テラーノベル
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陽葵くんに関しては俺が|ここ《トー横》でODした時に介抱してくれたことがきっかけで仲良くなった。
「あ、てかソラ最近どう?」
「どうもなにも、大学じゃSNSと違ってクソ陰キャカマしてるし、家は地獄だし最悪だよ」
「なるほどな。早く一人ぐらしすりゃーいいじゃん。あ…つっても大学卒業するまで一人暮らし禁止って言われてんだっけ?」
「そうそう、意味わからんしマジでだるい。この前なんか俺のこの格好見られて、頭おかしいだってさ」
「それって先々週?お前ツイート荒れてたもんな」
「ま、そういうわけ。」
「にしても今日は機嫌良さそうじゃん。太いパパ見つけたとか?」
「まあ…パパ活やめよっかなぁって思ってて?」
「は?お前が?!どういう風の吹き回しだよ」
「いや、なんていうか……デリヘルみたいなセフレみたいな?人が最近できて…おじに媚び売るより欲求満たされるし、しばらくパパ活やめよっかなぁって感じ」
「えっ、ずりぃ~!そんな女の子いんの?」
「ま、まあ、そんなとこ…」
さすがに男とは言えない…
「それ紹介してくれよ」
「は?いや無理」
「はー?ケチ!」
即答したが、快斗の言葉によってふと疑問を持つ。
玲於ってもしかして俺だけじゃなくて他にも俺みたいなのにああいいうことしてるのかも…?
内容だけで言えば完全にデリヘルだし、本番をしないのはそういうこと……?
いやでもそれだったらデリヘルやってるから、とか説明するか?
色んな可能性が頭上で飛び交う
「てかその子と今から会うからそんな浮かれた顔してんだな?そんないいのか?その子」
「いやまあ……顔はいいしスタイルはいいし…可愛いって言ってくれて…年上だし…攻めるの、上手いけど」
「んだそれ最高じゃん!髪型は?!」
「しょ、ショート…?」
「髪型ショートで攻めんの上手い子とか最高じゃん…ドンピシャすぎる」
玲於は7歳年上でイケメンだし
足も長いし、いつも俺に可愛いと言ってくれるし
ショートウルフで、攻めるの上手いし…
まあ、間違ったことは言ってないか。
そうこう話しているうちにスマホの時刻を見ると約束の時間10分前になっていた。
「んじゃもう時間なるし俺行くよ。」
「おう、また話聞かせろよ」
そうして快斗と別れ約束の場所へと向かった。
その道中、なぜかため息が出た。
(……俺も誰かと付き合えば、愛してもらえる人間だったら、こんな変なこと友達の玲於に頼まなくても済むのかな)
いっそのこと、本当にデリヘルとかホテヘルを頼むのもありかと考えるが
俺も一応元々恋愛対象が同性だから
多分勃たないし
金払って興奮できなかったら相手にも申し訳ないし大損だ。
その点、玲於は無償で気持ちよくしてくれるし
顔やテクも悪くない。
けれど玲於にとって俺はあくまで体の関係だけであり
そんなわけのわからない関係で
玲於に一体全体なんの得があるのやら。
悶々としながらも、待ち合わせのラブホ前に着くと、すでに玲於が立っていた。
しかも、女子二人と楽しそうに話しながら両手に花状態で。
モテ具合に少々腹が立ちながらも平成を装って玲於の名前を呼んで駆け寄る。
すると玲於は俺の呼びかけに気づいたのか
こちらに振り返ると「あっ、きたきた」と言って
玲於の右に立つ
前髪姫カットの黒髪ツインテールの女の子は
玲於の服の袖をつかみながら
「えーレオもういっちゃうの?」
なんて口を尖らせて離れようとしない。
一方左側のショートの金髪の女の子は
「この子が今日の子?男の娘じゃんかわよ~~」
なんて言って色眼鏡で俺を見てくる。
(今日の子…ってことは、やっぱり他にもそういう子が…?)
「悪いソラくん、待たせちゃった?」
「…あっ、いや、時間通り」
「そっか、それじゃ行こうか」
俺の返事を聞くと玲於は俺の手首を掴むとホテルへと早歩きで進み始めた。
「ちょ、なんでそんな急ぐわけ?てか女の子に挨拶くらいしてけよ」
「そういう気分になったから?今からソラと楽しむんだから邪魔者はさっさと追い払いたいの」
「……ほんと意味わかんない」
(まあ、あんなに可愛い女の子より、俺を優先してくれるのはいい気分だけど…)
そうして部屋に着くとすぐにベッドに押し倒され
そのままキスされた。
舌が絡みついてきて、痺れる感覚が走る。
「んっ……ふぅ……んんっ……」
深いキスに息が苦しくなって顔を背けようとするけれど玲於はそれを許してくれない。
むしろもっと深くまで入ってくる。
「ぷはっ……!ちょっ待って……」
玲於の胸を押すと少し身体が離れる。
「ねえ、玲於ってさ……他にもこういうことしてる子いるの?」
俺がそう尋ねると玲於はキョトンとした表情を浮かべる。
「え?いないけど」
「じゃ、じゃあさっきの子たちは…」
「ああ……あの子はお客さん。いつもやってる美容室の常連さんで、俺がトー横行くの知ってたからそこで声かけられたってわけ。まあ、今夜は予定あるからって言ったら食事だけでもって言われてさ」
「そっか……」
「…もしかして、妬いた?」
「ちっ違うし!!」
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