時刻と予想通り、彼は予定時間に大量の部下を連れてきた。
まあ、俺はもちろんどっちも生かして返す予定で、殺す気など到底ない。
「さぁて、どう出るか…。」
一応、全員隠れてはいるが、なんせ予想できない輩ばっかりで、いつ飛び出して乱戦になるか分からない。
今回は梵も六波羅単題もいる。
俺らが息を潜めていた時、無線が繋がる。
「タカちゃん、聞こえてる?」
俺は「ああ。」とだけ返事した。
八戒は伝わっていることを理解すると、俺に言った。
「ごめん、タケミっちに逃げられた!」
「はぁ!?」
俺はつい大きな声を出す。
俺が隠れている方向は敵に超警戒されたが、幸運なことに見つかることはなかった。
その時、ここのリビングのドアが開く。
俺は見晴らしがいいところに隠れていたので、そこに来たのが誰か理解できた。
「タケミっち…!?」
:やっとみっち視点に戻ります:
俺はあの場所から逃げ出して、マイキーのもとに着いた。
その時、情報をひっそり教えてくれたイヌピーくんも一緒で、俺の脱出を手伝ってくれたのだ。
俺は大声で叫ぶ。
「マイキー!あとは任せた!」
その瞬間、多方向に隠れていたメンバー全員が一斉に出てくる。
「全く無茶なことしやがるな、花垣は。」
「うっせぇ、千咒。」
「ヴィィィィィィヴォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!」
「南くん声でけぇー…。」
全員が俺のところに現れると、マイキーが俺をマイキー側へと引っ張った。
「待たせたな。」
「待たせすぎ。」
そして、全員で敵側へと目をやる。
「多っ…。」
「数やばすぎ。」
「ま、何とかなる!」
俺がそんな楽観的なことを言うと、どこからか人が現れた。
「…なんで脱出できてんだよ…。」
そう言うのは、三ツ谷くんだった。
そして、俺と父さんへと銃口を向ける。
「てめぇらを生かして返す予定だったんだけど…まあいいや。」
三ツ谷くんはそう言うと顔をがばっと上げる。
「死ね、お前ら。」
俺らは発射された銃弾をよける。
父さんは部下の一人になにか言うと、部下が全員引き下がった。
俺は父さんに言う。
「んな雑魚、父さんだけで十分ってこと?」
父さんは俺に返す。
「いや、あくまで今回だけなんだが、共闘だ。」
「はっ、反吐が出るほど嫌だけど、まあいいよ。」
俺はマイキーの方を向いて言う。
「マイキー、下がっときな。多分、荒れるよ。」
「引き下がるか。俺も出る。」
「…本当、喧嘩となるとこうなんだから…。」
そう言って、マイキーは全員に指示を出す。
「梵は帰れ!六波羅は…鶴蝶を引き抜く!関東卍會(俺ら)は臨戦態勢だ!」
「「「「了解!!!!」」」」
そう言うと、全員が素早く行動に出て、準備を済ます。
これで、お互いにプライドというものがあるのか、全面的に味方とは言えない、謎の共闘が始まった。
三ツ谷くんは執拗に俺らの事を狙ってきたが、銃弾はかすりもしていなかった。
ただ、銃なのも相まって、マイキーはあまり行動できずにいる。
春千夜くんはたまに銃弾を切っている。
ココくんは鉄パイプを握っていて、たまに攻撃が当たるかどうかぐらい。
主戦力は俺と父さんで、特に父さんは銃だから、対抗することができていた。
カクちゃんは謎に動いたり動かなかったりバラバラだけど、特に気にしていない。
しばらくの乱闘が続いた後、三ツ谷くんはいきなりココくんを持って玄関側へと投げた。
そして、投げられたココくんの巻き添えを喰らったのが、イヌピーくんだった。
「イヌピーくん!?」
俺は思わずそう叫ぶ。
三ツ谷くんはその声を聞いて、すぐにイヌピーくんの方へ銃口を向けて。
銃を撃った。
その場が凍る。
…しかし、銃を喰らったのはココくんだった。
俺はココくんの元へと走る。
三ツ谷くんはその機会を狙ってもう一発撃ったが、恐らく不発だったのか、父さんがもう一発撃って相殺したのか、弾は届かなかった。
俺はココくんの近くに駆け寄る。
「ココくん!」
「花垣…。その…。ココが…。」
三ツ谷くんの撃った弾はココくんの心臓に当たっていて、もうすでにココくんは息をしていなかった。
俺はそっと瞼に手をやって、目を閉じさせた。
「大好きだったよ、ココくん。」
俺はそれだけ言うと、立ち上がって三ツ谷くんに言い放った。
「三ツ谷くん、一対一(タイマン)張ってくれよ。」
三ツ谷くんはふっと鼻で笑うと、こう言った。
「張る気なんざねーよバーカ。」
その瞬間、俺の目の前に現れたのは、ほかの誰でもない、カクちゃんだった。
俺はカクちゃんの攻撃をよけると、カクちゃんに言った。
「なんでカクちゃんがそっち側に!?」
カクちゃんは震える声で答えた。
「三ツ谷が…お前らを生かしてやるって…。」
俺は目を丸くした。
三ツ谷がそんな噓をついてまで、俺らを利用したいことに。
俺はカクちゃんに返す。
「でも、現に三ツ谷は裏切り者だった。なら、来るならこっちだろ?」
しかし、それでカクちゃんの思いが揺らぐことはない。
その時、父さんがカクちゃんの元へ三ツ谷を連れてきた。
そして、マネキン代わりに三ツ谷を抱え、三ツ谷の背中側へと回ると、父さんは言った。
「練習台。一回殴ってみろ。」
「ふざけんじゃねーぞお前…。」
三ツ谷くんはそう言うが、俺とカクちゃんはこの姿で懐かしんでいた。
戦いの練習で、たまにカクちゃんが来ていたこと。
そして、カクちゃんが来ていた時は、父さんが直接カクちゃんに殴り方を教えていたこと。
なかなかにやっていることはヤバかったが、今となってはいい思い出だ。
カクちゃんは「悩み吹っ飛んだわ!タケミチ、お前を信じるぞ!」と笑って答える。
父さんも雑に三ツ谷を投げると、カクちゃんに「その意気だ!」と笑って返した。
根は明るいんだよ、この人。
俺はあきれ顔を浮かべた。
そんな時、イヌピーくんがいきなり三ツ谷くんを掴んだ。
「何だ!?」
カクちゃんは驚いて素でそう聞く。
「今のうちにぶっ倒せるでしょ!?」
イヌピーくんはそう答え、三ツ谷くんの首をぐっと絞めた。
しかし、三ツ谷くんはそれを利用して、イヌピーくんを押し倒すと馬乗りになって殴り始めた。
俺は状況を理解できないで数秒固まっていたが、理解するとすぐに三ツ谷くんにつかみかかった。
イヌピーくんは俺の手助けのつもりだろう、三ツ谷くんを動けないよう固定していた。
「離せ!ッチ、クソ野郎が…。」
「…追いこまれたね、三ツ谷くん。」
俺はそう言うと、三ツ谷くんとイヌピーくんの上に馬乗りになった。
「ごめんイヌピーくん、ちょい耐えて。」
「わかった。」
俺は少し呼吸を整え、三ツ谷くんへと言った。
「妹ちゃんたちは戦いが終わったあと、生き残ったメンバーで回収します。心配しないでください。」
「そーかよ。」
「…もうお別れですね。東卍時代はお世話になりました。さようなら。」
俺はそう言って三ツ谷くんの胸へとナイフを刺そうと決めた時。
三ツ谷くんが言った。
「乾も道連れでな!!」
三ツ谷くんはイヌピーくんの腕を振りほどくと、自分の心臓へと銃を撃った。
手に持ったナイフが三ツ谷くんの死体へと落ちる。
春千夜くんは生死確認で三人の脈を測ったが、春千夜くんの生存報告はなかった。
マイキーは俺を抱き締めて、俺の手を引いたままその場を離れた。
父さんはいつの間にか消えていて、カクちゃんは恐らく春千夜くんの手伝いをしていた。
俺は、ただただマイキーの手を握っていることしかできなかった。
マイキー殺害まで あと
:誰か視点:
真夜中。俺は山道を歩いていた。
山道の先には廃教会があり、白い花が咲き乱れている。
俺は一本ちぎると、花弁をむしり取って風へと当てた。
花弁が舞う。
他人なんて本当に醜い。
「気持ち悪い…。」
誰かがそう言ったっけ。
俺は、花弁が消えた花を手でぐしゃぐしゃにすると、それを再度花畑へと戻す。
そして、月を見上げた。
彼女の髪色みたいにきれいな金色に光り輝く月は、何よりも美しかった。
「もうすぐ行くぜ、エマ。」
俺はそう言って、空へと手を伸ばした。
:どうもこんにちは、団長でございます!:
:もうそろそろラストですね!:
:で、エンディングなんですけど、4種類作る予定なんですね。:
:で、どの順番がいいか、コメント欄に書いてください!:
:お願いします!:
:・HAPPY END:
:・BAD END:
:・BITTER END:
:・TRUE END:
:ENDはこの四種類です!ではまた次回!:
コメント
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3番目かな~🤔