置を話しているらしい。

おいてある紙には騎士団の配置図と書いてある。それを見る限り、騎士団は前と後だけしか対応しないみたい。

どういうことだよ、これ。

冒険者たちは、馬車の両側を担当するらしい。馬車も二台あるんだって。領主様の馬車と侍従や文官が乗る馬車。

この人数で? ときいちゃったよ。

「ピットが所属してるAランクパーティが加わるから多少楽だ。明日の朝には来るから紹介する。今日戻ったばかりだから休ませてるんだ。それでな……」


馬車の前後は騎士団に任せる。

そして領主様の馬車側面は、前にマックスさんとピットさん、後ろに蒼い翼の前衛ゴールドさんと斥候のマリオンさんとなる。まあ、当然だよね。

そして文官たちの乗る馬車は残りの蒼翼の面々と草原の風に任せる。

えっと、ショルダーさんと俺たちは?

「ショルダーとナギ、フラットコンビは、馬車と馬車の間に陣取れ。騎士たちじゃ無理だ。お前たちならどっちの馬車が襲われても別れて対応出来るからな。

了解、とショルダーさんが俺を見ながら言う。

まあ、俺とフラットなら問題ないだろうね。


騎士たちの風当たりは強いだろうけど、無視しろと言われる。特に俺。からかわれたり敵意を向ける者もいるかもしれないから特にな、と言われた。うん、経験あるから気をつけよう。

野営は、冒険者は領主様らの護衛はしなくていいそうだ。騎士団が固めるらしい。じゃあ、いつもと同じようにテントを丸くはって、中央に火をおこすことにした。

見張りは交代制。

もし、俺が眠くてたまらないときは、フラットに出てもらえばいいらしい。二時間から三時間ごとの交代で、二人で対応する。

まあ、睡眠時間によるってことか。

基本的に、朝の八時に出発、休憩も挟みながら昼飯を食べて、出発し、休憩を挟んで夕方五時くらいまでには野営場所を決める。その繰り返しだと聞いた。

馬に水を飲ませたり休ませないとバテるからそうするんだと聞いて感心する。やっぱり馬がいないと移動できないってことでしょ。ただ、後方の騎士団の間にいろんなものを運ぶだけの馬車がいるらしい。気にしていなければ、魔物が出た時に危険だと聞いた。どうしても逃げ切れないときには囮としておいて行くと聞いて腹が立つ。

自分たちの為に働く馬を囮だと?

信じられない。なぜ、そんなことができるんだろう。

「まあ、それは辛いからな。もし、魔物が出た時には、こっちで対処しよう。おそらく馬車はそのままで騎士たちは離れると思うから、フラット。悪いが、結界を頼めるか?」

くわぁん! と尻尾を振るフラットは、絶対守る! と意気込んでいる。

そう伝えれば、頼りになるなと皆がフラットをなで回した。




早朝、目を覚ました俺は、テントを庭に取り出して中の空間を拡張することにした。

どれくらいにするかな。フラットがゆったりと寝られて俺も寝る。贅沢を言えば、少し余分なスペースが欲しいな。


<空間拡張魔法>


ぶわ~っと光ったテントの中だけど、すぐに収まった。

そっと中を覗けば、かなり広がった気がする。

これなら十分だね。

フラットがくるりと回っても大丈夫なほどの広さがある。ベッドに使ってるマット、持ってくかな。それに布団も? でもあまりなことをすれば反感を買いそうだね。とりあえず、柔らかいマットはこれくらい敷けるほど買ってるからいいかな。毛布だけ持って行くか。余分にあれば掛けても敷いてもいいし。

じゃあ、とテントを片付けて寝室に戻れば、フラットが起きてる。

「おはよう。テントの中、広くしたよ。毛布だけ追加で持って行こう」

『おはよ。広くなったの? うれしいな。毛布は必要。マットの上に敷けばふわふわだよね~』

あはは、フラットは楽しいのかな。

じゃあ、朝ご飯食べる?

たくさん食べるーと返事がきた。



ギルドに到着すれば、まだ三人しか来てないよ。

「おはようございます」

おお、来たか! おはよう! と笑顔で迎えてくれる。

「お前、荷物それだけか? あー、アイテムボックスか。もう入らないか? 馬に荷物をつければ馬も疲れるんだ。まだ入りそうなら皆の荷物頼めるか?」

「うん、大丈夫。それなら、この箱に入れて」

箱? と中を見てるけど、拡張してるから大丈夫だよ。

じゃあ、とピットさんは荷物をいれた。

おお? ドスンと底まで落ちたみたいだね。

「これ、空間拡張してるのか?」

うん。

すげぇな、お前。

ピットさんが感心してるよ。

じゃあ、俺も、とマックスさんも入れました。

「でも、よく使うものは持ってて下さいね~」

もちろん、と腰につけたバッグを叩いた二人。

じゃあ、とゴールドさんも入れた。

ショルダーさんがやって来て、同じことを繰り返す。次々と集まる全員の荷物が入っちゃった。

蓋を置いて、きゅっとつまみを回せば開きませんよ。

右手で触れば、アイテムボックスに吸い込まれるように入った。

「やっぱりすごいな。商人が欲しがるって言うのもわかるよ」

そうなの? と口に出してしまう。

商人たちは、馬車を連ねて旅をして仕入れする。アイテムボックスがあれば、馬車じゃなく馬で移動できる。当然護衛の人数も減らせると言うことらしい。

なるほどね、と感心する。さすが商人と言うところでしょう。


もうすぐ時間だな、と外を見ていたマックスさんが、馬を用意しろと皆を行かせた。

皆が話している間に食堂でお弁当をゲットして、外のパン屋さんでいつものパンをたくさん買った。普通のパンも買っておく。シチューに浸せば美味しいんだとフラットからのリクエストがあったからね。

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