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え?
「新二!何をしてるんだ。勝手に写真を撮るなんて」
「ごめん、あまりにもいい感じだったんで」
賢一に餌付けされている写真とかすごく恥ずかしい。
一気に顔が赤くなったが、すぐに現実に戻る。
どうして写真?
失礼じゃない?
「今すぐに削除しろ」
「いいじゃん、すっごくお似合いだよ、雪さんに写真を送ってあげるからLINEのI Dを教えてよ」
新二はスマホ突き出した。
「雪とつながる必要はない。用事があるなら俺を通せ。雪もこいつにI Dを教える必要はないから」
もちろんだ、弟だとしてもまたこんなふうに呼び出されるのも、対処の難しいメッセージが送られてくるのも、正直に言うと迷惑だ。
「じゃあ、兄さんに写真を送るからそれで。あと、ご馳走様でした」
新二はそう言い残してさっさと店を出て行った。
何だったの?
私に用があったんじゃないの?
「雪、ごめん」
「びっくりしたけど大丈夫。兄弟でも顔は似てるけど性格は全然ちがうのね」
「あいつは甘やかされていたからな、ちょっと羨ましかった」
ブブッ
賢一のスマホに通知が入り、それを見て口角が上がっている。
「本当だ、てか、すごくかわいいな」
そう言って見せてくれたのは、先ほど新二さんが撮った向かい合わせてパスタを食べさせてもらっている写真だった。