酔いどれ本音、鳴海弦行き
流れるように時が早く感じる。2人でソファに座って無言の静かな空間を過ごしている。
今までずっと隠してきた気持ち。アルコールに頼って吐いてしまった本音。言うつもりなんてなかった。いくら鳴海さんでも、こんなの知ったらきっと引くだろうし、嫌われると思ったから。それでもこの人は全部を受け止めて、認めてくれて、なんならそれ以上、求めているものをくれて。
今だって、少しぐらい、と思って鳴海さんの肩に頭を預けると、優しく腰に手を添えられる。それから前髪をどかされ、額にたくさんの愛を落とされる。少し気恥しくなって目線をあげる。すると目が合い、優しく微笑まれる。大好きな顔。小顔で、その艶のある唇。綺麗な鼻筋。小さくて可愛い眉毛。そして長い睫毛に、たくさんの景色を見てきた網膜が入っている目。
「…ほんまに、……引いとらん、??、」
これだけの愛があってしっかり伝わってる。けれど、やっぱり、心のどこかでもしモヤがあるのなら言って欲しい、と思った。
めんどくさい事が嫌いなおひと。さっきからずっと同じことを聞いてる。まさにこの僕がすごくめんどくさいハズなのに。。そんなの関係なしなように、また僕の頬に手を当てて髪の毛を耳にかけてくる。
「…正直、少し驚いた。」
「だがいい方の驚きだ。普段ボクに対してツンとしてる保科が、それほどになるまでボクのことを思ってくれてるから」
「引いてなんかない。もっと好きになった」
真剣に目を捉えて正直に伝えてくれる。
「……、ほんまに、?」
「うん。まじだからな」
ん、と言いながら腕を広げてくる。
たまらなく胸がいっぱいになって、今日ぐらいはすべて鳴海さんに預けようと思った。
「普段からこのぐらいボクに甘えろよ」
「るっさい、」
「素直じゃないな」
「それは鳴海さんも」
「ボクはツンデレって言うんだ」
「なに可愛く誤魔化してんねん」
やっぱり僕にはこの人しか居らん、と思った。
普段はワガママでだらしなくて5歳児で……なのにかっこええところはかっこええし、普段から全部ギャップがすごい。
「保科、ひとつ聞いていいか?」
「なんですか、?」
「……最近、今日とかもだが、ずっとボクと非番が被る時に遅く帰ってきてたの。何してたんだ??」
「ぇ、っと、……、、、その、…せやから、」
「…っ、嫉妬、……してること、…誰にも言えへんくて、…辛いっちゅーか、……まあ、…全部飲んで忘れよ〜、思て、はは、……」
「、、今日どのぐらい飲んできた??」
「え、?どのぐらいやろか、」
「レシート」
「ぇ、はい、」
言われるがまま。カバンからレシートを出し鳴海さんに渡した。ぶっちゃけ自分でもどれぐらい飲んだのか覚えてない。というか分からない。もう頼んで頼んで頼みまくってて、特に計算なんなしていなかった。
渡してから数秒後、
「は、??おまっ、……」
「これ一人でか、??」
「え、??えぇ、まあ、」
「しかも全部度数高いヤツじゃないか……」
「酒しか飲んでなかったのか??」
「それ以外頼んでなかったと思います、。」
「っ、……はああああ、……」
頭を抑え深いため息をつかれた。
「…一日にこんな摂取したらお前、っ、死ぬぞ、……」
「…ごめんなさい、」
「っはあああ、……」
「おい」
「な、なに、?」
「今度から全部、全部ちゃんとボクに言え、。」
「引かないし嫌わない。だから全部ボクに言ってくれ、。こんな酒なんかで抑えるなんてことするな、……」
「ボクが苦しくなる」
「、……」
「、うん、ごめんなさい、」
「しっかり自分の体ぐらい守れ、」
「そんなんで第3の副隊長が務まらないなら、強制的に第1の副官にするからな」
「いや、それは、……。。てか長谷川さんに申し訳ないし、ちょおハードル上がってません?」
「それはってなんだよそれはって!!!!!長谷川はいいんだもう!!」
「よかないわもう、」
「……」
少しの沈黙、後に首元が急にくすぐったくなった。首元にぐりぐりと頭を擦られる。
「頼むから、」
「約束だからな」
消えそうな小さい声。たった二言、それでも心の底からの心配が感じられた。
「うん、。約束する、。」
ねくすと100
またじかい✮⋆͛
コメント
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涙で文字認識できなかったから時間置いて読んだのにまた涙が溢れ出てくるからもうッ!!!!感動させすぎなんですよK氏様の作品は!! お二人(今回は特に鳴海さん)が普段どれほど相手を思ってるか伝わる回でほんとに涙腺崩壊しすぎてやばいです😖😖💗💗💗 保科さん絶対金銭的余裕ありそうだし、なんかホストとかにありそうな度数も値段も高いお酒飲んでそう😹🥃
こんどこそ涙がじわじわ上がってきたじゃないですか!!!!! K氏さん神です!!!!!次のお話も楽しみにまってます!
はあああああああああああああぁぁぁぁ!!!!!!!! 好きぃッ!!