胸が、痛い
理由は分かってる
けどどうしようもないことなんだ
「ーーーで、レトさんがそこでー」
ヘラヘラと話してるお前の
ただ横に居られればいいと
思ってたんだけど
俺が思ってるより
それは
辛かった
「ーーーねぇ」
「うっしー話聞いてた?」
「え」
「いや、えじゃなくてさ」
「ごめんw」
あー辛い
しんどい
「今日、おかしくね」
「何急にw」
「いや、誤魔化さないでさ」
どうしよう
バレた
なんて言い返せばいい
お前のことが…
大好きだなんて
言えない
口が裂けても
「体調悪いかもしんないわな」
「本当にそれだけ?」
こんな時に
可愛いとか
心配してくれてるとか
考えてしまう俺は
もう…どうすればいいんだろう
「それだけ…な訳ないよね?」
お前のその目は
何でも見透かしてるんだな
「うん…」
「…何があった?」
「言えることなら話して欲しい」
頭はぐるぐると思考を巡らせる
ぼーっとする脳は
もう冷静さを失っていた
「あのさ、」
「もし、好きだって言ったら」
「お前は受け止めてくれる?」
一瞬お前は目を丸くしたが
すぐにいつもの優しい目に戻った
「…ごめんね、うっしー」
「あ、…」
だよな
大丈夫お前は間違ってないよ
「変なこと言ってごめん、忘れてくれ」
「違うよ、」
え?
「うっしーに言わせてごめん」
そう言ってキヨは俺の体を抱きしめた
あたたかい
「……マジで言ってんの」
「もちろん」
「その純真な気持ちを弄ぶことはしないよ」
あぁ
もっと早く言えばよかったかな
心が
静かになる
「ありがとう、キヨ」
「ははっどういたしまして」
カラッポだった俺の心は
お前の優しさでいっぱいに満たされた
今更だけど
お前の存在がおれにとってどれだけ大きいか
分かった気がした
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!