コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
?「せんぱーい!」
大きな声とともにドアを勢いよく開ける青年。白の壁に、白の天井。顔は動かせず、金髪の青年がこちらを覗いてきた。
?「すみません、遅くなりました!!」
彼が元気良さそうに声を上げる。また、顔が見えない。
?「よいしょ、と。で、神代先輩聞いてくださいよ〜!」
椅子を引きずり、彼は楽しそうに話をしている。話の内容は楽しそうだ。
「あらぁ?来てたの?」
?「む!先輩のお母さんでしたか!」
「わざわざ、いつもありがとね、」
?「いえいえ!」
母さん?てんまつかさ、だっけ?結構仲良いんだね、。
「そうだ、司くん。ケーキ買ってきたの。よかったらどう?」
?「いいんですか!?食べたいです!」
「うふふ、準備してくるわね!」
きゃっきゃっと、どこか楽しそうだった。
?「……、」
病室が静まりかえる。さっきの雰囲気とはまた一変した。彼は母さんが出ていったことを確認し、こちらを見た。…向けられた視線に違和感を覚える。
?「いつ、おきるんですか、」
彼は左手を自分の指と絡めて祈るかのように言葉を吐いていく。
?「どうか、どうか、目を覚ましてください」
その声はどこか震え、さっきの元気よさとは真反対だった。
?「はやく目を覚ましてください…ッッ。馬鹿ッッ、」
🎈「(え、?)」
「司くん〜!準備できたよ!」
?「…っ、はい!!」
彼は顔をふき、勢いよく振り向いた。
視界が急に真っ暗になり、窓からの光が消える。けたたましい、雷の音が響き外は大荒れだ。天井の電気は点滅し、いつ消えるか分からない。
「えぇ!?こんな雨の中大丈夫!?」
?「はい!大丈夫です!」
見知らぬ声と彼の声がする。まさか、こんな大荒れの中、来たというのか。ガラガラとドアが開いた。
?「神代せんぱ〜〜い!今日、雨すごいですね!!」
顔をのぞきこんでくる。
?「えへへ、バスから走ってきたから濡れちゃって、。」
髪からはポタポタと水が落ちており、制服はびしょびしょだった。
?「風邪引いてしまうだろうか。流石にそれは防がなくては!!」
また椅子を持ってきて、隣に座る。
?「風邪を引いてしまっては先輩と会えなくなりますもんねっ!!」
どうして、こんなことまでして、。
?「それで、」
彼が今日あったことを話していく。寒そうで体が震えているようにも見えた。
?「うぅ、寒いな。」
身震いをするほど寒そうなのに、話を一切止めない。
そして、帰り際には決まって
?「どうか、どうか、目を覚ましてください」
そう祈って病室を出ていくのだ。
視界がまた暗くなり、病室は明るくなる。
「ちょ、司くん、大丈夫なの!?」
?「だいじょうぶ、れす!」
「えぇ、明らかに顔が真っ赤だけど…」
?「す、すこしあたまがいたいらけです!」
ドアが開き、顔を覗かせてくる。自分でもわかるほど顔が真っ赤だった。
?「せんぱぁい、」
ふらふらしており倒れそうだった。熱、あるのかな。
?「きょうはすごく、あたまがいたかったんです。それで、それで、」
🎈「(ちょっッッ!)」
?「あ、れ?しかいがきゅうに、」
彼がベットに向かって倒れてしまった。項垂れており、息が荒い。
?「ふーッッ、ふーッッ、」
🎈「(ど、どうしようッッ)」
どうにかして、誰か呼ばなきゃ。そう思っても手が動かない。
🎈「(どうしてッッ!)」
目の前に人が倒れているのに助けることさえできない。息がだんだん荒くなっていく。このままじゃッッ
「司くんッッッッ!!!!」
女の人の声が響いた。あぁ、よかった。見つけてくれたんだ。
「すごい、熱ッッ。はやくお母さんに連絡をッッ。」
運ばれ、離れていく。苦しい、。
そして、また視界は暗くなり、外が真っ暗になる。こんな時間に??
「こんな遅くに大丈夫なのっ??」
?「連絡は、はぁぁ、してます、」
遅く、夜ってことか。
?「神代先輩!」
また勢いよく入ってくるが、彼の顔は悲しそうに見えた。椅子を持ってきて座る。
?「このまま、眠ったままなのか、」
病室内に声が響く。返ってくることを待っているかのようだった。
?「っ、先輩、聞いてくださいよ!」
さっきの雰囲気を変えるかのように明るく振舞っている。前まではあんなに楽しそうなのに、今は全くだ。
?「_____だったんですよ〜。ほんとに面白いですねっ!!」
分からない。顔が見えないから分からないが、きっと笑っていない。あの笑顔はない。
?「ッッ、それで…、それで、」
無理に強がって必死に我慢しているようだ。
?「いつになったら、起きるんですか」
🎈「(ッッ、、)」
震える小さな声。その声はいつも話してくれる口調とは全く違っていた。
?「どうして、どうして、大切な人だけ奪われていくんですか、。」
シーツにポタポタと何かが落ちる。
🎈「(へ、泣いて、)」
?「理不尽、ですよっ、。こんな、世の中っ、。」
あぁ、なぜ泣くんだ。分からない。どうして、どうして、僕なんかに涙を流してくれるんだい。ねぇ、分からな、
🌟「類、目を覚まして、オレに微笑んでくれ。…寂しいよ、。」
🎈「(ッッッッッッ、!!)」
あ、あ、。霞んでいた顔の部分がぱっと明るくなる。
🌟「くるしい、、。ずっと、ずっと、。」
彼はひどく泣いて、顔がぐちゃぐちゃだった。頼む、泣かないでくれ、。君みたいに笑顔が似合う人は泣いたところなんて、似合わなからッッ、。
🌟「たす、けて」
僕が隣にいて支えてあげれれば。笑顔で大丈夫だと言えたら。どんなによかっただろうか。こんな辛い思いもせずに生きれるのだろうか。
宝石がパリンと割れる。目元からは自然と涙が流れていた。
🎈「……」
?「ねぇ、これを見ても死にたいって言える?こんなにも貴方を思ってくれてる人がいるのに、1人置いてくの、??」
🎈「それ、は」
?「思い出せた、??」
🎈「っ、」
?「ツカサくん、今どんな顔してた?」
ずっとずっと、死んでしまいたかった。苦しくて逃げ出したかった。いじめからもこの腐った世界からも。でも、そんな時に、
“待っていろ、必ず助け出してみせる”
彼は…いや” 司 “くんは言ってくれたんだ。
🎈「…笑ってなかった」
?「そう、。もう一度聞くよ。ルイくんはどうしたい??」
辛い思いをさせたくない。天馬くんが僕を必要としてくれるなら、。
🎈「生きて、彼に会いたいっ、」
?「〜っ!よかった!」
割れた破片が輝き出す。
🎈「え、!?」
?「まだ、力がなくってツカサくんの夢にしか現れることが出来ないけどっ、」
🎈「ど、どうなって、」
?「少しだけ力を貸すね。」
道の中心に突如扉が現れる。
?「、よーし。できた。」
🎈「これは…」
?「この扉の先はツカサくんの夢の中。実際に起きれてはないんだけど、彼とお話できるよ。」
🎈「ほ、ほんとに、」
?「うん!ルイくんには幸せになってほしいから!」
🎈「〜っ。ありがとう。」
“「せんぱい、」”
?「ほら、ツカサくんが呼んでるよ。」
小さな少女が背中を押してくる。この扉の先には天馬くんがいる。
🎈「……ありがとう、ミク。」
🎤「え?」
僕は思いっきり扉を開けた。