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橙桃です。微青桃、橙紫表現があります。
本人様とは関係ありません。
話の中で紫くんと青くんが悪役のようになってしまっていますが、主はお二方とも大好きなので安心してご覧ください。
何でも許せる人向けです。
地雷だよって方、通報される方は見ないようにしてください。
第1話と第2話もありますので、まだ見ていない方はそちらを先に見てからこの投稿を読んでいただけると幸いです。
桃side
朝、教室に入り自分の机に向かうと置いてあった1枚の紙。
【今日の放課後、屋上に来てください。】
誰からだろうか。もしかして…嫌、変な妄想は辞めておこう。無視するのも悪い気がしたから一応行ってみることにした。
放課後
屋上への階段を上り、ドアノブを回す。
そこに居たのは
「あ、来たんだ。」
桃「……………………生徒会長…」
紫「あははっ橙くんだと思った?残念っ!俺でした〜!」
桃「……何のようですか。」
紫「やだな〜分かってるんでしょ?」
桃「…。」
紫「単刀直入に言うね。
橙くんに近づかないで。」
紫side
あいつを呼び出した。苺坂学園1の問題児、桜野桃。
桃「…………嫌です。」
あぁ…その目。橙くんが綺麗だと言っていたその目。水晶のようなその瞳に映る俺は、きっとよくある少女漫画の悪役なのだろう。
紫「言わなくても分かると思うんだけど俺、好きなんだ…橙くんのこと。君よりずっと前から。」
彼と出会ったのは高校1年生の春。まだ入学したばかりの頃。本が好きで、いつものように図書館に行くと、ただ静かに勉強をしている人がいた。真剣な眼差しで問題を解いていて、その姿がかっこよくて、眩しくて。
学校でその話をすると、すぐに彼の正体が分かった。東條橙。S組の学級委員長。入学テストでも1位だったという、俺が憧れるのには十分な存在だった。俺は彼に少しでも近づきたくて、そこそこだった成績を必死に上げた。元々B組だったが、一気にS組まで這い上がった。でもまだ足りなくて、2年生のときに生徒会長に立候補してやっと彼と話すことができた。
橙「七星紫くん…やったよな?凄いな生徒会長。」
紫「え?!ううん、大したことないよ〜!」
橙「凄い事やん!」
彼と打ち解けるには時間は掛からなかった。彼への気持ちは憧れからいつしか好意に変わった。彼の隣は俺だけで十分。そう思っていたのに…。
橙「紫ーくん、桜野桃って知ってる?」
紫「桜野くん?あれでしょ問題児で有名の。」
橙「そう…あいつの目、凄い綺麗なんよ。」
紫「ふーん…」
ある日、突然彼の口から出た名前は彼とは正反対のやつで。その時点で気づいていたんだ。彼が桜野くんを好きなこと。でも、認めたくなかったから。君の目には僕だけ映っていてほしいから。
許さない。絶対に。
桃「…俺も好きです。橙のこと。」
紫「ッ…!!気安く橙くんの名前を呼ばないでよ!!」
桃 ビクッ…
紫「ハァハァ…何で…何で…俺の方が橙くんの隣にいたのにっ!!橙くんの隣に立ちたくて…沢山努力して来たのに…何で…?何で君が橙くんの隣にいられるの?!彼は優等生!S組の学級委員長!そして君は問題児!!君なんか…君なんか…彼の隣に相応しくないっ!!」
最低なことは分かっている。負けることも分かっている。でも、俺が沢山努力して来たのは事実。なのに何で努力していないこいつは橙くんの隣に立っていられるの…?
桃side
彼の言う事は正しい。相手は優等生で俺は問題児。天と地の差だ。生徒会長が1番彼の隣にいることも知っている。
でもな、会長。
桃「確かに相応しくないかもしれない。でも、誰を好きになっても俺の『自由』だろ?誰が問題児は優等生のことを好きになったら駄目なんて決めた?」
橙が教えてくれたから。人と仲良くなりたいと思うのも『自由』だって。もちろん人を好きになることも。誰に何と言われようとも、俺は橙が好きだ。例えそれが一目惚れだったとしても。
紫「ッ…うるさい!橙くんはね!優しいの。きっと君にも優しく振る舞ってるだけ……!」
桃「俺はその優しさが嬉しいよ。こんな俺でも仲良くなろうとしてくれた。」
紫「…うるさいっ…うるさい…ポロポロッ…君…桜野家の長男なんでしょ…君には何でもあったじゃん。お金も。才能も…。」
桃「……知ってたんだ。」
紫「俺の父さんの知り合いらしい。長男が消えたことも知ってる…。」
「いいじゃん…、君には何でもあるじゃん…橙くんぐらい、俺にちょうだいよ……」
桃「…金はあるよ。でもね、俺には才能なんて何一つない。」
紫「うそ…嘘だ。」
桃「会長…。会長は凄いよ。誰かの為に努力することなんて俺には出来ない。俺は才能も無ければ努力もしない。俺、何も知らないけど、会長がここまで頑張ってきたってことはわかるよ。」
紫「グスッ…俺が褒めてもらいたかったのは君じゃないっ…」
桃「うん。…でも会長。俺、諦めないよ。橙は渡さない。だけど会長も諦めなくていい。正々堂々戦おうよ。どっちが選ばれても、選ばれなかったとしても。」
紫「………うん…」
桃「…じゃあな。」
そう、俺は戦うよ。諦めるわけない。
紫「…待って!!!」
桃「ん?…」
紫「俺、諦めない!!絶対君に勝ってみせるから!手加減しないよ!…………じゃあね、”桃くん”」
桃「!!!上等だっ!!俺だって勝ってみせる!!………また明日な、“紫ーくん”」
紫「…紫ーくんは橙くんだけ呼んでくれた特別なあだ名だったのにな……でも、いっか。少し気が楽になったかも。」
橙side
空がオレンジ色に染まり始めた頃。今日、紫ーくんは居残りをするらしい。理由は教えてくれへんかったけど。まぁ時には1人で帰るのも悪くないだろう。
「ねぇ。」
校門を出ると俺の前に立った青髪の男。
青「ちょっと話あるんだけど。」
青side
橙「何の用?」
青「しらばっくれないでよ。………桃くんに何したの。」
僕は公園のトイレの裏にあいつを連れてきた。
ここ数週間。桃くんの様子がどうもおかしい。おかしくなったのはあの日。僕の家でゲームをしていたとき、突然桃くんが口にした名前。東條橙…彼とは正反対で優等生。あの時の桃くんの目、いつものかっこいい桃くんは何処かへ行ってしまったようだった。
橙「何って?何もしてへんけど。」
青「嘘。じゃあ何で最近仲いいの?」
橙「別に仲良くしようが俺の勝手やろ。」
青「はぁ?だって君、ガリ勉の優等生でしょ?何で君なんかが桃くんに関わるのさ。」
橙「さっきから話通じないん?仲良くなりたいだけなんやけど。」
青「……はぁ…。桃くんのこと好きなんでしょ?」
橙「……そうやけど。」
青「僕も好きなんだよね。」
橙「知ってた。」
青「はぁ?!?!何で知ってんのさ!!」
橙「見てれば分かる。」
青「ぐぬぬ………でも、絶対に渡さない。桃くんは僕のものだもん。」
橙「桃はものやない。」
青「うるさいっ!!!」
橙「何?話ってそれ?ならもう帰ってええ?」
青「へー逃げるんだ。」
橙「逃げるんやない。勉強したいんよ。誰かさんは違って。」
青「ほんっっとお前イラつくんだけど!!」
ダンッと足で壁を蹴る。簡単に言うと壁ドン状態。
橙「お前は何がしたいん?俺に諦めろって言いたいわけ?」
青「当たり前でしょ?!」
橙「諦めるわけ無いやろ。俺、お前が思ってる以上に負けず嫌いなんやで?」
青「ッ…!!!君に桃くんは渡さないから」
橙「俺こそ渡さへん。」
青「お前っ!!お前なんかに桃くんの何がわかるっていうの?!こっちはね入学前から友達なの!今頃仲良くなったって遅いんだから!!!」
そう、僕と桃くんは入学前から友達。こいつなんかよりずっと深い仲なんだ。なのに…なのにどうして?どうして桃くんの目にはこいつが映っているの?もっと僕を見てよ。
「なぁ。ここらへんで金さえあれば入れる高校ってある?」
青「は………?」
ゲームセンターで遊んでいると突然声を掛けてきた男。何いってんだこいつは。金だけで入れる学校なんて無いでしょ。
青「知りませんよ。自分で探したらどうですか?」
?「それが面倒いんだよな〜…あ、そうだお前何年生?」
青「中3ですけど。」
?「うぉ〜ラッキー。なぁお前どこの高校行くんだよ。」
青「はあ?教えるわけ無いでしょ。」
?「別にいいだろーが。……んじゃあ、このゲームで俺が勝ったら高校教えろよ。」
青「教えて何になんの?」
?「俺もそこに行く。」
青「はぁ?!やだよ。」
?「何だよw怖のかー?」
青「っ、分かったよ。やればいいんでしょ。」
?「ははっそうこなくっちゃ」
見事に僕が負けて、高校を教えた。苺坂学園。まぁまぁ有名な高校だ。
?「なぁお前名前なんていうの?」
青「…柳青。」
桃「青か!俺は桜野桃。よろしくな」
変な出会いだったけど、今になっては大事な出来事。その後、ゲームをしていくうちに仲良くなった僕は彼の親友として今まで一緒に過ごしてきた。彼は高校に入学した途端問題児になった。流石に僕は彼みたいに頭は良くないから最低限、勉強をしつつ、彼についていった。彼が校則を破る理由も知っている。『自由になりたいから』これを知るのは僕だけで良かった。彼の隣は僕の特等席だったのに…
青「お前に何がわかんの?!桃くんの何がわかんのさ!」
橙「…じゃあ、お前は何がわかるん?」
青「っ!!!」
図星だった。突然現れた桃くん。家を出てきたのは知っているけど、どうして親は桃くんを探さないのだろうとずっと思ってきた。だけど、それを聞くのは怖くて、僕と桃くんの仲を壊したくなくて、聞かなかったのに…
じゃあこいつは知ってるってこと?桃くんの親のことも?
橙「…俺はまだある程度知ったばかり。最近話し始めたばかりやもん。お前より知らないこと沢山ある。」
青「そうだよっ…僕、いろいろ知ってんだから」
橙「でも、俺はそれ以上に桃のことを知っていこうと思うよ。何年かかってもええ、少しずつ仲良くなれるならそれでええから。」
青「……勝手にすれば。勝つのは僕だから。」
橙「お?戦うか?ええよ。ただし、恨みっこ無しやからな?」
青「ふんっ!勝てるもんなら勝ってみろよ!べーっだっ!!」
橙「何やねん、あいつw」
ねぇ桃くん。
勝敗は見えちゃってるけど少しの間だけ夢を見させて、戦わせてね
はいっ!!多分次回で最終回かと思います…。話がグダグダで申し訳ないです…。衝動書きみたいになってしまったので本当に分かりづらいと思うのですが、もう少しだけお付き合いください…。
次回は木曜日に投稿しますっ!明日は用事があるんで書く時間が取れないんですすみません…(´;ω;`)