テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
お久です〜
夏休み楽しんでます?
私はスタディーパーリナイです𖤐 ̖́-
それでは早速本題へ。
今回はリクエスト!
一応タヒネタ?事後かな?
失恋というより、叶わずとも繋がる家族愛
リクエストに合わないかもしれない。
もし、自分が違うと思ったら復帰後か、
はたまた、活休中にまた投稿するね。
それじゃ!LETS GO!
菊舞う夏日に訪問を。
8月1日
⎯⎯⎯⎯⎯この日の佐野家はいつもとは違う。
佐野家
エマ>ん〜…
エマ>何時ぃ、… ?
寝ぼけながら壁にかけてある時計を見る
8/1⌇6:06
もう、また1年立ったんだ
と、デジタル時計を見て呟く
ウチの時計は日にちまで表示されるから。
今日は2006年8月1日。
蝉が忙しく鳴き、子供達の喧騒も聞こえる
夏休み真っ只中である。
今日は佐野家にとってとても特別な日だ。
エマ>真にぃの誕生日か
エマ>早くみんな起こしてお参り行かないとね
エマ>マイキー。起きっ__
言葉をとめた。
マイキーが起きてたから。
マイキー>…ん? エマ?はよ〜〜っ…
エマ>起きてたんだ?
眠そうなマイキーに問う
マイキーが起きてるなんて珍しいから
少し揶揄うように
マイキー>ウン、w …なんとなくだけどな〜
エマ>珍しいじゃん
本当に珍しい。
もしかすると初めてかもしれない。
マイキーのこの成長には真にぃも泣いて喜ぶだろう。
マイキー>オレだってやる時はやるっての!
エマ>今日は真にぃの誕生日だよ〜!!
マイキー>分かってるよ
少し間を置いて兄に言う。
エマ>……。沢山、祝ってあげたいんだ!
マイキー>今日は付き合ってやるよ
そう笑いながら偉そうに呟く兄を見て
さながらに気付かされる。
ふとした時マイキーはとても優しい
エマ>当たり前でしょ〜?!
マイキー>ま、俺の方がいっぱい祝うけどな!
マイキー>とりあえず、飯!
すぐ元に戻るけど
エマ>んもぉ〜、
その時マイキーの机にあるものを見つけた
エマ>ん ? 真にぃとの写真…?
真にぃと最後に撮った家族写真。
持ったら手が少し黒くなったから
裏が汚れてるのかな。と興味本位で覗いて、
そして驚いた。
そこには毎年毎年の真一郎に
BirthdayMessageが書かれていたのだ
『2006年の真一郎。誕生日おめでとう』
エマ>これ…真にぃと最後に撮った家族写真か
そのMessageは真にぃが✘んだ翌年から
書き始められていた。
そして読んでいくうちにある事に気づく。
エマ>なんで最初の方全部平仮名なの笑
実にマイキーらしいと言えばらしい。
マイキー>エマぁ〜? まだ〜?
エマ>待って〜!
これ以上マイキーを待たせれば駄々を捏ね始めてしまう。
だからその写真と共に一言置いて、
ダイニングへと走った
エマ>ウチからも、真にぃ誕生日おめでとっ。
マイキーの居なくなった部屋の座布団の上には
使い古したタオルケットが
静かにただ、少し寂しさを感じさせるように
置かれていた。
ダイニング
マイキー>遅ぇぞエマ〜
エマ>作ってもらう側でしょ〜?!
作って貰う側なのに随分な物言いだ。
エマ>わがまま言わないで〜!
じいちゃん>万次郎。座っておれ
マイキー>ちぇ、はぁーい
持つべきものは
タイミングの完璧なおじいちゃんである。
エマ>おじいちゃんナイスぅ〜!
エマ>出来たよ〜
マイキー>鯛焼きは?
エマ>朝から食べていいわけないでしょ!
せっかく作ったのに鯛焼きの話をするマイキーをキレ気味に怒り席に着く。
おじいちゃん>そらそうだな
マイキー>じいちゃんまで!
エマ>早く食べて早く準備!
いくら特別な日でも
時の過ぎる速さは変わらないから。
マイキー>うるせー、、分かったよ…
ぴんぽーん
エマ>誰だろ?
じいちゃん>万次郎、誰か呼んだのか?
マイキー>え?呼んでねぇけど………タブン
突然の来客に1家全員困惑してしまっていた時
その謎の人物は勝手に戸をあけて入ってきた
???>邪魔する。
エマ>…、?……
マイキー>勝手に上がってきた、失礼な奴…
知らぬ人が家に上がってきてここまで落ち着いていられるのは異常だが、
じいちゃん>いざという時は蹴り飛ばせ
マイキー>いいよ
そう。マイキーがいるため心配は無用なのだ。
そうして身を現した人物を見て
約一名を除いて驚いた
???>蹴り飛ばされるわけねぇだろ
マイキー>あ?
エマ>え、!
じいちゃん>オマエだったか。
じいちゃん>言ってくれればいつでも迎えると
いうのに
イザナ>……仏前に通せ。
エマ>お兄ちゃん…っ?!
予想の出来ない来客である
じいちゃん>イザナか……今年も来たんだな
どうやら毎年来ていたらしい。
これは知らなかったエマにとって驚きだった
イザナ>テメェらには会いたくねぇよ。
イザナ>さっさと仏前に通せ。
マイキー>ちょぉっと待った!!
イザナ>あ?
マイキー>オマエ誰だよ?!
マイキー>エマもじいちゃんも知ってんの?!
うちのマイキーは本当に話を聞いていない…
エマ>ウチ何度もマイキーに説明したでしょ?
エマ>ウチのお兄ちゃんだって。
エマ>黒川イザナは!
何故初耳とでも言うような
そんな驚いた顔ができるのか…と呆れ果てる
マイキー>コイツが?
イザナ>……((睨
エマ うん。
マイキー>じいちゃん?
じいちゃん>そうだな。
まるで信じられないと言うように再度確認する
マイキーをみて
本当に話を聞いていないのだと 実感する
そして、一言。失言をする。
マイキー>全然似てねぇじゃ…… (((避
イザナ>……チッ、外した…
急に蹴りを繰り出したイザナの眉間には
深い皺が刻まれ
マイキーに鋭く冷たい視線を向けている
少し般若を宿しているようにも見えた
先程の失言に相当怒っているらしい。
マイキー>急に蹴ってくんなよ!
イザナ>……ウルセェ猿。
こればかりはエマも
猿呼びされたマイキーの味方は出来ない
イザナ>じじぃ、通せ。
じいちゃん>はぁ、はいはい
マイキー>んだ、 アイツ……!
猿呼ばわりされたマイキーはカンカンに怒っている。
自業自得だが。
エマ>……ウチも分かんないんだよね
エマ>エマが最後に会った時は優しかったのに
マイキー>アイツが…?
またもや信じられないとでも言うような
半信半疑のような顔で首を傾げるのだから
その絵面は獲物を見て首を傾げる
猫そのものである
それから少しして、用事が済んだのか
少し機嫌が直り
陰りをみせていた般若は消えていたが……
眉間の皺や鋭い目付きはそのままだった。
イザナ>じゃーな。じじぃ。
じいちゃん>おう。来年も楽しみにしてるぞ
その言葉を聞き荒く返す
イザナ>……きっと来ねぇよ。もう二度と。
じいちゃん>去年もそう言ったな
イザナ>……本当に、最期だ…((目逸
どこか深みのある言葉に違和感を覚えたが
気にしないことにした。
じいちゃん>そうか、…じゃーな。
少し哀愁を漂わせたおじいちゃんを横目に
身を翻した彼は、少し顔を歪ませたが
それに気づいたものは1人としていなかった。
マイキー>やっぱ感じわりぃ〜
エマ>何かあったのかな…………って!!
気にしないことにしても
少し引っ掛かる事に頭を悩ませながら時計を見て驚愕する。
エマ>もうこんな時間?!
エマ>急いで!
マイキー>はいはい〜、
どうして大事な日はこうも上手くいかないのだろうか…
困ったものだ。
マイキー>エマぁぁ、準備まだ?
エマ>準備は終わってるんだけど線香がない!
じいちゃん>線香は切らしとるぞ
朝のタイミングの良さは偶だったのだろうか
もっと早く言って欲しかった
エマ>え〜?!早く言ってよぉ〜!
マイキー>じゃ、行くぞ〜
エマ>待って〜!
エマ>花屋さん行かないと!
マイキー>また同じあそこの菊?
エマ>まぁ、真にぃが通ってたからね〜
毎年お世話になっており、店長ともそれなりに仲のいい店だった
マイキー>そっか
じいちゃん>榊も忘れるなよ?
エマ>あ、忘れてた笑
マイキー>榊?
エマ>それも知らなかったか…((呆
無知すぎる兄を持つのも大変である……
墓地
エマ>やっと着いた〜
見慣れた墓地につき兄の顔を思い出す
マイキー>バケツ持ったよ〜
エマ>バケツだけ持っても意味無いって!
マイキー>タワシ汚ぇじゃん
エマ>そんな事言わない!
マイキー>ちぇ、……あれ?じいちゃんは?
エ> 先に行って落ち葉拾ってるよ
マイキー>早ぇな……
それにはエマも同感である
エマ>マイキーも早く行こ
マイキー>ん〜!
墓石前
エマ>あんまり汚れてなかったね〜
マイキー>真一郎尊敬されてたから色んな奴が挨拶に来てるもんなぁ
その尊敬していた人の中には
エマやマイキーも含まれている
普段は頼りない兄を口では馬鹿にしたが
心ではたまーに見る格好のいい兄を
とてつもなくお人好しで優しい兄を
信頼し尊敬していた。
そして今も尊敬し続けている。
エマ>ひと通り水かけて、ちょっと磨いて終わりにしよっかな
マイキー>はいはい〜
エマ>ふぅ、終わった〜
マイキー>エマ〜じいちゃんが腰痛めたって
エマ>ええぇ!
マイキー>ずっとしゃがんで落ち葉とか雑草拾ってたからな
エマ>そっかぁ、帰りに湿布も買わなきゃ…
年寄り感を感じさせないおじいちゃんだが、
身体は老いに蝕まれつつあることを思い出した
マイキー>えー、めんどくせぇー、
エマ>そんな事言わない!
エマ>真にぃに挨拶して帰るよ!
マイキー ………。わかった〜
毎年の恒例であるこの墓参りには
いくつかのルールがある。
佐野家独特のルール。
1つ。
必ず、生きている家族全員で行くこと。
※イザナは家の仏間にしてる為特別にノーカン
2つ。
挨拶する時は、一度墓地からでて、
1人ずつ行うこと。
3つ。
1人1本の菊を供える事。
簡単なこの3つのルールだ。
エマ>じゃあ、去年はマイキーからだったし、
エマ>今年はエマからね?
マイキー>わかった〜
何度も何度も足を運んだこの場所に今年も重く腰を下ろす。
真にぃが ✘んでからここだけが、この定位置が
真にぃと繋がれる唯一の場所だと信じている
エマ>真にぃ、聞こえてる?
聞こえるはずのない言葉を
ぽつりぽつりと戯言のように零す
エマ>真にぃが居なくなって、結構たったよ
エマ>そろそろ、帰ってこない…?
心の中で自分は何を馬鹿なことを言っているんだと、叱責する。
この考えが一番真にぃを困らせてしまう。
しかし、本望であり、一番の願いでもあった
佐野家に来てからずっと気にかけてくれた
マイキーやおじいちゃんも含めとても大事な人達だから
だからこそ、無謀で実現しない妄想に寄りかかってしまう。
エマは肌で感じ取っていた
おじいちゃんが
あれからずっと悲しんでいる事も
マイキーがどんどんと仲間を失って
悩んで、苦しんでいる事も
佐野家の家の空気が
中身のない、空虚で
でも、どんよりと重くなっている事も。
エマ>佐野家はマイキーがいて、おじいちゃんがいて、エマがいて。
エマ>その上で、真にぃがいて。
そこで言葉を区切った。
『じゃないと成り立たない。』
などと言ってしまえば
今の佐野家を全否定してしまうと思ったから。
もちろん、継母も継父も。イザナも。
と心中で続けた。
エマ>こんな話、する為に来たんじゃないの
エマ>此処に来れない間にどんな事があったか
エマ>どんな事を思ったか話したかったの
エマ>でも、今年はもう出来ないかも
話したいことは沢山あったはずなのに
喉がつっかえて言葉を発せなかった。
エマ>言葉が、でてこないの
胸の奥が苦しくなって
視界の淵から滲みだすのを止めれない。
喉が締め付けられて
乾き切った地面に模様をつけてしまう
でも、心配をかけるのは嫌だ。
だから下を向いて静かに泣く事しか出来ない。
そんな自分に嫌気が差す。
そして、真にぃに申し訳無くなる。
毎年泣いてしまう自分が情くて仕方ない。
エマ>ごめんね、ごめん、
エマ>また…話そうね、真にぃ。
エマ>誕生日、おめでとう!
そういい、自らの涙で濡れた菊を供えた。
マイキー視点
エマが帰ってきた
去年と同じく目を赤くして。
毎年毎年泣いてから帰ってくるエマは
家ではその悲しさを見せない。
妹を安心して泣かせてあげられないのは
兄として足りない部分である気もしながら
エマの溜まりに溜まった悲しさを吐き出させてくれる真一郎には
ずっと感謝と尊敬を感じている。
そんなことを考えていると
まだ少し震えた声で問いかけられた
エマ>マイキー?行かないの?
マイキー>次オレ?行ってくる〜
軽く、心中を悟られないようそう返事をした。
墓前
ここに来る。
ここに立つ。
ここから見下ろす。
線香の匂いを吸う。
墓石の名前を読む。
真一郎の墓だと情報で理解していくうちに
毎年、オレはここに立っていいのかと
心配になる。
その心配の源がどこから来るのかは
馬鹿なオレには分からなかった。
マイキー>真一郎〜誕生日おめでとな
マイキー>真一郎は今年も祝ってくれねぇの?
8月はマイキーの誕生日のある月でもある。
だが、死者が祝えるわけがない。
分かっていても数年ぶりに声を聞いて
撫でられて、話したい。
あの尊敬出来る信頼出来る
一番の目標に会いたくて触れたい。
その一心で叶うはずのない願いを口に出す
いつも見上げていた安心出来る笑顔は
どれだけ見上げても雲が隠してしまう。
手を伸ばしても届かなかった真一郎の頭は
もう触れるチャンスも貰えない。
いつも、胸を抉るような出来事の後は
苦しくなる。
衝動じゃないなにかが。
胸の奥から、ずんずんと込み上げてくる。
マイキー>真一郎はよく泣いてたよな
マイキー>かっこ悪かった。
胸の苦しさの正体なんて分からない。
分かりたくない。
でも、その正体がオレの一番嫌いなものだっていうのは分かるんだ。
それが毎回毎回込み上げてきて。
我慢するのに精一杯なんだ。
この正体を真一郎は知ってるのか?
それで真一郎は強くなった?
オレはそれを手に入れる権利がある?
その権利をみんな認めてくれる?
聞いても聞いても帰ってこない。
ふと目線を落とした。
墓石に溜まった水に自分が映る。
オレはこんなに暗い顔をしていただろうか
オマエにはこの顔は似合わない
そう真一郎が言いそうな顔。
オマエにはあるべき姿が
あるべき場所が
オマエなりの生き方がある。って。
こんな事考えられるのは心では分かってるから
オレは真一郎にはなれない。
真一郎に会いたくて
真一郎に憧れて
真一郎になりたくて
真一郎みたいに強くいたくて。
そう強く願っても叶わないって分かってるから
だから我慢してる。
我慢してるのも含めて自分だ。
真一郎。オレはオレなんだな。
真一郎にはなれないんだな
悔しいな
でも、オレはオレだから。
真一郎は見てるだけでいい。
真一郎。オレは。
弱いから。
弱いオレを支えてろよ
マイキー>…オレはエマ見たいに泣く気はない
オレは強がりだから。
それに、全員に泣かれたって困るだろ?
とまた語りかけ…数秒の間黙り込み瞑想する
マイキー>………………。
マイキー>よし!じゃあな真一郎!
マイキー>…見守っといてくれよ?ダメ兄貴!
前まで
泣くのは弱いやつのすることだ。って
思い込むしか無かった。
泣くやつはみんな負けてたから。
でも、違うんだよな
泣くから強くなれるんだよな
弱さを見せられるから強くなれるんだよな
負けを知っているから強くなれるんだよな
前までのオレならこんな事考えられなかった。
いつまでも現実から目を背けるオレに天が怒ったのかな。
現実を目の当たりにさせられた
1人。泣き虫のくせして途轍も無く強い奴が現れた。
だから、もう思い込めなくなったよ
真実の強さを突きつけられたから。
それでも、泣かないよ。オレは。
オレはこの弱さで強くなってるようなもの。
真一郎や__が本当の強さで道を歩くなら
オレは虚像の強さで道を歩く。
オレはオレの道を歩く。
だから
泣かない。
これがオレなりの強さだ。
そして、
俺が泣かないのには、もうひとつ。
それは
兄貴が完璧にならないため。
弟1人泣かせられない兄貴は、
『完璧じゃねェだろ?』
マイキー>真一郎もまっだまだだな!
そう墓石に笑いかけ
まだ、 自分を待ってくれている 家族の元へ走り出した。
マイキー>じーちゃーん。挨拶出来んの?
挨拶を終えて次の順番であるはずのじいちゃんに聞く。
腰を痛めた。の度合いが分からないから1人で挨拶できるかも分からない。
じいちゃん>いや、惜しいが今年は手を合わすだけにしよう。
じいちゃん>万次郎。肩をかしてくれ。
案外痛みが酷いんだ。老いたな。
エマ>そんなに痛いの?帰り病院行く?
じいちゃん>いや、大丈夫じゃろ
マイキー>じいちゃんも老けたな……..ぁだっ!
そう揶揄うと重い拳骨を食らった。
思ったことをすぐ口に出すのは辞めた方がいいんだろうか?
マイキー>はい、肩。
じいちゃん>おう。
さっき拳骨の降った頭が痛い。
つい、手加減を知らないのかと凝視してしまう
じいちゃん>なんじゃ?
マイキー>うぐ、なんでも〜?
やはりじいちゃんには勝てない
勝ち誇ったように聞くじいちゃんに腹を立てながらも、
自分が悪いのが分かっているから強く言えない
イザナ?とかいう奴の事がなかったら今日イチ悔しかったかもしれない。
マイキー>はい着いた。
じいちゃん>うむ、ありがとうな。
マイキー>はいはい〜
そういいオレの肩から離れたじいちゃんが墓に向かって手を合わせる。
目をがっちりと閉じて真剣な顔で、
額に手を擦り付けるほど頭を下げる。
一生懸命に手を合わすじいちゃんを見て
改めてじいちゃんがオレらを大事にして真一郎の事も愛していたのが分かる。
父さんも母さんも ✘んで
じいちゃんは親代わりのようなものだった。
そこらの家よりじいちゃんとの関わりや愛情はずっと深い。
だからこそ、じいちゃんだって自分より先に孫が ✘んで
こうやって挨拶に来るのは辛いはずだ。
そんな事を思いながらじいちゃんを何となく見つめていたら
じいちゃんが顔を上げてこちらを振り向いた
じいちゃん>よし、エマの所に帰るか
マイキー>ん〜。
最後にと、墓を振り返れば
気づかない間にじいちゃんも菊を供えていた
菊が三本。線香が9本
繋げてさんきゅー。
エマがもっと感謝を伝えたいと案じたものだ
じいちゃん>どうした?
マイキー>いや?なんでもない。
この、深い気持ちが
オレら3人の気持ちが真一郎に届いていたら嬉しい。
そう思いながら
墓の並ぶ真っ直ぐな道をゆっくりと歩いた。
━━━━━━━━━━━━
マイキー>エマ〜帰るぞ〜
墓場から出るとエマは木の影で休んでいた
オレらに気づくと走りよってくる。
エマ>あ!終わった?帰ろ!
さっきは赤かった目ももう元に戻っている。
じいちゃん>アイスでも買って帰るか
マイキー>マジ?!じいちゃんの奢りな!!
エマ>エマも〜!!!
エマ>あ、でもじいちゃんの湿布もね!!
マイキー>そーだった。
最後まで抜け目がない。
だが、暑くて暑くて溶けそうだ
マイキー>暑い〜
マイキー>またでも良くね?
エマ>ダメに決まってるでしょ〜?!
マイキー>だってさ〜〜_____!!
こうやって言い合ってる間。
じいちゃんは一言も喋らなかった。
オレらは気づかなかった。
言い合うオレらを嬉しそうに微笑みながら
じいちゃんが眺めていた事を。
エマ>だから!湿布!買いに行くよね?
マイキー>…ちぇ〜、
じいちゃん>喧嘩は終わったか?
エマ>終わったよ〜!
マイキー>喧嘩じゃねぇーし!!
じいちゃん>はいはい。
サァサァと木々が夏風に乗って靡く。
照りつける陽を浴びて
水を浴びた墓が乾きながらも煌めく
もう悲しみを表す涙の跡はない。
沢山の墓の中。
家族の訪問が終わった今日の主役の前には
立派で大きな菊がはらはらと、花弁を舞らせて
美しく、偉大に佇んでいる。
それは故人の強さを表しているようで
夏の墓の風景に溶け込んでいながらも
一番に輝いている。
真一郎「毎年毎年綺麗な菊持ってきやがって」
真一郎「嬉しいじゃねーか」
そういい、地面に舞い落ちた花弁を1枚拾う
何年経っても変わらず仲のいい弟と妹。
どれだけ傷ついたか分からないのに
毎年のようにお供えに来るもう1人の弟。
真一郎>「オレは恵まれてんなぁ」
沢山の人が訪れに来てくれる。
墓の前で今でも泣いてくれる。
悲しんでくれる。
好いていることを教えてくれる。
そのおかげで寂しくは無かった。
だが、故人は故人だ。
死者は生者には見えないし、声も聞こえない
気持ちを伝えてくれる皆に
自分の気持ちを伝えられないのは
ずっとむず痒く、悔しかった。
また話したいのも、また撫でたいのも
また笑い合いたいのも
なにも彼らだけの願いではない。
故人が。故人自身が望んでいる事だ。
早く話したい。撫でたい。会いたい。
だがその願いが叶う度に、また新たに誰かが故人になり
また新たに誰かが悲しむことになる。
だから、大人しく待つしかないのだ。
どれだけ会いたいと願っても
故人の1番の願いは大切な者達に長生きして貰う事だ。
真一郎>「長生きしてくれよ。」
ザァァァ。と一層強く吹いた風が
近くの木を大きく揺さぶり 鳴かせる。
その一瞬で地面に舞っていた菊の花弁は
ひとつ残らず、消えていた。
菊:菊が終わる時。「菊が舞う」という。
菊の花言葉。「長寿・幸福」
菊舞う夏日に訪問を。 〜Finish〜
🫶 + 💬 +👤 𐰶𐰶𐰶 🙇🏻♀️ 🙏︎ ̖́-
#二次創作
ねう
29
#ご本人様には関係ありません
鈴木𓈒𓂂𓂃◌𓈒𓐍
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コメント
12件
やっぱりはかが作る作品は感動するわ 素晴らしいわ 切なくてでも凄くいいお話だった 真一郎とマイキーの生き方の違いが書かれてて泣けた やっぱはかは天才だわ
約10700字作品✌️