「そうかそうか、つまり君はそんな奴なんだな」
その言葉を聞いた瞬間僕はひどい屈辱と同時に、とてつもなく興奮して頬が紅潮するのを感じた。
そのエーミールの軽蔑する視線に酷く体が火照る。
「君、熱でもあるんじゃないか。さっさと帰りたまえ。」
同情の感じられない冷たい声に押されて僕はそこを後にした。
数日たって
ああ、何をしても、満たされない。あの日のような軽蔑する視線を見てもなお…いや、むしろあの視線があってこそ僕はもはや
エーミールにいびつな恋慕を抱いていた。しかし、どうしたらエーミールに僕のほうを向いてもらえるだろうか。
僕は何を思ったかフラフラとエーミールの家へ向かった。
「なんだい、君。あの話はもう済んだことだし何の用があるんだ。」
ああ、これだ。この痛いほどの軽蔑の視線が欲しかった。でも、まだ物足りない。そうだ。僕のことを…軽蔑した相手に抱かれれば、もっともっと、軽蔑の視線を送ってくれるのではないか。何を思ったか僕はそんなことを考えた。
「ねぇ、エーミール。」
「…まだ何か?」
「僕に…抱かせて」
「は?」
「僕にエーミールのことを抱かせて。」
エーミールは顔を赤くしたり青くしたり、かなり動揺しているようだった。
「意味が分からないよ。からかうつもりなら…」
ドサッ(僕がエーミールを押し倒す)
「…僕は本気」
「…もう、いいよ。好きにすれば?」
僕たちは肉欲のままに求め合った。
翌朝
「はぁ…信じられない。本当に僕を抱くなんて。」
ああ、この視線、この人を僕は…
「愛してる。」
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