テラーノベル
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スミスは目を開けた。わからないわけがないのに、と思いながら枕の下に滑るように手を入れる。
シーツ片手に振り向いたときと、向けた銃口は同時だった。
「…夜中にわたしのところに来たんだから、気があるのかしら」
「あぁ」ガチッ、と眉間にそれが当たり、スミスはぱっ、と銃から手を離す。つるん。と滑った銃をスーツの男が取る。
「だれ?」スミスは顎を引く。
「知りたいなら、黙ってついてこい」
公安のやつらじゃないーースミスはすぐ、検討がついた。
「これはなに…」ジョディは明かりがついた空間の外側にいた。
硝子の外側には、鏡が全面になっている。
「地獄」後ろから入ってきた赤井が言う。「な…」カタカタとパソコンを動かすFBI職員が言う。「被検体、入ります」ジョディはそれに目を見開いていく。
碧いーー
おねえちゃん…
「スミスーー」シーツごと運ばれてくる彼女は、その髪を垂らし動かない。
どさ、と置かれた彼女にジョディはまた赤井を振り向いた。
「彼女はなんだ?」「兵器…」と青くなるキャメルに、ジョディは口を開こうとするがジェームズに首を振られる。
「たしかにあの襲撃事件は、我々がやったことを考えれば情状酌量の余地はある」
「情状酌量って…まだ母国語もうまく話せないような子供にわたしたちは」
「人の殺し方を教えた」赤井は先に言った。「だがジョディ…」とその目がジョディを見下ろす。
「君がいま、俺と話せるのは?なぜだ?」
「なぜ、って…」
「生きているから」はっ、とジョディは目を開く。ジョンがピザを頬張る姿が目の前に広がった。「そうだろ」
カラカラ、とキャスター付のテーブルが運ばれてくる。上には食事が乗っている。
「被検体はすでに例の薬を摂取済」
「いくつ?」え、と職員は振り向く。「最初の規定量を……」「待ってシュウ」ジョディは立ち上がる。
「いったい何?ちゃんと説明して!」
「倍だ」その声に辺りはざわつく。「しかしーー」「赤井さん、まだラットでしか治験を済ませていません……人間に倍にすると、どうなるか我々にも検討が……」「やれ」あまりの威圧に、職員は呟いて中に入っていく。
はらはら、と白い粉を食事にかけてこちらに頷いた。
「規定量で効くわけがない」はあ、と手をスミスにやる。「シュウ!」ジョディは我慢できず叫ぶ。
「なぜ俺たちが風邪を引くかわかるか」
「はあ?」
「う、ウイルスがからだに入って…」キャメルは目を泳がす。「そう」ジェームズも頷く。「なぜ白血球がウイルスの侵入を許すと思う」ゆら、とスミスは起き上がった。
「区別がつかないんだ。脅威なのか、誰なのか……」
がしゃっ!と音が鳴る。皿に顔をつけたまま擦りつけて食事、もといむさぼる姿に誰もが身を引く。
「な…」
「あの女は…」と赤井は続ける。「エドワード・グリーンに、国に捧ぐ兵器として育てられた。だが、裏切ったのはエドワードのほう」
「ああ、計画はあまりに非人道的だと国防総省が」
「だが…パズルは出来上がってしまった……」
「だから!?」ジョディは先を促す。
「出来上がったパズルは…飾るだろう」
スミスはあっという間にたいらげた大量の食事に口を拭うと、椅子から崩れ落ちる。
「被検体、脳波が下がっていきます、眠りますーー」
「人間の本能は、まずは食べること。次は、眠ること。次は…」
「っこれ以上彼女に……」
「とっくに各国は核兵器、生物兵器、ありとあらゆるものを持ってる……我々アメリカも、もちろん…彼女に飲ませたのは【新薬】だ」
ジョディはジェームズを振り向く。「それはーー」「彼女でなければ誰でテストするんだ?しかもパズルの飾っていたそのひとつを、日本にやってしまったのかもしれないならどうなる?彼女がアメリカを壊そうとしたら。日本は敗戦国だ。まず我々にしかけてくることはないが、ならただの国の失態だよ。ジョディ…」
とん、と急にジョディはこめかみに指をやられ、目だけ動かす。
「彼女が……兵器かどうかをどうやって区別するの……」
「そのためのテストだ。俺たちスナイパーがなぜ、ここを狙うかわかるか」
ジョディは手を払う。「脳幹を狙うから」「そう、それは…人間が人間を司る中枢…」
「薬物で人間兵器を作るのはもう、第一次世界大戦時代からの話だよ」ジェームズはため息をつく。「なにも驚くことはない…」
「ジョディ捜査官」白衣を着た捜査官が書類を渡す。「薬の詳細です…」
「何を飲ませた…」はあ、とスミスは起き上がる。からだの底からかけめぐる快楽に、ぶるっ、と震えた。
「驚いたな…規定の倍でも、まだ理性があるのか」
だめ。抑えきれない……「うっ…ん」でも違う。惑わされるな……保つのよーー
「赤井さん」と天井のスピーカーから聞こえ、赤井は顔を上にする。
40
無名kちゃん
49
#降谷零
#風見裕也
「エンドルフィンの量が急激に上がっています」
白衣は後ろにいる捜査官たちに言う。
「アドレナリンの約5倍以上の快感物質が出ています」
「つまり?」
「本来、エンドルフィンは脳内ではあまり作られません。アドレナリンのほうが作りやすいからです…アドレナリンが多ければ多いほど、痛みも、罪悪感やそのような感情もなくなっていきますーーですがエンドルフィンはそれをはるかに上回ります。簡単にいえば」
「ものすごい興奮状態ってこと…」
「それなら撃たれても、切られても、拷問にも耐えられる…」
人を殺す重さも……。
「ただ」キイ、医師は苦い顔をして向こう側を見る。
「快楽、も本能のうちに入ります。ただ…人を襲うだけでは……その間に、極秘任務に就く場合は…かなり不利です…簡単に喋る可能性が…非常に高いです」
特に男性は……。と医師は背を向けた。
はっ!とジョディはわかった。
「お前」スミスはずるずると這った。
しゃがむ赤井は首をかしげる。「欲しいものをやろうか…?名前……いや?レディ…」
「ああっ…!」ぐっ、と髪を引っ張りあげられ、スミスは素直に引き上がる。
「なぜお前はあの男のところにいる?」耳元で囁く。にや、と笑ったスミスに赤井は少し顎を引く。
「わたしには…世界中の血が……入ってる……」ばたん!と倒れる彼女は、ひくひく笑いながら仰向けになった。
「だから……どこにでも現れるぞ……」
FBIの犬め……そのままミラーを見るスミスに、向こう側は身を引いた。
「ふふ、ふふふ…」
「赤井さん」スピーカーが告げる。「エンドルフィンの量が機械で測定エラーになります。危険ですから……」
「彼女の命に影響は!?」と言うジョディに、皆驚いたようにざわつく。
「え、えぇ…ですがそ、その……」白衣は黙りかける。「なに!?はっきりして!」「あ」と赤くなるので、ジョディは「はあ!?」と怒鳴ってせかす。
「エンドルフィンがこんなに出ては…た、たぶん…」ギイ、と医師は椅子を引いた。
「は、肌を撫でただけでも……」
「いぁあああああっ……」スミスは汗だくの顔を見せたままがくがく震える。
「もう1度聞く」
赤井はそれを跨いだまま見下ろした。
「なぜ公安のあの男の場所にいる?」
「あ、あ……」する、と赤井は手の甲で腕を撫でる。瞬間ーースミスはまた体をのけぞらせた。
「ーーぁぁああっ!や、や……」
「厄介なところに…あぁ」にや、とした赤井に、快楽の塊のスミスはぞくぞくするのが自分でわかった。
「抱かれてるのかい?」
がちっ、とスミスは手を噛む。つ、と血が垂れていく。
「抵抗するな。苦痛だろ?」
そんなんじゃイエスと言ったようなもんだがな…
「ほら」す、とまた手の甲で撫でる。
「ーー…!!」じわりと足元に黄色の液体が広がる。「…おや」鏡の向こう側を赤井は見た。
「なら本番といこうか」
勝つためにはお前がいる。スミス。
ねぇシュウーーいい天気だねぇ!
眩しくて見えない。カーテンが揺れたそれで、顔が見えなくなる。
「いや、だ、やめ」
「シュウ!」スピーカーが割れるほど鳴る。「もういい!十分ーー」「いや」
だめだ、と赤井はバタバタ手足を動かす彼女に膝をつかせ、頭を下に。両手を引く。「やーー」
スピーカーから叫び声がして、皆それを見ない。
「…どちらが最低なの」
「どちらもだ」とジェームズ。「勝つために…」
「…名前は?」前後に激しく突かれて、スミスは頭を掴まれながら振り乱す。
「そいつの名前は?」耳元で言われ、またびくびくからだが跳ねる。「…!」
「…安室透……?」
瞳孔が開くのがスミスはわかり、あとはまた喘ぐしかない。
「や、だ、いやだぁああ!え、エドワード!やだあーーっっ…!!」
またスピーカーから声がする。
「赤井さん。脳波が。意識が混濁しそうです」
もうしてる。と赤井。
だからーーお前は兵器でいてくれないと困るんだよ。スミス。
ばたん!と目の前で倒れた女はまだ震えている。
「どんな気分だ」しゃがみこみ尋ねる。「好きでもない…男にめちゃくちゃにされて…」
「シュウ…」ジョディは見たり見なかったりして言う。「彼女を…煽らないで」
「3大欲求は元々、生存本能に基づき存在します。それが完全に満たされたら人間には……」
「ああ、くる…」キャメルが呟き、顔をあげる。「地獄がーー」
仰向けになったスミスが両手を顔の横にしたので、赤井は起き上がると思い「ふーーっ!」一瞬で頭を下にした。
本当にその一瞬で、スミスは腕と足の力だけで赤井を飛び越えた。
「あああ!」ぱん!とスミスの拳を握る音が響く。
「レディーー」「気安くーー」ぱん、ぱん、と何度も室内は鳴る。
「わたしを……」赤井が殴ろうとした拳は、ぐぐぐ、と骨の音をたてて避けられていく。なんて力がこもってる?赤井は素直に驚く。動いていく腕で、スミスの緑が見えた。
がん!と肩を押されて鏡に背中があたり、バリバリ、とヒビが入る音がした。
まずいーー
「呼ぶなあぁあああぁっーー……!」飛んでくる。と思った瞬間だった。
スミスが胸元にどっと頭を預けてくる。
「!?」ずる、とそのまま下に下がるのを肩で息をするキャメルが抱き止めた。
はあ!というジョディが離した手の先、スミスの背中には注射器。3本も刺さっている。
「あぁ…」キャメルは青くなる。白衣がやってきて、彼女を担ぎ上げていく。
「何をしてくれてるの!シュウ!」
ジョディは怒鳴る。
「データが出た」とジェームズ。「すごいことになってるぞ」
「女性の…平均通常時の4倍以上は筋肉に血流が動いてます」ちら、と赤井をキャメルは見る。「そりゃたしかに…鏡にヒビがはいるほど…」「ああ。男も女もなくなる」赤井は肩を押さえる。「鏡に埋もれるかと思った」「シュウ!血が!待っててーー」とジョディは走っていく。
「快感状態を越えれば、あの薬は成功といえるのでは?」
「いや。途中で制止してはどれくらい持続するかがわからない…戦闘機で」と赤井。「戦闘機で突っ込む前に切れては意味がないからな」
「あ、赤井さん…」とキャメル。「あの女に…あそこまでする必要……」と呟く彼に、ジェームズは書類にわざとらしく目を通した。
「お前なら?」
「え?」
「お前なら好きでもない男に犯されて泣き叫んでどうする」
「どうするって…あ……」
「好きな男の名前を叫ばないか。助けてくれと。だが」と赤井は救急箱を持ってくるジョディを見た。「あれだけ薬でやられてるのに喋らないとはな……うっ」
「動かない!」とジョディに睨まれる。
「厄介だな。これではこちらにはなかなかなびかない……」
「はい」風見はスマホに出て肩に挟んだまま、パソコンを打つ。気づいたら日は沈んで誰もおらず、青白い画面と自分しかない。
「風見」と降谷が言う。変な間に、風見はようやく電話を持ち直す。
「なんですか」
「…スミスが…」
「スミス?」名前に反応するのは風見も同じだった。「彼女が何か…」「…行ってないか」「は?」風見は素直に口を開ける。
あの夜のスミスが目を開いているのに浮かび、ふと目を閉じて眉間をつまんだ。
「わたしはまだ警視庁にいますし、来ているわけないでしょう」
用もないのに……。
付け加えると、降谷は呟く。「ならどこに?」「どこに、って…あぁ、またあそこにーー」「靴もはかないで、か?」
「あ…」と声が出たのが自分でもわかりスミスは目を覚ました。
見たことある天井、そして匂い……「うううっ…!」飛び起きたいのに、みしみしと筋肉がまるで木のようだ。動けない。「っはあっーー…」首を横にする。
焦点が合わない。匂いだけが迫る。
心臓が早鐘を打つ。
ここは……あの男のベッドだーーこのままだと…
ドアが開き、はっ!と息を飲んだ。
「…レディさん」
「…」あまりに驚いて、ベッドに顔を出した相手を目だけで見る。「コ、ナン……」
「大丈夫」ぎゅ。と手を握られ、にこっ。とコナンは笑う。
「ロ……イ」
「え?」
ふっ、とまたスミスは遠くへ行った。
「起きたか」赤井が後ろから言う。
「いや…まだ混濁してる」
はあ、と息をして向けられた頬には涙が伝っていた。
「当たり前だよーー」コナンは肩越しに赤井を見たが、眼鏡の奥には揺れる炎があった。
「いやぁあぁあああーー!ロイ!ロイぃいいぃっーー!」
コナンはそこで動画を止め、タブレットをジェームズに返した。
「気分は大丈夫かな?コナンくん」
コナンは首を振った。当たり前だ。
「あなたには…」と喋りにくそうにジョディ。「真実を…伝えたほうがいいと」
「真実?」コナンの声は低かった。
「なら、彼女はどこ」
「え?」とキャメルがドアに寄りかかる赤井を見る。
「レディ・スミスはどこ!ジョディ先生ーー!」
皆コナンから目をそらす。「彼女は司法取引して死んだことになったんでしょ!ならーー2階にいるのは誰なんだよ!」
「コナンくん」
「彼女が殺したのはーー」
「何十人という我々の仲間だ」赤井はコナンを見下ろす。
「自分自身だよ!!」部屋がしん、となる。「そうでもなきゃ……」
歩実たちがコナンには浮かぶ。彼らをどんな気持ちで手にかけたかなんて、想像の域を越える。
「あんなことできるわけない」
「だが」とジェームズ。「スミスは、スミスがそれを選んだ」「そんなのは選んだうちに入らない!」コナンは叫ぶ。
「有無をいわさず、彼女は人殺しにならざるを得なかった!ちがう!?」
ジョディはどっ、とソファに寄りかかる。柔らかすぎて逆に気持ち悪かった。
「彼女がしたことは許されないよ。どんな理由があっても誰かを殺すのは許されないーーそれでも!」
コナンは赤井を見上げる。
「それを利用するのはもっと駄目だ!」
「コナンくん…」ジェームズが膝に肘をつく。
「これはいつまでも平行線になってしまうが、我々アメリカは過去に、日本に原爆を落としている……だがすでに、我々はそんなことせずともよかったんだ。だが、それは起きてしまった…理由は」
「「圧倒的な勝利のため」」
赤井とコナンの声がかぶる。
「わたしやジョディ、キャメルはアメリカ人だからな。それは…被害者の方々には申し訳ないが、圧倒的な勝利のために妥当な判断だったと思っている…またリベンジされるようではまずいからな」
「だから…」コナンはぐっ、とうつむきながら拳を握る。
「その為には…誰かの心が壊れてもいいって言うの…」
「そうだ」と赤井が言うので、皆が彼を見た。
「毎日が終わる度に思う。今日も死なずに済んだ。それの何が悪い」
「赤井さん!」
「俺たちはな、コナンくん」赤井があの声を出すのでジョディはぐ、と足に力を入れた。
「戦争を起こしたいわけじゃない、起きないようにしてる。公安の連中とそれは癪だが同じなんだ」
やり方が違うだけで。
「っ!」コナンは何かを言いかけてまたうつむいた。
「命をかけても守りたいものが…なければーー」
赤井の目の前を髪の毛が揺れる。振り向く寸前で、赤井はコナンを見下ろした。
「なければ……何を理由に日々に命をかける?」
ジョディは顔をそむける。
「正義か?大義か?そんなものは…くそくらえなんだよ……食べ眠りセックスしたらまた寝るーーそれだけを守るために生きてるのがどれだけ辛いか、君にはわからないだろ」
「それでも!」コナンは腕を振った。
「彼女はーー人間だーー!」
「違う」
ごくり、とキャメルが息を飲む。
「…あの女がなぜ公安にいるのか、何を企んでいるのか、今回の【テスト】でもわからないままだ。万が一、彼女がテロでも起こしてみろ。アメリカと日本は…」
「緊張状態になる」ジェームズが呟く。
「おそらく公安もそれを危惧してる。いや、おそらくもっと」赤井は天井をさす。
「あの女は国家を揺るがす…第1級の危険人物だからな…」
「我々FBIに降りてきている情報も、本国からは全てじゃない。当たり前だが」
「都合いいように、先生たちが動くように管理してるってことでしょ」コナンはもう床の端を見ている。
「だから今回も、また同じことを繰り返したの!?」コナンは走ってきて、テーブルにある書類を投げ捨てた。
薬物体制AAA+……接近戦AAA+……
という文字が舞う。まるで虎のような顔でナイフを持ち、切りつける瞬間の子供が写った写真がゆっくり落ちていく。
「真実がなにかを疑いもせずに!」
「そんなものはいらない」赤井の声に、コナンはついに彼を睨みあげる。
「我々は最後にやつらに必ず勝つ……どんな手を使っても……例え」
ねぇ、シュウ。起きてよ!いい天気だよーー公園に行こうよ!
ぐ、と腕を組んだからだに力が入る。
「……【ニトロ】を……兵器として使用してもな……」
コナンは赤井に近づき、見上げて顎をやる。「どいてくれる」目には明らかに怒りが灯っている。赤井はドアから離れた。
階段をあがる音を聞いてから、はあ、と赤井は息をつくと。
「ジョディ」
「話しかけないで」
「ジョディさ…」ばたん!という玄関が閉まる音に、キャメルは肩を縮める。
ジェームズもソファにからだを預けた。
「赤井くん」とジェームズ。「言い過ぎだ。あの小さな正義の塊には……」首を振る。
「キャメル」とジェームズは続ける。「本国に連絡は?」「すでに」キャメルは頷く。「それで?」と腕を組んだまま赤井。
「…望む結果以上が出たと……」
はっ!と赤井は呆れたように手をあげてキッチンへ向かう。
「改良の余地はあるが、だが……」とちら、とキャメルはドアを見た。「【機械】は手入れをしなければ錆びる…と」
「おそらく」とジェームズは頭の後ろで手をくんだ。「お茶をくれないか、赤井くん」彼は答えない。すでにそうしているらしかった。
「おそらく、遅かれ早かれ、あの薬は改良し米軍、諜報機関…我々にも出回る」
「ですがあれは…」
「ニトロには弱すぎた」カチャ、と紅茶がジェームズに出される。
「し、並の兵士では耐えられない」
「それじゃあーー!」キャメルはもう汗だくだ。「…キャメル」赤井は同じようにカップを前に置く。
「俺たちは何かを守るためになんか働いてない」
「…っ」
「人間と、戦ってる。ただ、それだけだ…」
コメント
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あろがとうございます!
うわ…これ、めっちゃ重い話ですね。スミスが薬で快楽漬けにされながらも必死に抗って、最後に「ロイ」って叫んだところが胸に刺さりました。コナンくんが「彼女は人間だ!」って言い返すシーン、こっちもグッときた…。赤井の「食べて眠って♡♡♡してまた寝る、それだけを守るために生きてる」って台詞も、冷めてるようで実はすごく生々しいなって。FBIも公安も、結局同じ穴のムジナなのか…次の展開が気になります。