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この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません


⚠記憶喪失パロ


深澤→「」

岩本→『』


______________________________________


深澤side 


何もない真っ暗な世界に、光が射したみたいだった。


『うす、元気?調子どうよ』


出会って一週間しか経っていないのに、あっという間に仲良くなった。ずっと昔から知っているような、ずっと昔から仲が良かったような錯覚さえも覚えるほどに波長が合う彼


「ん、昨日より気分いいかも」


『お、よかった。こっち向けるようになってるし笑』


病院のある一室での出来事。忙しいだろうに毎日来てくれる彼の名は、岩本照と言うそうだ


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六日前、気が付いたら知らない部屋に寝ていた。どういうこと?って思ってたら誰かに顔を覗き込まれて、”おはようございます深澤さん”って。深澤…ふかざわ?誰?って思ってたら俺のことだった。起きてすぐの時は混乱してて何も分かってなかったけど落ち着いてくるとあ、深澤って俺だわ。俺深澤辰哉だ、って急に思い出した


「…解離性健忘、?」


聞いたことのない病名だった。なんか前々からこの病気に蝕まれてたみたいなんだけど車に轢かれてトドメを刺されたらしい。平たく言うとどうやら俺は記憶喪失になってしまったみたいだ。いやいやでも、俺自分が誰だか分かるしスマホのロック…の数字は覚えてなかったけど、顔認証で突破できたからよしとする。親のことも妹のことも覚えている。けれど、俺が目を覚ました次の日に来てくれた筋骨隆々な男の事は、忘れてしまっていた


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コンコン、と扉がノックされる


【深澤さ~ん、入りますよぉ】


「あいよー」


【今日もご友人の方が来られてますよ】


「え誰だろ」


ぬっと現れたのは目茶苦茶でかくて筋肉ムキムキの厳つい人。えっ、え、俺こんな知り合いいるの?怖すぎるでしょ見た目、サングラス…似合いすぎじゃない?


「え、あの、は、初めまして…?」


『?!…は、じめまして、』


向こうは初めましてなわけがないのに、合わせてくれた。こんなナリだけど良いやつなんだなって思った。それと同時に、こんな良いやつの事を忘れてしまっているのがとても申し訳なくなった


「ごめ、んなさい…あの、俺15年前くらいからの家族以外の記憶なくなっちゃったみたいで…」


『そ…っか、』


「あの、名前は、?」


『俺?』


「うん」


『岩本照、あ照らすって書いてひかる』


「へぇ、光る方じゃないんだ?」


『そう、珍しいっしょ笑』


「初めて聞いたかも…なんて呼んだら良い?」


『前は照とかいわもっさんって呼んでたけど呼びやすい呼び方で良いよ』


「じゃあ近すぎるのもあれだし岩本さんでいこうかな。ちなみに俺は君からなんて呼ばれてたの?」


『ふっか、って呼んでるよ』


「ふっか…深澤のふか、でふっかか。なんか可愛いかも、わら」


『…うん、可愛いよ』


「俺の家族みんなふっかなのかぁ、響き可愛いなぁ、内情知ったら可愛いより面白いが勝っちゃいそうだけど」


初日はそういう会話をして、仕事があるからと言って岩本と言う人は帰っていった


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次の日も、その次の日も岩本さんは来てくれた。仕事は何をしているのかと聞いたらテレビ関係の仕事だって。普通に忙しそうなのに何で俺なんかのために時間を使ってくれるんだろう


「いわもっさんはさぁ、毎日俺んとこ来てくれてるけど飽きないの?」


『ん?逆になんで飽きるんだよ笑』


「いや、俺できること限られてるし…俺と話してても正直そんな楽しくないっしょ、わら」


『んなことねえよ、俺やりたくないことはやらない主義だし』


「…そっか、ありがと」


『んや、別にお礼言われる程のことしてねえし笑』


彼はなんでもないようにそう笑ったけれど、俺はその言葉だけで救われた。岩本さんと俺が記憶を失う前どんな関係だったのかはわからない。友達だったのか、同僚だったのか、わんちゃん遠い親戚とか、はたまた別の何かなのかもしれない。でもこれだけ大事に思って貰えてることは率直に嬉しいと思ったし、そんな彼ともっと一緒に居たいと思った


そう願ってしまったのが悪かったのかもしれない


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カーテンを閉め忘れてしまったせいで射し込んできた太陽の光で目が覚めた。高いとも低いとも言えない天井、左腕には謎の点滴。おまけに頭に包帯まで巻かれている。…なんだ、この状況は


「…?え、ここどこ?」


見慣れない壁、家のものとは違う真っ白なベッド。そして枕元には何故か小ぶりな向日葵が。コンコン、と軽く聞こえてきたのはこの部屋のドアをノックする音。誰が来たのか、ここはどこなのか、…自分は、誰なのか。なにがなんだかわからなくて、怖くて何も返事ができなかった


【深澤さ~ん、おはよーございます】


「…ぁ、おはよーございます、?」


深澤って、俺か。俺のことなのか。ノックの後に入ってきた優しそうな女性は看護師さんっぽい格好をしていた


【…どうされました?】


「えと、あの…なんでもないです、わら」


【どうしたんですか、らしくないですよ笑】


らしくない、?彼女は俺の事を知っているのか?やっぱりここは病院なんだろうか、俺何故かボロボロだし。何があったんだろう、俺だけこうなってて、家族は大丈夫だったのかな。というか今何月何日だ?…2025年?嘘だろ


「いや、ただ…ここ、どこなのかなって…病院?ですか、?」


【…そうですよ、貴方は一週間前に事故に遭ったんです。目を覚ましました、って先生に伝えてきますね】


一週間前に事故に遭った…でも俺は2025年を生きていた記憶なんて全くない。なんの冗談を言われているんだろう、何かのドッキリとか?いやそんなことするメリットがないし第一そんなつまらない企画誰がするんだよ、意味わかんねえ。とりあえず大人しくしといたら状況も飲み込めるようになるかな…


「あ、はい…」


看護師さんらしき人が部屋を出ていくと、入れ違いになったのかなんかごつい人が入ってきた。え、俺死ぬ?今日で死ぬの?借金取りとかじゃないよね?いやうち借金してねえし


『…ふっか?』


「え、ぁ、あの…どなたですか、?」


『あー…、っと、部屋、間違えちゃったみたいです笑』

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