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こはる
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#世界観
QuartoMew
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「─きて、──るの」
微かに少女の声がする。
身体が左右に揺れる感覚。
起こされているのだとわかった頃には遅かった。
「起きるのだっ!! 」
ごつっと鈍い音が響き渡り、目を覚ます。
「…痛っ!?」
おでこに頭突きされ身を丸めるような痛さに襲われる。それは頭突きをした少女も同じく、頭をおさえて涙目になっていた。
「ふ…ふふふ…やっと起きたのか…」
寝起きのようなだるさと頭痛に襲われながら、意識がだんだんとはっきりしていく。
「やっと見つけたのだ、そうそう逃がすつもりはないわ」
若さに似合わぬ長い白髪と白い肌。
幽霊のような幼女の見た目と仙人のようなしゃべり方はギャップがある。
なんとなくこの子は人間ではないだろうなという存在感を感じる。
「…どちら様?」
少女はすくっと立ち上がり、白いワンピースをなびかせながら笑う。
「よくぞ聞いた! 私はとある神様の神使なのだ! 問題を解決しにきたのだが…中々難しくてな、お前のようなやつを探していた!」
台詞を用意していたかのような早口で話し出す。言葉が右から左に出るようで頭に入らない。
「あー……神使様? 一旦整理していいですか? 」
彼女の説明をもう一度聞くと、神様に問題の解決を頼まれ 人の姿で街に降りて来たが ひとりで解決するのは難しいと判断。
八方塞がりだった頃、紐を引っ張って倒れた俺が適任だと思い 声をかけた。
(…いや、わからん)
「まず、その問題って? 」
「ん? …お主が引っ張った紐のことよ。あちこちに突然生えて来て、人の運命が狂っておる、いい迷惑なのだ」
先程から答えが若干ずれている気がするが、頭が働いていないので気にすることがない
「…どうして俺が適任なんだ?」
「それは、お主がいわゆるぼっちだからじゃ」
「……」
唐突の悪口。
そのまま否定したかった。
しかし、思い返してみるが…家族もいない 友達という関係の者も作らず ひとりで過ごす事がほとんどだった。
「いや、それと問題解決に何か関係でもあるのか?」
否定が出来ない為 ごまかすように質問する。
少女は何かを考えてから、どこから出したのかわからない、紐で括っただけのメモ帳を取り出した。
そして、ぽつりぽつりと話し出す。
「…説明が少し長くなるが、幸運と呼ばれてる紐は縁結びの紐なのじゃ──」
説明を要約すると…突然生えてきた紐は縁結びの紐であり、それを人が引っ張り切ることによってその人の出会うはずだった縁や 出会った縁が切れてしまうとの事。
幸せの紐と呼ばれてるのは誰かが意図的に広めていることであり 神様達によっては 悪質ないたずら らしい。
「それで…ぼっちがその紐を回収すればいいと考えたのか? 」
「うむ!」
「うわー(棒)」
清々しほど屈託のない笑顔で肯定され複雑な気持ちになる。
「俺じゃなくても…他にもぼっちとか、神使様とかいたでしょ」
「お主はぼっちの中でも特別なぼっちだからな! 他の神使は…別の任務で忙しいのだ…あまり頼ることはしたくない」
(何だ特別なぼっちって…)
そうして話していると、車の走ってくる音が聞こえてくる。
真夜中の公園の真ん中で怪しい青年と幼女が一人。
見回り中の警察が見逃すはずもなく…。
「君達なにしてるの?」
(げっ、警察)
「何とはなん─むごっ?!」
少女は振り返り 警察に睨み付け喧嘩を売ろうとしていたので咄嗟におさえて言い訳を考える。
「すみません…姪っ子がどうしても公園に行きたいと言うので」
警察のお兄さんが疑心の目で見つめてくる。きっと誘拐犯と哀れな少女に見えているに違いない。
「…な、なぁー警察のお兄さんも心配してるしもういいだろう? 帰ろう?」
少女の顔が、なんだこいつみたいな顔からピーンと何かに気付いたように変わり
急にもじもじしだす。
「おじさん! かえったらねんねのうたうたってくれる?」
「え? あぁ、いいよ?」
先程の仙人口からは想像できないような子供の演技に驚きつつ、少女を自然に抱き抱える。
「では、帰ります」
警察のお兄さんに会釈をして、早々に公園を後にする。
────────
「はぁー…疲れた…」
「こら! くたばるでない! これからなんじゃぞ」
築30年くらいの5階建てマンションの一室。
時刻は既に0時を越え、何もしていないことに絶望する時間だ。
身体が疲れすぎて何もする気が起きず、
布団がついてない こたつテーブルに上半身を預ける。
「取り敢えず…おふろと………ごはん…」
安心する場所で休めるのは幸せなことだと感じながら気絶寸前になる。
睡魔には誰にも抗うことはできない。
そのまま目を閉じて、少女のことを忘れ
深い眠りについた。
コメント
1件
うわ、この神使の幼女めっちゃ可愛いんですけど…!「特別なぼっち」ってw 主人公のツッコミが軽快で笑っちゃいました。警察の前で急に子供っぽい演技するギャップも良き。まだ2話目だけど、この紐の謎と2人の関係性がどう転んでいくのか気になりすぎます。続き読ませてください🌙