テラーノベル
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ー時計を見た。11時40分。
ぺ「まだ時間ある…」
暇だから散歩でも出てみようかな。
そうぼやきながら玄関の扉を開けた。
少し歩いたところで足を止めた。
俺の目線の先にはしにがみとの秘密の道。
しにがみの事を考えると心臓が痛い。
でも俺は懐かしい空気に誘われて
路地へと入っていった。
?(んふふ、おやつもっといる?)
路地から聞こえた高い声。
ぺ「しにがみ…!」
し(あ、ぺいんと君!こんばんはー
夜遅くにどしたん?)
ぺ「しにがみ来るまで暇だったから散歩…」
し(あ、もう時間たってた?)
ぺ「まだ、だけどなんでここに?」
し(…思い出の場所だから!)
あぁ、やっぱりこの声が落ち着く。
まわりの雑音をかき消してくれる。
少し透けたしにがみの顔は優しかった。
…でも俺には似合わない。
し(死んじゃダメだよ)
ぺ「…なんで分かったの?」
し(そりゃ分かるよ〜)
ぺ「でも、それしかないんだよ」
そう。方法はこれだけなんだ。
しにがみに会うために、償うため。
し(僕は死んで欲しくないな)
ぺ「…でも、もう決めたからさ。
このまま生きるなら俺はしにがみといたい」
この言葉に偽りは無い。本心だ。
これから先、しにがみのいない未来は
なんの価値もないごみだ。
し(…!あり、がとう)
2人[…]
し(でもなんかフクザツ!
死んで欲しくないけど一緒にいたい!)
し(じゃあ僕も一緒に死ぬ)
ぺ「やだ!しにがみはダメ!」
し(…)
ぺ「もう一度死なせたくない…!」
しにがみは優しげな顔で僕の涙を拭った
し(僕は2回も死なないよ。それに、
最後まで一緒に過ごしたいんだ)
ぺ「…っ!あっ、りがとう…!」
ぺ「…」
し(怖い?こんな高さだしね)
ぺ「ううん、しにがみがいるから」
し(…最後に空気吸っとこ!)
ぺ「そうだねw」
し(…行こうか)
そう言って手を差し出したしにがみ。
手は冷たくて白かった。でも、落ち着く。
そうして俺たちは満天の夜空に身を投げた。
コメント
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大失敗☆